以前から建築が気になっていた旧奈良監獄が星のやホテル&ミュージアムとしてオープンしました。早速、奈良監獄ミュージアムへ行ってきました。

 

私は、定期的におでかけして知的好奇心を耕さないと廃人化してしまう症候群な気がします。一緒におでかけしていた娘は、今や部活三昧。たまのお休みはお友達と遊びに行きます。

 

知的好奇心を満たす方法は、何もおでかけでなくても、読書、研究、もの作りなど色々あると思うのですが、知らない場所や行ったことがない場所へ行ってぷらぷらすることが好きなんだと思います。ただ、この日は暑すぎて日傘でがっつり覆おうと、目の前には傘の中が見えるという残念な猛暑ダッシュ

 

近鉄奈良駅へ着くと、外国人家族がコンビニで購入したおにぎりをむしゃむしゃと頬張る光景を目にしました。おにぎり、外国人にとっても美味しいのかな。駅の階段を昇り、地上へ出ると、またもや、外国人おにぎりカップルを二組も見かけました。「おにぎり」、日本の誇らしき食文化ですよねキラキラ気に入ってもらえたなら、嬉しいなぁ。

 

入場予約まで時間があるので、その前に奈良女子大学を見に行きました。こちらも、建築目的で。

 

 

昔、センター試験会場が奈良女(「こちらでは「ならじょ」と略す)だったんですよ。いい意味で古めかしい建物が印象に残っていました。センター試験が終わった日、友達と帰りに映画「タイタニック」を見に行ったの。今日ぐらいはいっかと。今思えば、よくない??3時間あっという間で、もう最高潮に感動しちゃって泣くうさぎセンター試験の出来に神妙な気持ちになっていた自分に、「タイタニック」の世界と比べたら、そんなちっちゃいこと(←試験)大したことないじゃないかとメッセージをもらった気がしたんだよね。大したことです。「タイタニック」でデカプリオにはまって、受験終了後、ディカプリオの出演作品は全部見ました。映画館にもう1回「タイタニック」を観に行ったし。同じ映画に2回以上足を運んだのは、「タイタニック」が最初で最後。という、若かりし頃の映画に感動した話。

 

素敵な建物キラキラ木製フレームを意図的に露出させる洋風建築、ハーフティンバー様式。

 

このデザインセンス、(何歳になっても心は乙女なあせる)乙女心をくすぐります。

 

次は、県庁の展望台へ。展望台へは誰でも上ることができるのです。興福寺の五重塔はこれぞ奈良と思わせる景色なのですが、修繕中で覆われているのが残念。若草山や東大寺大仏殿が見えました。日本に奈良があってよかった思うような緑に囲まれた奈良盆地の景色です。

 

 

まだ、予約まで時間があるので、奈良監獄ミュージアム近くの春は山吹、秋は秋桜が咲き誇る花寺・般若寺へ。紫陽花の時期には、ガラス玉に紫陽花を入れた演出を見られるのだけど、6月末までしたガーンですよね。もう十分暑いしてへぺろついでと思って、あまり下調べせずに行くとありがち。

 

風鈴は涼し気でした。

 

付近には、植村牧場という牧場がありますびっくりこんな街に近い場所にびっくりマーク牛舎には入れませんけれど、自由に見学できます。牧場内の庭には、玉ねぎをぶらさげていたり、梅干しを干していたり、のどかな空気が流れています。

 

植村牧場の搾りたて牛乳で作るこだわりのソフトクリームなどが食べられるショップは11時オープンのため、牛さんを見るだけ。

 

さて、予約時間になったので、奈良監獄ミュージアムへ。何もなさそうな場所を歩いていると、突如、どでかい建築物が現れるので、その大きさに圧倒されます。

 

 

見事な煉瓦造り。何せ大きいので、歩くのに時間がかかるし、汗が吹き出しますダッシュ

 

入場には、QRコードチケットをかざすのですが、3分前だったけれど、入場できました。ちょうどバスの団体客と重なり、凄い人。めっちゃ観光地感があります。団体さんが、通り過ぎるのを少し待つと、そこまでの人ではないかな。

 

 

旧奈良監獄の模型。

 

横からでは全貌は見えませんが、建物も敷地も大きいことは十分伝わってくるし、これは脱走しようとしても、塀に向かって走っている段階で見つかりそうですね。

 

本当に堂々とした立派な造り。

 

まずは、独居房の並ぶ舎へ。どこまでも続いていそうな通路とシンメトリーの構造が際立っていて、洗練された感がピリッときます。

 

