「こういう人は仕事ができる・できない」とか、
「仕事ができない人は大抵~だ。」
などという議論をよく耳にしますが、
あれは少し安直だと思いませんか。
この議論には必ず前提が必要です。
それは「仕事ができる」という評価基準に絶対的なものは存在しないからです。
物を売る仕事、物を仲介する仕事、物を買う仕事で全く求められる仕事の質が違います。
また一つの会社の中でも経営企画・研究・営業・経理・人事で全く求められる仕事の質が違います。
大抵の人は、例えばテキパキと早く仕事をこなす人は「仕事ができる」と考えているようですが、
私は全くそうは思いません。
これが適用されるのは高い情報処理能力を必要とされる、例えばプロジェクトマネージャーや商社の流通プロセス管理、或いは経理総務などのバックオペレーションにおいてです。これらは仕事が正確で且つ早ければ早いほど評価される。
一方で企画や広告代理店、コンサル系、そして我々のような投資系などは、極論仕事の早さなどどうでもいいです。それよりも何をアウトプットするかで圧倒的に評価が分かれます。
事実私は仕事は早い方では決してないと思います。仕事もさほど正確ではない。しかし人一倍考える努力をします。つまり商社では私は「仕事ができない」が、コンサルなどではきっと「仕事ができる」んだと思います。(ちょっと大きく出ました・・)
大事なのは自分はどういった種の付加価値(「仕事ができる」)を出さなければいけないのかをよく考えることだと思います。
自分が所属する会社はどういった付加価値を市場に提供しているのか、
そして自分が所属する部署は会社内でどういった役割を担っていてどういったバリューを出さなければいけないのか、
そして何よりも自分はその部署の中でどういった種の「仕事ができる」を求められているのか。(もちろんポジションによって求められるものは違います。)
一方で、自分の持ち味はテキパキ派なのか、クリエイティブ系なのか、またはとにかく人前だと自分の価値を出せる営業系なのか、或いはとにかく何かを分析している方が性に合ってるのか、よく考えてみる。
そして、今後はどこを伸ばしていきたいのか、そしてそれを伸ばしていくにはどういう仕事が合っているのか、今の環境はそれを満足できるところなのか、或いはプロモートすればそれが期待できるのか、そうでないならばどこなら満足できる場所なのか。ここまでくるとおそらくミスマッチなので職業選択の見直しが必要になるでしょう。
これらは学生時代、就職活動に行う所謂自己分析でこの分析をするのは無理だと思います。そもそも経験がないし、情報もない、入る情報は全て湾曲されているし、学生間の人気業界にバイアスがかかる。そしてそこに適合性を強引に合わせた都合の良い自己分析をする。もはや無意味です。
社会人経験を2,3年程度やれば自分の持ち味も見えてくると思いますし、他業界・他職種についての情報もかなり持っているはずです。逆に見えていない人、情報レベルが学生からさして増えていない人は、今まで何をやってきたんですかと言わざるを得ません。
本当の職業選択は社会人経験で2,3年経ってからだと思います。
あなたは「仕事ができ」ますか?