ふと気づいたら、銀座が大変なことになっていました。

ワタクシには入れないような高級ブランドがずらり……いえ、違います。
日本人より外国人観光客のほうが多いような……いえ、違います。
ギンザシックスが、どどんとそびえ……いえいえ、違います。



ギンザシックスから北に離れて、銀座エリアの北端に近づいた銀座二丁目。
東西に長い二丁目は、東銀座駅から、てくてく歩いて有楽町駅まで、徒歩十分かかるかどうか。大した距離ではありません。
百貨店も、ありません。


それなのに、なぜか、
お昼前に東銀座駅を出発したはずなのに、有楽町駅にたどり着くころには日が暮れている。

徒歩十分。「銀座二丁目」から一歩も出ていない。なのに、滞在時間はほぼ一日。
いったい、どこのブラックホールに時間を落っことしてきたのか。
そして、高級ブランドショップも百貨店もないのに、恐ろしい財布の危機。
いったい、どこのブラックホールにお金が消えていったのか。

これを、大変なことと言わずに何といいますか。




……あ、この摩訶不思議な恐怖体験は、文房具好き限定です。




では、魔の四角地帯……いえ銀座二丁目を、東から西へと軽く散歩してみましょう。
歩き回るだけで半日かかる文房具の魔境・東京駅周辺とは違い、ごくコンパクトなエリアです。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34373823.html

昭和通りを左に折れてほど近い、ホテルモントレ銀座。この隣のブロックに、まず現れるのが、ワイルドスワンズ直営店のC.O.U銀座店です。
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客が数人入ったら、もう身動きがとれなくなってしまうほどの小さな店。
残念ながら、文房具はあまりありません。
でも、ペンケースやブックカバーなど、わずかに並ぶ文房具関連商品は、使い込めば使い込むほど味が出そうなものばかり。
店頭商品は注文用の見本みたいなもので、欲しいものがあったらオーダーするのが基本です。もちろん、在庫があるものはすぐ買えます。
店舗の一角に、スタッフさんが使い込んだ財布を展示する小さな棚がありまして、ここを見ていると飽きません。

……あ、今日は何も買わないので、「店内の写真撮ってもいいですか?」と聞く勇気はありませんでした……
目の保養を済ませたら、さらに西へと向かいます。




すぐ現れるのが、銀座の文房具界にそびえる魔の三大名山の一つ、伊東屋です。
K.ITOYAとG.ITOYAの2館に分かれ、ワタクシの財布を狙っています。
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昔は万年筆売場は現在のK.ITOYAにあたる裏通りの店舗の1階でしたが、現在は本館で銀座通りに面したG.ITOYAの3階に移っています。
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G.ITOYAは、各フロアの商品点数をかなり絞ってビジュアル重視で配置している印象。文房具店というよりセレクトショップな雰囲気です。
K.ITOYAのほうに、昔の伊東屋の雰囲気が少し残っていますね。たくさんの商品を詰め込んだ昔の伊東屋が好きだったワタクシにとって、心が和むお店です。



普段使いしやすいペンが集まるK.ITOYAの1階から、紙にこだわったノートが集まる2階フロアへ。さらに上階へ行けば画材も充実しています。
ひととおり堪能したら、G.ITOYAの3階で万年筆とインクを味わい……

……このへんで、もうお昼を軽く過ぎています。



G.ITOYAの12階にはカフェもあります。11階に野菜工場があり、そこで作った野菜を使ったメニューを楽しめるそうです。
とても素晴らしい銀座価格ですが、今日は、銀座二丁目から出ないと決意している日でもあり、文房具づくしの一日でもあります。入ってみましょう。



フレッシュレモネードは、甘すぎずすっぱすぎず絶妙なバランスで、さわやかでこの季節にぴったり。
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ブランチプレートは、値段=カロリーなんじゃないかとたじろぐ内容ですが、どれもおいしかったです。
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お腹がいっぱいになったところで、銀座通りを越えます。



と、すぐ現れるのが、カランダッシュのブティック。
ここにも伊東屋のマークがありますね。伊東屋とカランダッシュの共同経営なのだそうです。
……つまり、ここでカランダッシュの文房具や画材を買うと、伊東屋のポイントがたまります。
素晴らしい。
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綺麗な色の色鉛筆が欲しかったので、2階の画材コーナーに上がります。
階段を上がったところで、もう、わくわくしますね。
色別に分けられた色鉛筆やコンテ類がお出迎え。
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色鉛筆の試し書きコーナーもあります。
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試し書き用の紙はなんと三種類も用意され、水筆もあって、一本五百円もする超高級色鉛筆も描き放題。
塗り絵の紙もありました。
時間があったら、ここで一時間は簡単につぶれますね。



