世の中には、二種類の人間がいます。
危機を事前に察知して避けるタイプと、失敗して初めて危機の存在を知るタイプです。
ワタクシは、明らかに、後者のタイプです。
ロングウォレットの製作過程を振り返れば、明々白々ですね。
何事も、やってみて初めて気づく、日本有数のざ・ずぼら~。
ロングウォレット作りの後半戦は、
まず、本体の革を選ぶことから始まります!
………って、アンタ。
ふつう、本体の革というのは、財布を作り始める一番最初に決めるものでしょう。
「この革で財布を作ろう」というところから、スタートするのが普通でしょう。
何も考えずに内装パーツだけ作っちゃって、いったい、どうするつもりなの。
……いえいえ、何も考えていなかったわけではありません。
候補は、ちゃんとありました。
ただ、どれにするかを決めていなかっただけです。
……おんなじだって。
そもそも、内装パーツに使える革が限られていたことが、ことの発端でした。
厚革好きのワタクシは、そこそこの大きさがある厚さ2ミリ前後の革なら、いくつも持っておりました。
……って、作る当てもないのに革だけあるんかい!
ごほん。
ただ、財布全体を厚革で作ってしまうと、とんでもなく分厚い財布ができあがってしまいます。
重量感は半端なく、カードの出し入れも、非常にしづらくなるでしょう。
そこで、カードポケットなど内装には、厚さ1ミリ程度の薄い革を使うのがよさそうでした。
型紙にも、厚さ1ミリと指定があります。
となると、選択肢は、
①ハンズで買ったヌメ革の端っこ(@100円~300円くらい)の寄せ集め……ロングウォレットの内装は、パーツの数が多く、まとまった大きさが必要です。端っこの寄せ集めでは、ちょっと大きさに不安がありました。
②ヤフオクで買った栃木レザーの牛半頭分……うん。やっぱり、これですね。
厚さ1ミリの栃木レザーは、色が赤です。
一方、小銭入れは、型紙には厚さ1.5ミリと指定があります。
実際、触ってみると、厚さ1ミリではぺらぺらして小銭をホールドするには不安です。
厚さ1.5ミリの革ね。ええと、ええと……
在庫を掘り返して発見したのは、チョコ茶のラティーゴでした。
内装パーツは、これで決まっちゃったわけです。赤と、チョコ茶のツートンカラー。
となると、これに合う外装にしなくてはなりません。
候補は3つありました。
まず、赤に合わせて、赤。プエブロではありませんが、表面がちょっと起毛っぽく加工された面白い革です。
なんつったかな。名前は忘れてしまいました。いかんなあ。
ただ、真っ赤な財布は、かわいくて気分が上がりますが、ハイになりすぎて無駄遣いがかさむ恐れがあります。
……あ、個人的な感想です。
次に、グリーン。エルバマットのキレッパジです。
グリーンとチョコと赤。ちょっとクリスマスっぽいけど、かわいいですね。
ただ、エルバマットのグリーンは、革作家さんのブログによれば、使っていくうちに激しく色が変わりターコイズブルーっぽくなっていくとのこと。
となると、チョコと赤との相性が心配です。
最後は、無難に、チョコ茶。これもエルバマットのキレッパジです。
まあ、一番落ち着きますね。
どれにしようか迷いに迷って、まずは内装パーツを作って考えることにしたのでした。
外装に手を付けるのは最後ですからね。十分間に合います。
……結果。
ワタクシは、無難な路線を選択しました。まあ、初めてのロングウォレットですからね。ベーシックに行くことにしました。
大好きなエルバマットの、チョコ茶です!
まずは、ホックを付けましょう。
マニュアルにはバネホックと指定がありましたが、今回はジャンパーホックを使います。
なぜか。
まず、ジャンパーホックのほうが、バネホックよりしっかりしまるので、財布として安心感があります。
次に、形の問題です。
手前のピントがずれている一列がバネホック。奥の列がジャンパーホックです。
ジャンパーホック、左側二つの足が同じであることに、お気づきになりますでしょうか。
つまり、どちらを使っても、ホックとして機能するのです。
バネホックは、足の形状が違うので、こうはいきません。
今回の財布は、ホックが表面に出ないデザイン。ホックの上に革をかぶせます。
ということは、ホックの厚みがないほうが、全体がすっきりしますね。
ホックを受けるほうは、カードも入れられるポケットにするので、内側に足の厚みが出ては困ります。
ジャンパーホックの左から2番目の足を両サイドに使えば、どちらもぺったんこに薄くホックを付けられるというわけです!
さっそく、つけましょう。
…………あっ。
再び、やらかしました。大失敗。
なぜか、革の表側に足を取り付けてしまいました……これでは、表裏が逆ではないか。
泣く泣く、ニッパーで慎重にホックを外します。
エルバマットの余分はありません。革に傷つけないよう、慎重に。
気を取り直して、つけ直しです。今度は正しくつきました。
いよいよ、内装パーツとの合体第一弾です。
前回、うっかり先に穴を開けてしまった側と縫い付けます。
慎重に、ずれないようにエルバマットに穴をあけ、いざ合体!
…………あっ。
またまた、やらかしました。大失敗。
うっかり開けてしまってあった穴が、足りなかった………
革の上端まで開けておくべきものが、カードポケットの部分までで止まっていました。
あと3つ、針穴が足りない。
う~む。めんどうくさい。
縫い線を引き直してから開ければいいものを、ずぼら~は手抜きしました。
3つくらいなら、フリーハンドで行けるだろ~!!!
………行けませんでした………
みごとにゆがんだ縫い穴に、教訓をかみしめます。
手抜き仕事は失敗の元。
さて。問題は、ここからです。
外装の革を折り返して、内装パーツの反対側と接着し、縫い穴を開けます。
縫い目を綺麗にするために、縫い穴は、外装の革の側から開けなくてはなりません。
まずは外装の革にぐるっと菱目打ちで穴を開けたら、
マチとカードポケットの間にコルク板を挟んで、菱錐で、ぷすぷすぷすぷす………と、貫通させていきます。
