3月は、繁忙期です。
決算期だし、人事異動期だし、卒業シーズンだし、引っ越しの数も一年で最も多い時期なのではないでしょうか。
……………いえ、そういうことではありません。
忙しいのです。ワタクシは。
上旬には日本橋の丸善で「世界の万年筆展」があって、
中旬には表参道ヒルズで「エルメスの手しごと展」があって、
おまけに、20日まで、日本橋三越で「世界の万年筆祭」も開催中なのですよ。
もう、毎週、あっちこっちイベントに出かけるのに忙しくて忙しくて。
…………って、アンタね。
丸善の万年筆展で、もうすっかり堪能したのではなかったのでしょうか。
ペンクリニックも受診できて、もういいのではなかったのでしょうか。
いえ、もういいかなと思ったんですけどね。
啓蟄を過ぎて、あったかい日が続いてくると、なんかこう、ソワソワしてね。
気が付いたら、地下鉄日本橋駅を出て、日本橋を渡っていたんですよね。三越方向に。
…………って、アンタね。
三越本館の7階催事場。エレベーターの扉が開くと、目の前が、「世界の万年筆祭」の会場です。
その入り口に、あの有名人がいらっしゃいました。
セーラー万年筆のインクブレンダー、石丸さんです。
万年筆祭のメーンイベントの一つが、インク工房でした。
セーラー万年筆の混ぜられるインクを使って、石丸さんが、オーダーメードで世界に一つだけのインクを作ってくださる企画です。
実は、出遅れました。
ワタクシ、勘違いしていたのです。
予約制であることは把握していたのですが、予約受付は当日だと思いこんでおりました。
ところが、実は、3日前から予約受付が始まっていたのですね……
それを知ったのは、万年筆祭に向かった当日。
当然、もうダメだろうと、あきらめておりました。
ところが!
石丸さんの席の横に「わずかに残席ございます」の張り紙が!!
こ、こ、これはっ!
もう、申し込むしかないではありませんか!!
残り2枠のうち1枠をゲットしました! わーいわーい!!
順番までは、まだ時間がたっぷりあります。
よしよし。ゆっくり回ろうではないか。
まずは、パイロットのペンクリニックへ。
幸い、ほとんど待たずに受診できました。
字も絵も描きやすいので毎日活躍しているナミキファルコンさんが、最近、ちょっと微妙だったのです。
もう何年も、色彩雫の月夜を入れて使っているのですが、なんとなくひっかかるというか、ペン先の感触が微妙というか。
そこで、丸善では日程が合わなかったパイロットのペンクリニックに、かかりたいな~と思っていたところだったのですよ。
ほら。ほらほら。「世界の万年筆祭」に行く用事は、ちゃんとあったわけですよ。
何も、なんとなくふらふらと向かったわけではないのです。ええ。
……いえ、ま、ナミキファルコンは、使いすぎてペン先が汚れている程度かなと思っておりましたが……
…………やはり、そうでした。
ペン先を水と超音波でガッツリ洗浄していただきます。
ついでに、色彩雫の躑躅を入れて、常に一軍入りしているデラックス漆も、みてもらおうっと。
ま、これも、汚れてるだけだと思いますが。
……そうしたら、こちらは、ちょっと問題ありでした。
いつの間にかペン先が詰まって、インクの出が悪くなっていたようなのです。
そんなことって、あるんですねえ。
ドクターは、刃のないカッターナイフのような金具で、ペン先を広げてくださいました。
ペン先を研ぐにはラップフィルムを使います。10000番くらいの細かいペーパーだそうです。
ナミキファルコンとデラックス漆、パイロットの黒金二人組は、無事にピッカピカになりました。
ペンクリニックの隣では、筆圧測定をやっています。
万年筆を書くときの筆圧やペン先の角度を測定していただける企画です。
こちらも、幸い、大して待たずに受けられました。順番が来たら携帯電話に電話をいただける仕組みで、安心して会場をウロウロしていられます。
筆圧は、センサーの上に敷いた紙に文字を書いて測ります。
ほんの数文字、自分の名前を書くだけで、測定できるとのこと。
緊張して、普段より丁寧な筆跡になりましたが………
結果、ワタクシの筆圧は、標準よりもかなり弱いことが判明しました。
筆圧計のグラフに、山がほとんどできないくらいです。
昔、万年筆を使い始める前は、ワタクシは筆圧が人一倍強かったのですよ。
ガリガリと書くもので、書き終えたころには手がしびれてしまうほどでした。
それが、万年筆を使い始めて幾星霜。
インクの滑りと軸の重さだけで、筆圧ゼロで書ける気持ちよさを知ってから、すっかりペンに頼り切って筆圧が弱くなったようです。
人って、変わるものですね。
弱い筆圧、ほとんどペンを傾けずに書く癖は、万年筆向きだと太鼓判を押していただきました。
筆圧測定では、自分の書き方の癖にあったペン先の種類を、チャートで割り出していただけます。
右側の一覧表を見ると、ごく一部のパターン以外はどれも「F」が入っていますね。てことは、迷ったらとりあえずFを買っておけば間違いはないってことですね。
……という、ミもフタもない観察は、さておいて。
筆圧弱めのワタクシは、軟字タイプがあうそうです。
中でも、勧められたのは、フォルカン。特別に柔らかく作られた特殊ペン先です。
試し書きさせていただくと、たしかに、とても気持ちいい。空をふわふわ飛んで遊んでいるかのような書き心地です。
つい、絵も描いてしまいました。
ええと、この感触。どこかで………
………あ! 思い出した!
中学生のころにハマった、つけペンの、Gペンです!
ちょっと力をかけると、すぐペン先がふわりと開いて、太い線を描ける、あのGペンそっくり。
はるかな記憶がよみがえりました。
これでイラストを描かれる方もいらっしゃるとのこと。納得の書き心地です。
チャートで割り出された書き癖のタイプは、性格診断までついていました。