館内では、2年前まで刑務官として働いていた方が、ガイドをしてくれていて、誰でも聞くことができます。 奈良監獄は、明治から118年そのままの状態で残っているというのが、とても貴重なんだそうです。強度だけでなく、デザイン性を考慮した細工が施されていることも特徴です。 

 

天井窓や丸い窓ガラスも洒落ています。

 

細部までデザインにこだわっています。

 

あまりにも立派な建物で、ここは監獄だよね、税金で作ったんだよね、加害者が生活するわけだよね、強度は必要だと思うけれど、ここまでの美しさは必要なのだろうか、庶民の方が、(独房の中は別として)質素な建物で暮らしていたのでは、と色々な思いが湧いてくるわけですが、謎が判明しました指差し

 

幕末に、日本は、領事裁判権の承認や関税自主権の欠如といった不利な条項を含む安政五カ国条約を締結したため、明治以降、条約改正は日本の悲願。日本は法制度を整えて、欧米諸国に近代国家として認めてもらえるように示す必要があったのです。西洋建築技術の導入は、日本が近代国家として歩み進めていることを内外に誇示する象徴的な意味を持っていました。なるほど〜看板持ち明治政府がここまで監獄に力を入れていたのも納得びっくりマーク

 

こうして、明治27年には領事裁判権撤廃、明治44年には関税自主権回復が結実しました泣くうさぎ拍手明治維新後の日本の発展って凄まじいものがあるけれど、これはやっぱり日本が独立国であることを維持するために、日本は命懸けだったんだろう。

 

舎房の扉

 

舎房の扉は通路側は木でできているけれど、内側は鉄でできており、そう簡単には壊せません。一番下の窓から食器を入れるのだけれど、一皿ずつしか入らずとても小さい。人間の頭が通ると、関節を外して脱出できるから頭が入らないよう小さいのだ。刑務所で、一番起こしてはいけないことは脱走、自殺、火災だそう。

 

受刑者が、曜日感覚が分からなくならないよう金曜の夜は海軍と一緒でカレー。カレーとライスは別々のお皿だけど、洗い物が増えないようにカレーが入っている器にご飯を入れるよう決まっている。そういう細かい規則が色々あるそう。

 

人気メニューは、若い男性が多かったから揚げ物で、唐揚げや受刑者に作らせたコロッケなど。朝晩は房舎で、昼は工場で食べたそう。 

 

独房

 

建設当初、舎房に便所は作られておらず、床に汚物用の桶が置かれていたそう。床には畳が敷かれていた。

 

受刑者が用事がある時、扉を叩いても蹴ってもダメで、声を出して呼んでもダメで、部屋の穴の中の金属棒のようなボタン(写真左)を押すと扉の左上から金属の札が降りてくる(写真右)。カタンという音がするので、刑務官は離れていても音を感知できるそう。エコで便利なんだけど、みなさん、よく呼ぶらしく、壊れる時も多々あったそうな。

 

 

第三寮の二階からの眺め

 

旧浴室

江戸時代は、入浴回数が厳しく制限されており、中には入浴できない牢もあったけれど、明治時代になってからは人権が配慮されるようになり、監獄では、週3回、1回あたり10-15分で入浴できるようになった。

 

4つの浴室が並んでいて、外から見るとこんなふうになっています。

 

囚人が作った「刑務作業品」

伝統工芸品の出来にびっくり。

 

藩政時代の刑罰

窃盗犯に課される入墨は、罪を重ねる毎に増える。罪人の証は一生消えないガーン更生なんて考えはない時代。

 

海老責の刑魂

明治政府は、近代化を進める中で、西洋の制度に倣い、身体を罰する刑罰から自由を奪う刑罰(自由刑)へ転換していきました。自由刑の導入は、近代国家を目指す上で不可欠だったのです。

 

奈良監獄の設計者山下啓次郎は、東大工学部で辰野金吾に師事し、欧米の監獄を8カ国30ヶ所も視察し、奈良監獄を設計しました。

 

 

出所後、保護してくれる者がいれば、更生しやすいが、保護してくれる者がいないと、再犯のリスクが高まるという、釈放直前の囚人教育に使われたもの。左が保護した場合、右が保護しなかった場合の出所後。絵がシュールでリアルで芝居染みているような気が。

 

雑居房では、本棚などに個性が出ます。

 

色々な刑務所の食器

 

ある日の夕食

健康的な内容に見えるけれど、食器の与える印象って大きいよなとも。

 

食事には、地域性が出る。

 

写真はあまり載せていませんが、ARTな展示部屋もいくつかありました。

 

「自弁品」といって作業報酬で購入できます。作業報酬は、月額約4556円。

 