…………あっ。
やると思った。また大失敗。
垂直に菱錐を打つことができず、内装側の穴が、断面ぎりぎりの際に寄ってしまいました…………
…………これ、ちゃんとカードポケットを固定できるんだろうか…………
革の恐ろしいところは、開けた穴をふさぐことができないという点です。
開けちゃった穴は、もうどうしようもありません。
あ~あ~。
見返しは、普通に接着してから菱目打ちで貫通させればよかったのですが………
…………あっ。
さらに、きめ細かく大失敗。
どうして、まっすぐ菱目打ちを打てないのだろう……(涙)
なんか、よれよれになってしまいました。
ま、気を取り直して、縫いましょう。
めでたく、何とかかんとか、外装と内装がくっつきましたよ!!
あとは、コバをやすりで磨いて、茶色のローバスバチックで染めて、トコノールで磨いて、レザーワックスコートをかければ、できあがりです!
…………あっ。
ここでも、大失敗です。
断面がきれいにそろってなかったので、少しでもきれいにしようと手間をかけたのが仇になりました。
一回、ヤスってトコノールで磨いて、もう一度ヤスって成型して染めようと思ったのですが………
トコノールが革の合わせ目に入り込んでしまい、2度目のやすりで取り切れず残ってしまったところに、うまく染料が入りません。
むむむむむ。
これは、もう、強引に染めるしかない!!!
気合で染料を染み込ませます。
各工程で、きめ細かく大失敗を積み重ね………
できました! 表面に革以外の余計なものがなにも出ないロングウォレットです!
裏側も、シンプルそのもの。理想的なデザインです。
コバは………苦闘の跡が………
あっ、だめだよ! そんなところを拡大しちゃあ!
染料がはみ出した跡が、くっきり。
カードポケットが8か所。プラス、見返しにも2か所あります。
実際にカードを入れてみると、ポケットがゆったりサイズなので、一か所に余裕で3枚くらい入ります。
………あっ。だめだよ! 実際に使い始めた写真を使っちゃあ!
このように、カードとレシートを詰め込んでも、ホックはきちんと閉まります。
小銭入れは、中が見やすく取り出しやすいです。
意外にガバっと開きますし、小銭入れ自体にマチがなくても、広いのでたくさん入ります。
手前にも、何かをちょっと入れておけるポケットがあります。
………って、微妙に縫い穴がずれてしまったため、ビシっとつかずに、ぼよぼよに緩んでしまっていますが………
使い始めて、ほぼ十日。
オイルをたっぷり含んだエルバマットは、はやくも艶が出てきました。ほんのちょっとですが。
手にしっとりすいつくような手触りは、さすがエルバマットです。
厚みの割に柔らかい革なのが、このデザインでは吉と出たようで、ホックの開け閉めがとてもしやすいです。
見返しの縫い目が当たる部分は、もうアタリが出てきました。
うれしいなあ。
裏側にも、早くもアタリが……いや、これは、どうみても、単なる傷………
バッグに入れているだけなのに、どうして傷がつくのかなあ。
どうです。初めてのロングウォレットにしては、なかなかの雰囲気ではありませんか!
自画自賛。
………蓋をあけると、大失敗の痕跡が、いたるところにあるけどね………
………この財布、一年もつかなあ?
教訓。ずぼらな仕事は、モノの寿命を縮めるモト。
キレッパジとはいえ、せっかくのエルバマットなのに…………ああ。
ワタクシがいい革を使うのは、革に対する冒涜なのかもしれない。
ううむ。
危機を事前に察知して避けるタイプと、失敗して初めて危機の存在を知るタイプです。
ワタクシは、明らかに、後者のタイプです。
ロングウォレットの製作過程を振り返れば、明々白々ですね。
何事も、やってみて初めて気づく、日本有数のざ・ずぼら~。
ロングウォレット作りの後半戦は、
まず、本体の革を選ぶことから始まります!
………って、アンタ。
ふつう、本体の革というのは、財布を作り始める一番最初に決めるものでしょう。
「この革で財布を作ろう」というところから、スタートするのが普通でしょう。
何も考えずに内装パーツだけ作っちゃって、いったい、どうするつもりなの。
……いえいえ、何も考えていなかったわけではありません。
候補は、ちゃんとありました。
ただ、どれにするかを決めていなかっただけです。
……おんなじだって。
そもそも、内装パーツに使える革が限られていたことが、ことの発端でした。
厚革好きのワタクシは、そこそこの大きさがある厚さ2ミリ前後の革なら、いくつも持っておりました。
……って、作る当てもないのに革だけあるんかい!
ごほん。
ただ、財布全体を厚革で作ってしまうと、とんでもなく分厚い財布ができあがってしまいます。
重量感は半端なく、カードの出し入れも、非常にしづらくなるでしょう。
そこで、カードポケットなど内装には、厚さ1ミリ程度の薄い革を使うのがよさそうでした。
型紙にも、厚さ1ミリと指定があります。
となると、選択肢は、
①ハンズで買ったヌメ革の端っこ(@100円~300円くらい)の寄せ集め……ロングウォレットの内装は、パーツの数が多く、まとまった大きさが必要です。端っこの寄せ集めでは、ちょっと大きさに不安がありました。
②ヤフオクで買った栃木レザーの牛半頭分……うん。やっぱり、これですね。
厚さ1ミリの栃木レザーは、色が赤です。
一方、小銭入れは、型紙には厚さ1.5ミリと指定があります。
実際、触ってみると、厚さ1ミリではぺらぺらして小銭をホールドするには不安です。
厚さ1.5ミリの革ね。ええと、ええと……
在庫を掘り返して発見したのは、チョコ茶のラティーゴでした。
内装パーツは、これで決まっちゃったわけです。赤と、チョコ茶のツートンカラー。
となると、これに合う外装にしなくてはなりません。
候補は3つありました。
まず、赤に合わせて、赤。プエブロではありませんが、表面がちょっと起毛っぽく加工された面白い革です。
なんつったかな。名前は忘れてしまいました。いかんなあ。