………………………昔、流行った、動物占い的なノリでしょうか???
自分にぴったりのペン先を診断したら、もちろん、そこから「そのペン先が付いている商品はこちらとこちらです」というお話になりますね。
フォルカンが付いている種類は、残念ながら限られているようです。
軸の色の選択肢が、黒とディープレッドしかなくて、つまんな~い。
が、ペンクリニック開催期間中なら、胴軸に直接吸い上げるカスタム823に、フォルカンのペン先をつけていただくことができるそうです。
これだと、茶縞っぽい色があります。
う~ん。わりと好みかも。
落とすのが簡単なワタクシ、はやくも、来年の万年筆祭に向けて、ショッピング計画を立て始めたのでした。
…………って、アンタね。
そうこうしている間に、インク工房の順番が到来です!
わくわく。わくわく。
石丸さんの目の前の椅子に、「よろしくお願いします」と腰を下ろし、
かねがねほしいと思っていたインクの色を伝えます。
「ええと、普段に気兼ねなく使える色で、青と紫の間で、深みがあって、たとえて言うなら日が暮れたエーゲ海みたいな色のインクが欲しいです!」
「………日が暮れた、エーゲ海………う~~~~~~ん」
石丸さん、考え込みました。
ですよね~………
しかし、やはりインクブレンダーは凄腕だった!
「欲しいのは、ベースとしては、青ですね? じゃ、まず、試しに色を作ってみましょう。それをもとに、欲しい色に近づけていきましょう」
と、さっそく、青にピンクを混ぜて試し書きさせてくださいました。
とてもクリアな青紫です。
綺麗なんだけど、でもぉ………
「もう少し、青が強いほうが……」
「ええと、なんというか深みがもう少しあったほうが……」
頭の中の色を言葉で伝えるのは難しいものですね。
インクは、混ぜる色数を増やすほど濁っていくそうです。
ワタクシは、大胆にも「少しだけ、黄色を混ぜていただいていいですか?」と、お願いしました。
青とピンクに黄色を混ぜたら、どうなるか。
もちろん、色は、黒に近づいていきますね。
ええ。ま、一言で言って「ブルーブラック」。
う~ん。ちょっと、しまったかも………
何回も作り直していただき、
ようやく、
求める色が、できました!!
さすが、石丸さん。
名付けて「たそがれの海」。
不思議です。書いた直後はブルーブラックなのに、乾いていくにつれ濁りが消えてゆき、
しばらく時間が経つと、何とも言えない深みのある紫がかった青になるのです。
………って、写真だとよくわかりませんが………
石丸さんが作成したインクは、もう2万本に近づいているそうです。
「1万9000本を超えたことは間違いないので、どこかで『これが2万本目』と決めようと思っているんですよ」とのこと。
「それなら、2万本目は、ぜひ、ご自分のために色を作ってください。その色、見たいです!」と言うと、
「そうか。2万本記念のインクを企画するってのも、いいかもしれないね」と、笑顔になってくださいました。
もちろん雑談レベルのお話ですが、
もし万一、石丸さんのインク工房2万本記念! なんていうインクができた暁には、
どんな色か、ぜひ見てみたいと思います。
作業をしながら、インクの保管のコツなども教えていただきました。
インクは、直射日光が当たらず、あまり暑くならない風通しの良い場所で保管するといいそうです。
保管の大敵は、カビ。
万年筆のカビは、液体をドロッとさせる性質で、これができてしまったら、そのインクは捨てるしかないそうです。
カビが生えたインクを吸った万年筆をほかのインク瓶に浸すことで、カビが第二のインク瓶に移り、そのインク瓶に別の万年筆を浸けると、万年筆にもカビが移ってしまうとのこと。
ビンテージの万年筆を使い始めるときは、もしかしてカビがついていないとも限らないので、万一の予防のため、できればまずペンクリニックなどで洗浄してもらうと安心だそうです。
ワタクシは、まだ「インク沼にはまった」と言えるほどにはインクを集めておりません。
どうしても、普段使いしやすい青系を中心に、決まった色を買ってしまいます。
が。
エーデルシュタインのジェード、いいよなあ………
とか、
神戸インク物語が、銀座伊東屋でも買えるようになったんだ………
とか、
危険な気配は、忍び寄っております。
さらに、もともと、廃盤品ゲッターの中古品ユーザーでもあります。
大切な万年筆たちに快適な日々を過ごしてもらうためにも、インクの管理には気を付けなければ……
改めて、気を引き締めて、インクを買い集めることにいたしましょう。
…………って、アンタね。
ペンクリニックに筆圧測定にインク工房。
フルコースを堪能し、
今度こそ、心の底から満足しました!
やっぱり、「世界の万年筆祭」、行ってよかったわけですね。うむ。
まあ、そういうことに、しておきましょう。
「たそがれの海」、メーカー推奨の保管期限2年以内に、使いきりますよ!
頑張ろー!!
決算期だし、人事異動期だし、卒業シーズンだし、引っ越しの数も一年で最も多い時期なのではないでしょうか。
……………いえ、そういうことではありません。
忙しいのです。ワタクシは。
上旬には日本橋の丸善で「世界の万年筆展」があって、
中旬には表参道ヒルズで「エルメスの手しごと展」があって、
おまけに、20日まで、日本橋三越で「世界の万年筆祭」も開催中なのですよ。
もう、毎週、あっちこっちイベントに出かけるのに忙しくて忙しくて。
…………って、アンタね。
丸善の万年筆展で、もうすっかり堪能したのではなかったのでしょうか。
ペンクリニックも受診できて、もういいのではなかったのでしょうか。
いえ、もういいかなと思ったんですけどね。
啓蟄を過ぎて、あったかい日が続いてくると、なんかこう、ソワソワしてね。
気が付いたら、地下鉄日本橋駅を出て、日本橋を渡っていたんですよね。三越方向に。
…………って、アンタね。

