夫の海外赴任が突然決まり、「お金」に関する悩みに直面するプレ駐在妻。そして、海外生活をスタートさせた後にも、「お金」の悩みを抱えながら日々過ごしている駐在妻。

FP資格を持つ駐在妻たちによる、駐在妻のためのGlobal FP Salonでは、こうした悩みを解決し、ライフプランニングを考える際のヒントをお伝えしていきます。

 

今回は、前回「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き①」に続き、「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き②」をお伝えします。

 

前回では、「雇用保険の受給期間延長」と、「社会保険の手続き」を紹介しました。

 

今回は、「所得税」と「住民税」の手続きです。

 

 

まずは、「所得税」についてお伝えします。

 

海外赴任者(企業に勤める夫の場合)は、海外赴任初年度のみ、赴任当年の11日から出国日までの所得に対して会社が「年末調整」をしてくれます。一方、海外帯同する配偶者(駐在妻)の場合で、且つ、年末ではなく年の途中に退職する場合は、自分で手続きをする必要があります。仮に、給与所得のみの場合は、準確定申告をして、支払いすぎたであろう税金を還付してもらう手続きをした方がよいでしょう。非居住者期間が5年未満の場合は、帰国後の還付請求も可能ですが、住民税にも影響しますので、できれば出国前に済ませておいた方が安心でしょう。

また、給与所得のほかにも収入がある場合や、非居住者になった後もある一定の所得が生じる場合には、納税管理人を立てる必要があります。

ただし、医療費控除を受けるときなど、還付請求のみの確定申告の場合は、納税管理人を立てず、5年以内であれば帰国後にまとめて還付請求することもできます。

 

 

*「準確定申告」とは、当年の所得に対し、翌年の確定申告期間に日本に在住していない(確定申告ができない)場合に、出国日までに行う確定申告のことです。

*「非居住者」とは、1年以上の予定で日本を離れる人のことです。

*「納税管理人」とは、日本で確定申告書の提出や税金の納付などを非居住者に代わってする人のことを表します。日本にいる家族や税理士を納税管理人として、通常は出国直前まで居住していた住所地を管轄する税務署に「納税管理人の選任届」を提出する必要があります。注意点としては、届出書の提出後、税務署が発送する書類は、納税管理人」宛てに送付されますが、確定申告書は非居住者の納税地を所轄する税務署に対して提出が必要になることです。

 

 

次に、「住民税」についてお伝えします。

 

住民税は、当年11日に居住している地方自治体に対し、前年の所得に基づいて当年の6月~5月の1年間、住民税の納税義務が発生します。

例えば、201861日に出国した場合、2018年の所得に対し、2019年の5月まで住民税の納税義務が発生します。

そのため、出国後も住民税を支払わなければならない場合は、自動口座引き落とし手続き等を利用しておくとよいでしょう。

 

 

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さて、最後に、出国前の手続きとして、「これは使える!」と思うサービスをご紹介します。

 

皆さんは「JALファミリークラブ」をご存知でしょうか?

 

家族のマイルを合算でき、また、海外へ向かう際にJAL国際線を利用すると赴任フライトマイルボーナス(家族のフライトも適用されます)や、海外生活で必要なグッズがもらえる特典があるなど、お得なサービスです。(201810月現在)

また、JALカード会員限定で、個人生活に関わる種々の賠償責任のほか、ケガ、病気に総合的に備える、「海外赴任者総合保障制度」という保険があります。この保険への加入は、出国前が条件となりますが、生活習慣の異なる海外での暮らしは、日常のちょっとしたことがトラブルにつながりやすいため、会社で加入している保険では不十分と考える場合は、利用するのもよいかと思います。

JAL便が就航している国への海外赴任(帯同)であれば、ファミリークラブへの入会をおススメします。

 

 

 

「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き」に関して、疑問に思ったことや分からないところがございましたら、“Global FP Salon”へ「メッセージ」を送信してくださいね。また、個別メール相談(場合によっては、Zoom等での個別相談)も行っております。ご希望の場合は、globalfpsalon@gmail.com へ、お気軽に問い合わせくださいませ。

 

 

次回は、「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き③」をお伝えします。

 

 

次回もお楽しみに!