その奥に、大して絵心がないワタクシでも気分が舞い上がるコーナーが。
色鉛筆に取り囲まれていると、なんでこんなにワクワクするのでしょうか。
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勢いで、一本300円もする色鉛筆を買ってしまいました。買ったので、堂々と「店内の写真撮ってもいいですか?」と、尋ねることができたわけです。お客様がほかにいなかったためか、快くOKいただけました。
500円のほどではありませんが、パステルに近い書き心地で鮮やかな発色です。水でぼかすこともできます。
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……って、なんか紙全体が濡れているような気がするけど?
……ええ。ちょっと、家庭内で事故に遭いまして。
詳しくは、後ほど。




後ろ髪を引かれる思いでカランダッシュを後にして、もう少し西に向かうと、6月にオープンしたLOFTが現れます。
魔の三大名山のひとつです。
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ここの5階フロアに、恐ろしい魔窟ができました。
世界の様々な鉛筆を集めた「ペンシルバー」です!

ファーバーカステル、ステッドラー、三菱鉛筆といった定番から、軸の6面に様々な文字が書かれた英国の「I am a」というかわいい鉛筆など、見たことがないものも。
たとえば「ヘイトマンデー」という一本は、TuesdayからSundayまでが各面に描かれ、Mondayはありません。
これを書いている現在、日曜日の午後10時すぎ。今、欲しい一本ですね。すっげー共感。



ペンシルバーを見ていると、中学生のころに親にねだってクリスマスプレゼントに買ってもらった「世界の鉛筆50本セット」を思い出します。
大人になった今、ここに通えば、欲しいものばかりをあつめた新たな「世界の鉛筆50本セット」ができる……!!
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34373823.html
まさに、オトナ買い。ああ。

鉛筆は、高くても一本300円くらいなので、ばら売りを見ると心が騒ぎます。
この日の戦利品……って、いきなり半ダース。
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……あっ。また事故が……
はいはい。ワタクシが持っているものは、全部おもちゃです。はいはいはいはい
色鉛筆で描いた紙が水に濡れてしまったのも、このヒトのせいです。ああ。




LOFTのペンシルバー、欲を言えば、店員さんの商品知識がもっとあると、なお素敵だと思います。

今回買ったブラックウィングの鉛筆は、濃さがよくわかりません。
HBや2Bなどでなく、もともとこのブランドだけの特殊な分類であるうえ、軸にはっきり書いてありません。
ただ、「ソフト(4Bくらい)」「ファーム(Bくらい)」「バランス(2Bくらい)」の三種類があります。

ワタクシが買ったのは、果たしてどれくらいの濃さなんだろうか。
いつものように、買った後に知りたくなって店員さんに尋ねたところ「表示がないのでみんな同じ濃さです」と言われました。
後にネットで調べたところ、どうやら軸の色で濃さが決まっていて、青いのとグレーのはソフト、緑っぽいのはファームのようです。
ま、軸がきれいだったから買ったので、濃さが何でもよかったわけですが……

鉛筆は、同じHBでも、メーカーによってかなり濃さや書き心地が違います。
これだけ鉛筆を集めてあるのだから、それぞれの濃さや特徴、ふさわしい用途なんかについて、アドバイスをいただけると、なお楽しい売り場になるんじゃないかなあ。
ペンシルバーに「鉛筆ソムリエ」がいたりすると、いいなあ……などと、妄想します。



……「濃さはどうでもいいの。軸がきれいだから」って買っておいて、何を妄想してるのでしょうか……




さてさて。
LOFTを後にして、さらに一本西側の道に入ると、アレがあります。
魔の三大名山の最後の一つ、東急ハンズ銀座店です。
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そうです。銀座二丁目エリアには、なんと伊東屋・LOFT・東急ハンズという三大名山が一直線に並んで密集しているのです!!
なんという文具激戦区。
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現在、東急ハンズ銀座店は10周年記念企画の真っ最中。
6階の文具フロアでは、一度行ってみたいと思っていた「ぷんぷく堂」のコーナーがあるのです!
本八幡という微妙な場所で、夕方からオープンする、ちょっと変わった文房具を扱うお店です。
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今年の文具大賞を受賞した「あなたの小道具箱」のほか、半分の長さの鉛筆や、廃盤になったカラー紙をあつめた封筒などがありました。
ぷんぷく堂コーナーは10月1日まであるそうです。
いつか本店にも行ってみたいなあ。




……ということで、カランダッシュ、LOFT、東急ハンズと回って来れば、午後は丸つぶれもいいところ。
ちょっとお茶を飲んで有楽町駅に向かうと……

最後のとどめに、マルイの中に、再び伊東屋が。
「お買い忘れはございませんか?」
みたいな?




こうして、銀座二丁目から一歩も出ずに、楽々と丸一日がつぶれるわけでございます。




銀座の吸引力は、決して、高級ブランドだけでも百貨店だけでもファストファッションだけでもドラッグストアだけでもないのです。
観光客だけでなく、文房具オタクをも惹きつける。
あなおそろしや。銀座の底力。

今回も、財布の被害甚大だったなあ……ふぅ。