三越本館の7階催事場。エレベーターの扉が開くと、目の前が、「世界の万年筆祭」の会場です。
その入り口に、あの有名人がいらっしゃいました。
セーラー万年筆のインクブレンダー、石丸さんです。
万年筆祭のメーンイベントの一つが、インク工房でした。
セーラー万年筆の混ぜられるインクを使って、石丸さんが、オーダーメードで世界に一つだけのインクを作ってくださる企画です。
実は、出遅れました。
ワタクシ、勘違いしていたのです。
予約制であることは把握していたのですが、予約受付は当日だと思いこんでおりました。
ところが、実は、3日前から予約受付が始まっていたのですね……
それを知ったのは、万年筆祭に向かった当日。
当然、もうダメだろうと、あきらめておりました。
ところが!
石丸さんの席の横に「わずかに残席ございます」の張り紙が!!
こ、こ、これはっ!
もう、申し込むしかないではありませんか!!
残り2枠のうち1枠をゲットしました! わーいわーい!!
順番までは、まだ時間がたっぷりあります。
よしよし。ゆっくり回ろうではないか。
まずは、パイロットのペンクリニックへ。
幸い、ほとんど待たずに受診できました。
字も絵も描きやすいので毎日活躍しているナミキファルコンさんが、最近、ちょっと微妙だったのです。
もう何年も、色彩雫の月夜を入れて使っているのですが、なんとなくひっかかるというか、ペン先の感触が微妙というか。
そこで、丸善では日程が合わなかったパイロットのペンクリニックに、かかりたいな~と思っていたところだったのですよ。