雑居房のミニチュア

刑務所の雑居房と言えば、私は子供の頃に何度か見た泉ピン子主演の刑務所のドラマ「女子刑務所東3号棟」の印象が強くてダッシュ乳飲子のいる受刑者の涙の搾乳シーンが、鮮明に記憶に残っています。

 

出所後、刑務所漫画を描いたもと受刑者の作品

上の写真のスケッチは、刑務所で描いたもの。上手すぎ。

 

衣類や持ち物は、官物か差し入れなどの私物かで、イケてる?イケてない?のマウント合戦泣き笑い

 

庁舎

 

煉瓦を丸く削ったり、組み方が工夫されていたり、かなり凝っています。

 

鹿が敷地内に迷い込んできました。近くのおばちゃんが、「入場料払ったのかなぁ?」とちょっとおもしろいことを呟いていました泣き笑いスタッフの方達が、出口へ追い込もうとするけれど、鹿は逃げ回ってなかなか出られません。

 

明治維新前に奈良町にあった刑の執行を待つ旧牢舎「ギス監」。名前の由来は、キリギリスを入れる籠と似ているから。

 

中央看守所の見学は、奈良監獄とは別に予約が必要です。1回15人、1日4回のため、数ヶ月先まで予約が埋まっています。もちろん見学できたに越したことはないけれど、見学できなくてもあまり問題ないように思います。看守所へは、星のホテル内を通って行くので、ラウンジなどがちらりと見えます。

 

前に飛び出た場所からは、各棟が一望できる効率設計。実際に立ってみると、第一寮と第五寮は、同時には視界に入りませんでした泣き笑い馬なら一望できるはず。

 

第三寮は、最初に見学した独房のままですが、それ以外の寮はホテルの客室に生まれ変わっています。床には絨毯が敷かれ、ルームナンバー案内が表示されています。星野リゾートのラグジュアリーホテルなんだけど、監獄を見学した後にもと舎房で寝るところを想像すると、変な夢を見そう驚き海老責の刑とか頭の中でグルグル魂リラックスできるのだろうか。色々想像しちゃうなぁ赤ちゃんぴえんまぁ、そんな人は宿泊しないだろうけど。余計なお世話ですねあせる

 

 

決して諸外国に屈しないという日本の強い意志と底力を見たような監獄見学でした。それにしても、日本人って、外国の知識や考え方、技術を学んだり、吸収したりする賢さに長けていますよね。

 

凄いわぁ!と。最後陳腐な感想。でも、本当にそう思いました。

 

帰りは、春日大社前までバスに乗って、そこから山を駆け巡り、鹿と戯れる時間はないけれど、写真は撮らせてもらって、14時閉店の蕎麦屋へ急ぎます。

 

着いたぁー、間に合ったー、手打ち蕎麦のお店「吟松 高畑店」。奈良監獄のカフェでは、煉瓦の形をした四角いカレーパンを絶賛売り出し中だったのですが、空腹に耐えてよかったぁ。

 

ぶっかけおろし蕎麦をいただきました。ちゅるんと入って、夏にぴったりでした。一瞬で食べ終わった泣き笑い

 

途中鹿と遭遇しながら、てくてく歩いて志賀直哉旧居へ。昭和4年から9年間、志賀直哉が家族と過ごした邸宅です。最初はね、志賀直哉の作品を読んだことないし、やっぱりこういうのって読んで訪れて何ぼでしょと思うので、やめとこうと思ったのですが、口コミを見ていると、「志賀直哉を知らなくても建築好きなら一見の価値あり」と受け取れる内容がちらほら見られ、行ってみることにしました。

 

前日に、付け焼き刃ですが、志賀直哉に関する情報をYouTubeでインプットしました。作品を読んでいないのに、こんなことを言うのは烏滸がましいのですが、とても深みのある人物なのですね。菊池寛も志賀直哉を絶賛する書評を書いていて、あの「大衆明治史」ですっかり魅了された菊池寛(実はゴーストライターがいたんだけど)が尊敬しているとは、とてつもなく凄みのある人に違いないと思ったわけです。

 

 

邸宅は、光をふんだんに取り入れていて、どの窓からも活きいきとした緑が目に写り癒されます。二階の客間からは、春日の社の神体山・御蓋山や若草山が望めます。

 

二階の冬の南向きの書斎。ここで「暗夜行路」を執筆しました。

「暗夜行路」の主人公の辿る苦悩の人生と志賀直哉の家族に囲まれて過ごす幸せな人生が対極過ぎて、こんなにも恵まれた人(志賀直哉)が、ここまで不遇な男の心を描くことができるのかと感嘆します。

