バルジェッロ国立博物館3 | ミニチュア制作 La Petite Fleuriste

バルジェッロ国立博物館3

前々回更新した『イサクの犠牲』を飾ってある一階に戻ります。

一階


全館写真禁止なので、撮りたいものだけ館員に許可を取って撮影していました。
やる気がなさそうな館員、親切そうな館員に頼めば大体OKが出ましたが、
この一階では、途中から厳しい館員がきたので、撮影は一切できなくなりました。
彫刻なので、作品が劣化する恐れはないのですが・・・。


この階は、ドナテッロのライオン君
(通称マルゾッコ。イタリア語でマルゾッコ=ライオン)が迎えてくれます。

マルゾッコ

ライオンはフィレンツェのシンボルですライオン
大理石の台座の上に座るピエトラフォルテのライオン。
以前書いたかもしれませんが、
ピエトラフォルテ(ピエトラ=石、フォルテ=強い)はフィレンツェ特産の砂岩の一種。
フィレンツェと言えばピエトラフォルテ。


ミケランジェロ3点を続けて載せます。
3点とも初期の作品です。

ローマ神話、ワインと酩酊の神『バッコス』。
21歳のときの作品です。
バッコス(ディオニュソス)は絵画で言えば、カラヴァッジョが一番有名でしょう。
バックスとも読み、英語読みでは、バッカスです。

バッカス

気持ちよく酔っ払っているように見えますワイン
酩酊状態を官能的に表現していて、
このように艶めかしく表現している彫刻は他には知りません。

柔らかそうなブドウも見事ですが、身体の角度や足の位置、肉感も注目ですね。


バッカス


後ろで美味しそうにブドウを食べている子供は、半人半獣の自然の精霊で
名前はサテュロスといい、脚が山羊です。
気味が悪かったです汗

バッコスは口が半開きで目がどこかへ行ってしまっています。
これ以上飲むのは危険・・・爆弾

キラキラバッカス

こちらは公式(?)の写真です。

バッカス

『ピエタ』などを見たあとなので、感動はしませんでしたが、
ミケランジェロがお得意の男女混合型の身体付きが印象的でした。
サン・ロレンツォ聖堂メディチ礼拝堂の『夜』はこの体つきが
顕著に表れています。
メディチ礼拝堂は、2度訪れました。それもいずれ書きます。


同じくミケランジェロ『ピッティの聖母子』
海外のサイトから頂きました。

ミケランジェロ


『ブルータス』 

ブルータス

この表情にミケランジェロの内なる心が籠められている、そんな作品に見えました。


昨日、うっかり作品名を挙げるのを忘れていたのですが、
チェッリーニの『ナルキッソス』を私は楽しみにしていましたラブラブ
そう、水面に映しだされた自分に恋をし、水の中の美少年から目を離せず、
餓死したナルキッソス。
その後、そこにスイセンが咲いたことからスイセンのことをナルシス
と言ったりしますね。

チェッリーニの『ナルキッソス』は、チェッリーニの弟子、モンテプルチャーノが
モデルです。
因みにチェッリーニはバイセクシャルでその弟子とも関係があったとされています。
この作品に使われた石は、
アルノ川の川底にあったギリシア産の大理石を使用したそうで、
制作時からダメージは相当なものだったと何かの文献で読みました。
確かに、大理石に見えませんでした。

横から見る角度がベストだと思ったのですが、
こちら、正面のものを見付けました。

ナルキッソス

挑発的なポーズ。ガリガリで生々しい身体。

 

邦題が分からないドナテッロのこの作品、私はちょっと笑ってしまいました。

Amorino Attis, anni

愉快なお子様で・・・。
こちらの作品、イタリア語の題名は、『Amorino Attis, anni』
amorinoは、“キューピッド”とか“可愛い”って意味で、anniは“男の子”。
attisは“死と再生の神”。


そのほかの作品として、

ヴェロッキオ
『花束を持つ貴婦人』、『ジュリアーノ・デ・メディチの胸像』

ドナテッロ
『聖ゲオルギウス』、

ゲオルギウス

『ニッコロ・ダ・ウッツァーノ像』、大理石の『ダヴィデ』もありました。

david

david

web gallery of art より頂戴した写真です。

あと、忘れてはならないのが、『少年洗礼者ヨハネ』。
こちらは最後に載せます。

ヴェロッキオは
『花束を持つ貴婦人』、『ジュリアーノ・デ・メディチの胸像』 


などなど。

ロッビア一族のものも多数所蔵されています。
土器の釉薬を開発をしたルーカ・デッラ・ロッビア。
ロッビアといえば、彩釉テラコッタ。
単にテレコッタに色を入れるのではなく、
粘土像を焼き、マルツァコット(ガラス性の物質)を覆い、その上に釉薬を塗り、
低い温度で3度焼成するという技法できるのですが、
一族に代々受け継がれたこの技法を使った作品は、
フィレンツェでちょくちょく見掛けましたひらめき電球
私の好みではないですが、鮮やかで目を引きます。

バルジェッロ国立博物館におけるルーカ・デッラ・ロッビアの作品は、
『聖ペテロの殉教』、『ばら園の聖母』、『女性像』などです。
ジョヴァンニ・デラ・ロッビアの『受胎告知』も有名なのかもしれません。
後は、失念しました。

青色の発色が鮮やかで、何百年経ったものとは思えないその作品は、
捨て子養育院美術館にもありました。
青と白のコントラストが目立つルーカ・デッラ・ロッビアの作品です。
ドゥオーモ付属美術館に聖歌隊席、パッツィ教会のお墓の装飾もありました。
またの機会に載せますアップ

最後にドナテッロの『少年洗礼者ヨハネ』。

ヨハネ

バックに前々回載せたブルネレスキとギベルティの 『イサクの犠牲』がありますね。

アップの写真がないのが残念ですが、
少年ヨハネは、頬はこけ、目も落ち窪み、ガリガリなのですドクロ
痩せた身にラクダの毛衣を着ています。
イナゴと野蜜を食べて苦行をしていた頃の少年ヨハネですね。
ドナテッロがこの制作をしたときは確か70歳近いです。


そのほか“象牙細工の間”もお勧めです音譜
とてつもなく細かい技巧で作られた象牙の祭壇が展示されています。


書いていてわけわからなくなってくるほど、本当に見所が多い博物館ですドキドキ
ここは14時までしか開いていない上、2階はなかなか解放してくれません。
時間がなく、じっくり見ることができなかったので、
もう一度訪れてみるのも良いと思いました。

取り敢えず、今日でバルジェッロ国立博物館は終わりにします。
実質5回目の更新・・・見ている人はつまらなかったかもしれません。

別のブログで綺麗にまとめたいと思いますアップ