ほら。ほらほら。「世界の万年筆祭」に行く用事は、ちゃんとあったわけですよ。
何も、なんとなくふらふらと向かったわけではないのです。ええ。
……いえ、ま、ナミキファルコンは、使いすぎてペン先が汚れている程度かなと思っておりましたが……
…………やはり、そうでした。
ペン先を水と超音波でガッツリ洗浄していただきます。
ついでに、色彩雫の躑躅を入れて、常に一軍入りしているデラックス漆も、みてもらおうっと。
ま、これも、汚れてるだけだと思いますが。
……そうしたら、こちらは、ちょっと問題ありでした。
いつの間にかペン先が詰まって、インクの出が悪くなっていたようなのです。
そんなことって、あるんですねえ。
ドクターは、刃のないカッターナイフのような金具で、ペン先を広げてくださいました。
ペン先を研ぐにはラップフィルムを使います。10000番くらいの細かいペーパーだそうです。

ナミキファルコンとデラックス漆、パイロットの黒金二人組は、無事にピッカピカになりました。

ペンクリニックの隣では、筆圧測定をやっています。
万年筆を書くときの筆圧やペン先の角度を測定していただける企画です。
こちらも、幸い、大して待たずに受けられました。順番が来たら携帯電話に電話をいただける仕組みで、安心して会場をウロウロしていられます。
筆圧は、センサーの上に敷いた紙に文字を書いて測ります。
ほんの数文字、自分の名前を書くだけで、測定できるとのこと。
緊張して、普段より丁寧な筆跡になりましたが………
結果、ワタクシの筆圧は、標準よりもかなり弱いことが判明しました。
筆圧計のグラフに、山がほとんどできないくらいです。

昔、万年筆を使い始める前は、ワタクシは筆圧が人一倍強かったのですよ。
ガリガリと書くもので、書き終えたころには手がしびれてしまうほどでした。
それが、万年筆を使い始めて幾星霜。
インクの滑りと軸の重さだけで、筆圧ゼロで書ける気持ちよさを知ってから、すっかりペンに頼り切って筆圧が弱くなったようです。
人って、変わるものですね。
弱い筆圧、ほとんどペンを傾けずに書く癖は、万年筆向きだと太鼓判を押していただきました。
筆圧測定では、自分の書き方の癖にあったペン先の種類を、チャートで割り出していただけます。

右側の一覧表を見ると、ごく一部のパターン以外はどれも「F」が入っていますね。てことは、迷ったらとりあえずFを買っておけば間違いはないってことですね。
……という、ミもフタもない観察は、さておいて。
筆圧弱めのワタクシは、軟字タイプがあうそうです。
中でも、勧められたのは、フォルカン。特別に柔らかく作られた特殊ペン先です。
試し書きさせていただくと、たしかに、とても気持ちいい。空をふわふわ飛んで遊んでいるかのような書き心地です。
つい、絵も描いてしまいました。
ええと、この感触。どこかで………
………あ! 思い出した!
中学生のころにハマった、つけペンの、Gペンです!
ちょっと力をかけると、すぐペン先がふわりと開いて、太い線を描ける、あのGペンそっくり。
はるかな記憶がよみがえりました。
これでイラストを描かれる方もいらっしゃるとのこと。納得の書き心地です。
チャートで割り出された書き癖のタイプは、性格診断までついていました。

………………………昔、流行った、動物占い的なノリでしょうか???
自分にぴったりのペン先を診断したら、もちろん、そこから「そのペン先が付いている商品はこちらとこちらです」というお話になりますね。
フォルカンが付いている種類は、残念ながら限られているようです。
軸の色の選択肢が、黒とディープレッドしかなくて、つまんな~い。