ただ、真っ赤な財布は、かわいくて気分が上がりますが、ハイになりすぎて無駄遣いがかさむ恐れがあります。
……あ、個人的な感想です。
次に、グリーン。エルバマットのキレッパジです。

グリーンとチョコと赤。ちょっとクリスマスっぽいけど、かわいいですね。
ただ、エルバマットのグリーンは、革作家さんのブログによれば、使っていくうちに激しく色が変わりターコイズブルーっぽくなっていくとのこと。
となると、チョコと赤との相性が心配です。
最後は、無難に、チョコ茶。これもエルバマットのキレッパジです。
まあ、一番落ち着きますね。

どれにしようか迷いに迷って、まずは内装パーツを作って考えることにしたのでした。
外装に手を付けるのは最後ですからね。十分間に合います。
……結果。
ワタクシは、無難な路線を選択しました。まあ、初めてのロングウォレットですからね。ベーシックに行くことにしました。
大好きなエルバマットの、チョコ茶です!
まずは、ホックを付けましょう。
マニュアルにはバネホックと指定がありましたが、今回はジャンパーホックを使います。
なぜか。
まず、ジャンパーホックのほうが、バネホックよりしっかりしまるので、財布として安心感があります。
次に、形の問題です。
手前のピントがずれている一列がバネホック。奥の列がジャンパーホックです。

ジャンパーホック、左側二つの足が同じであることに、お気づきになりますでしょうか。
つまり、どちらを使っても、ホックとして機能するのです。
バネホックは、足の形状が違うので、こうはいきません。
今回の財布は、ホックが表面に出ないデザイン。ホックの上に革をかぶせます。
ということは、ホックの厚みがないほうが、全体がすっきりしますね。
ホックを受けるほうは、カードも入れられるポケットにするので、内側に足の厚みが出ては困ります。
ジャンパーホックの左から2番目の足を両サイドに使えば、どちらもぺったんこに薄くホックを付けられるというわけです!
さっそく、つけましょう。
…………あっ。
再び、やらかしました。大失敗。
なぜか、革の表側に足を取り付けてしまいました……これでは、表裏が逆ではないか。
泣く泣く、ニッパーで慎重にホックを外します。
エルバマットの余分はありません。革に傷つけないよう、慎重に。
気を取り直して、つけ直しです。今度は正しくつきました。