 

一階の書斎は、筆返しのある特注の机。

 

私も、書斎やリビングの窓からは、緑の見えるお家が理想目がハート

 

志賀直哉が奥様と娘様のためプレゼントした茶室。なんて贅沢な造り。

 

そして、何と言ってもこの和洋折衷のサンルームが志賀直哉邸の本髄ではなかろうか。これは、本当に素敵だキラキラ一見の価値ありびっくりマーク

ここに谷崎潤一郎や武者小路実篤らの芸術家がたびたび訪れ、芸術談義に花を咲かせたそう。

 

隣りの茶室のための蹲(つくばい)があって、身を清めるだけでなく、スイカや飲み物を冷やしたんだって。ちなみに茶室が二部屋もある!と思ったら、こちらは茶室ではなく、奥様のお部屋でした。南向きの一番いいお部屋。躙り口や蹲は、遊び心ピンク音符

 

お家の中に出窓?と思いきや、ダイニングルームとサンルームが隣接していて、サンルームの天窓からの光が降り注ぐように工夫されている。

 

アールデコ風のダイニングルームの壁には、牛革のソファが造り付けられている!

 

そして、台所からの動線もバッチリ。

 

台所は、広々していて使いやすそう。なんと冷蔵庫が備え付けられているひらめき一番上段に氷のブロックを入れて、冷気を回す造り。

 

薪でお湯を温める五右衛門風呂指差し焚口は外。この時代には珍しいシャワーが付いている!流石にお湯は出なくて水だけ。

他にも、当時珍しい子ども部屋があり、床にはコルクが敷かれ、多少騒いでも大丈夫になっていて、遊び場となる裏庭にすぐに出れて、お庭にはプールも作っていますびっくり彼の家族を思う気持ちがこれでもかと伝わってきます。眼福でした。


お次は、日本のピラミッド?!と称される「頭塔」を拝見!

とても不思議な形なんだけど、これは奈良時代の土塔らしい。

 

てくてくてくてく「奈良春日山酒蔵」さんへ。奈良には、30ほど酒蔵があるらしい。

 

リニューアルしたそうで、こんな素敵なカウンターがキラキラ全種類、試飲したくなっちゃいます。

 

フルーツのリキュール系が豊富なので、お酒の強くない方でも、色々楽しめると思います。

 

花札シリーズはラベルがかわいい目がハート焼酎は、8種類もあるのに試飲無料!「みかけによらず」という御所で作られたヤマトイモの焼酎をいただきましたニコニコ濃い〜ニコニコ葱の焼酎があって、匂いを嗅がせてもらうと、葱臭が笑い私は、無理ぽかったけれど、クセになってハマる人はハマるそう。

 

 
他にも「とろとろの梅酒」(200円)と大吟醸「ご香酒」(300円)の試飲しました。「とろとろの梅酒」おいし〜い照れ
 
8月に販売を考えている梅シロップのかき氷を試食させていただきましたよだれ

ピントが驚きせっかくのかき氷、すみません。

 

味は、甘すぎず、さっぱりしていて、ほてった体を生き返らせてくれました気づきおいしかったですグッ

 

昨年も、かき氷を販売したのだけれど、さっぱり売れなくて、意見を聞かせてほしいということで、店員さんとシロップの甘さや量、値段、SNS発信、器のこと(酒屋だから、器を升にしては?四角は食べにくい?)など、売れる方法を一緒にあーだこーだお喋りして、私は好き勝手言ってただけなんですが、楽しい時間を過ごしました音符暑さで脱水気味で入店し、大吟醸も焼酎もかなりアルコール度数が強かったので、私は少し上機嫌になっていたような気がします照れ

 

女性店員さんは、平日はここで働いているけれど、麹調味料が専門らしく、週末は娘さんとお家の庭でカフェを開いているそうひらめき親子で週末カフェっていいよね。こちらのお店→「奈良の家ーruttoー」花今度、行ってみなきゃニコニコ

 

 

お次は、「今西清兵衞商店」通称「春鹿さん」へ。

スマホのレンズが曇っていたかも。

 

こちらでは、700円で決められた5種類を試飲できます。辛口で、キュッとくる味。

最後の試飲は日本酒スパークリングできゅうりと瓜の奈良漬と一緒にいただきました。外国人パパが、子どもたち5人に囲まれる中、試飲する姿にほっこり。

 

とにかく暑かったのですが、監獄ミュージアムはおもしろかったし、志賀直哉邸は素敵だったし、酒蔵さんでのお喋りは楽しかったし、いい一日だったなぁニコニコ