が、ペンクリニック開催期間中なら、胴軸に直接吸い上げるカスタム823に、フォルカンのペン先をつけていただくことができるそうです。
これだと、茶縞っぽい色があります。
う~ん。わりと好みかも。
落とすのが簡単なワタクシ、はやくも、来年の万年筆祭に向けて、ショッピング計画を立て始めたのでした。
…………って、アンタね。
そうこうしている間に、インク工房の順番が到来です!
わくわく。わくわく。
石丸さんの目の前の椅子に、「よろしくお願いします」と腰を下ろし、
かねがねほしいと思っていたインクの色を伝えます。
「ええと、普段に気兼ねなく使える色で、青と紫の間で、深みがあって、たとえて言うなら日が暮れたエーゲ海みたいな色のインクが欲しいです!」
「………日が暮れた、エーゲ海………う~~~~~~ん」
石丸さん、考え込みました。
ですよね~………
しかし、やはりインクブレンダーは凄腕だった!
「欲しいのは、ベースとしては、青ですね? じゃ、まず、試しに色を作ってみましょう。それをもとに、欲しい色に近づけていきましょう」
と、さっそく、青にピンクを混ぜて試し書きさせてくださいました。

とてもクリアな青紫です。
綺麗なんだけど、でもぉ………
「もう少し、青が強いほうが……」
「ええと、なんというか深みがもう少しあったほうが……」
頭の中の色を言葉で伝えるのは難しいものですね。
インクは、混ぜる色数を増やすほど濁っていくそうです。
ワタクシは、大胆にも「少しだけ、黄色を混ぜていただいていいですか?」と、お願いしました。
青とピンクに黄色を混ぜたら、どうなるか。
もちろん、色は、黒に近づいていきますね。
ええ。ま、一言で言って「ブルーブラック」。
う~ん。ちょっと、しまったかも………

何回も作り直していただき、
ようやく、
求める色が、できました!!

さすが、石丸さん。
名付けて「たそがれの海」。
不思議です。書いた直後はブルーブラックなのに、乾いていくにつれ濁りが消えてゆき、
しばらく時間が経つと、何とも言えない深みのある紫がかった青になるのです。


………って、写真だとよくわかりませんが………
石丸さんが作成したインクは、もう2万本に近づいているそうです。
「1万9000本を超えたことは間違いないので、どこかで『これが2万本目』と決めようと思っているんですよ」とのこと。
「それなら、2万本目は、ぜひ、ご自分のために色を作ってください。その色、見たいです!」と言うと、
「そうか。2万本記念のインクを企画するってのも、いいかもしれないね」と、笑顔になってくださいました。
もちろん雑談レベルのお話ですが、
もし万一、石丸さんのインク工房2万本記念! なんていうインクができた暁には、
どんな色か、ぜひ見てみたいと思います。
作業をしながら、インクの保管のコツなども教えていただきました。
インクは、直射日光が当たらず、あまり暑くならない風通しの良い場所で保管するといいそうです。
保管の大敵は、カビ。
万年筆のカビは、液体をドロッとさせる性質で、これができてしまったら、そのインクは捨てるしかないそうです。
カビが生えたインクを吸った万年筆をほかのインク瓶に浸すことで、カビが第二のインク瓶に移り、そのインク瓶に別の万年筆を浸けると、万年筆にもカビが移ってしまうとのこと。
ビンテージの万年筆を使い始めるときは、もしかしてカビがついていないとも限らないので、万一の予防のため、できればまずペンクリニックなどで洗浄してもらうと安心だそうです。
ワタクシは、まだ「インク沼にはまった」と言えるほどにはインクを集めておりません。
どうしても、普段使いしやすい青系を中心に、決まった色を買ってしまいます。
が。
エーデルシュタインのジェード、いいよなあ………
とか、
神戸インク物語が、銀座伊東屋でも買えるようになったんだ………
とか、
危険な気配は、忍び寄っております。
さらに、もともと、廃盤品ゲッターの中古品ユーザーでもあります。
大切な万年筆たちに快適な日々を過ごしてもらうためにも、インクの管理には気を付けなければ……
改めて、気を引き締めて、インクを買い集めることにいたしましょう。
…………って、アンタね。
ペンクリニックに筆圧測定にインク工房。
フルコースを堪能し、
今度こそ、心の底から満足しました!
やっぱり、「世界の万年筆祭」、行ってよかったわけですね。うむ。
まあ、そういうことに、しておきましょう。
「たそがれの海」、メーカー推奨の保管期限2年以内に、使いきりますよ!
頑張ろー!!