いよいよ、内装パーツとの合体第一弾です。
前回、うっかり先に穴を開けてしまった側と縫い付けます。

慎重に、ずれないようにエルバマットに穴をあけ、いざ合体!
…………あっ。
またまた、やらかしました。大失敗。
うっかり開けてしまってあった穴が、足りなかった………
革の上端まで開けておくべきものが、カードポケットの部分までで止まっていました。
あと3つ、針穴が足りない。
う~む。めんどうくさい。
縫い線を引き直してから開ければいいものを、ずぼら~は手抜きしました。
3つくらいなら、フリーハンドで行けるだろ~!!!
………行けませんでした………
みごとにゆがんだ縫い穴に、教訓をかみしめます。
手抜き仕事は失敗の元。

さて。問題は、ここからです。
外装の革を折り返して、内装パーツの反対側と接着し、縫い穴を開けます。
縫い目を綺麗にするために、縫い穴は、外装の革の側から開けなくてはなりません。
まずは外装の革にぐるっと菱目打ちで穴を開けたら、
マチとカードポケットの間にコルク板を挟んで、菱錐で、ぷすぷすぷすぷす………と、貫通させていきます。
…………あっ。
やると思った。また大失敗。
垂直に菱錐を打つことができず、内装側の穴が、断面ぎりぎりの際に寄ってしまいました…………
…………これ、ちゃんとカードポケットを固定できるんだろうか…………

革の恐ろしいところは、開けた穴をふさぐことができないという点です。
開けちゃった穴は、もうどうしようもありません。
あ~あ~。
見返しは、普通に接着してから菱目打ちで貫通させればよかったのですが………
…………あっ。
さらに、きめ細かく大失敗。
どうして、まっすぐ菱目打ちを打てないのだろう……(涙)
なんか、よれよれになってしまいました。

ま、気を取り直して、縫いましょう。
めでたく、何とかかんとか、外装と内装がくっつきましたよ!!

あとは、コバをやすりで磨いて、茶色のローバスバチックで染めて、トコノールで磨いて、レザーワックスコートをかければ、できあがりです!

…………あっ。
ここでも、大失敗です。
断面がきれいにそろってなかったので、少しでもきれいにしようと手間をかけたのが仇になりました。
一回、ヤスってトコノールで磨いて、もう一度ヤスって成型して染めようと思ったのですが………
トコノールが革の合わせ目に入り込んでしまい、2度目のやすりで取り切れず残ってしまったところに、うまく染料が入りません。
むむむむむ。
これは、もう、強引に染めるしかない!!!
気合で染料を染み込ませます。
各工程で、きめ細かく大失敗を積み重ね………
できました! 表面に革以外の余計なものがなにも出ないロングウォレットです!

裏側も、シンプルそのもの。理想的なデザインです。

コバは………苦闘の跡が………

あっ、だめだよ! そんなところを拡大しちゃあ!
染料がはみ出した跡が、くっきり。

カードポケットが8か所。プラス、見返しにも2か所あります。
実際にカードを入れてみると、ポケットがゆったりサイズなので、一か所に余裕で3枚くらい入ります。

………あっ。だめだよ! 実際に使い始めた写真を使っちゃあ!
このように、カードとレシートを詰め込んでも、ホックはきちんと閉まります。

小銭入れは、中が見やすく取り出しやすいです。
意外にガバっと開きますし、小銭入れ自体にマチがなくても、広いのでたくさん入ります。

手前にも、何かをちょっと入れておけるポケットがあります。
………って、微妙に縫い穴がずれてしまったため、ビシっとつかずに、ぼよぼよに緩んでしまっていますが………

使い始めて、ほぼ十日。
オイルをたっぷり含んだエルバマットは、はやくも艶が出てきました。ほんのちょっとですが。
手にしっとりすいつくような手触りは、さすがエルバマットです。
厚みの割に柔らかい革なのが、このデザインでは吉と出たようで、ホックの開け閉めがとてもしやすいです。

見返しの縫い目が当たる部分は、もうアタリが出てきました。
うれしいなあ。

裏側にも、早くもアタリが……いや、これは、どうみても、単なる傷………
バッグに入れているだけなのに、どうして傷がつくのかなあ。

どうです。初めてのロングウォレットにしては、なかなかの雰囲気ではありませんか!
自画自賛。

………蓋をあけると、大失敗の痕跡が、いたるところにあるけどね………
………この財布、一年もつかなあ?
教訓。ずぼらな仕事は、モノの寿命を縮めるモト。
キレッパジとはいえ、せっかくのエルバマットなのに…………ああ。
ワタクシがいい革を使うのは、革に対する冒涜なのかもしれない。
ううむ。