ヤバいのは、万年筆だけではなかった……
日本橋で3月、怒涛の如く開催された「世界の万年筆展」と「世界の万年筆祭」。
そこでワタクシを待ち受けていたものは、
夢のように美しい、
猫のペンでした。
え? これの、一体どこが「猫」なんだって?
ふっふっふ。それは、後ほど明らかになることでしょう。
丸善日本橋店の「世界の万年筆展」には、今年も、ヤバすぎるコーナーが口を開けていました。
高級文具の廃盤品のアウトレットセールです。
エスカレーターを降りてすぐのところにしつらえられたガラスのショーケース。
その中には、国内外の万年筆やボールペンが「30%オフ」「40%オフ」の赤字に彩られて、燦然と輝いています。
廃盤品ゲッターのワタクシが、素通りできるわけがありません。
今年、ケースの中から激しくワタクシを呼び止めたのは、青く輝くアウロラの小さなペンでした。
ショーケースを一目見るなり、もう、釘付け。
カバンサイトか雲母か大理石か。様々な深みにゆらめく青い結晶が、軸を彩っています。
ブルー・マーブル・レジンの輝きです。
上下を引き締める黒。輝きに彩を添える銀の金具。
それは、ペンと言うより、宝石のように見えました。
自然界の要素をテーマにしたシリーズの限定品「アクア」の、ローラーボールでした。
万年筆、ローラーボール、ボールペン、スケッチペンの4種類の筆記具が作られ、4つセットで25万円(!)の「スペシャルカルテット」はまだ残っているそうですが、単品はほぼ完売したそうです。
そのうちのローラーボールが、奇跡的に、ここに出ているというわけでした。
奇跡的な出会い。
逆らえるわけがないワードです。
出会ったものは仕方がない。これも、運命なのだよ。うむ。
ワタクシは、アウロラのアクア様を、お連れ申し上げることにいたしました。
海外ではメジャーだそうですが、日本では、ローラーボールはそんなに普及していません。
だから残っていたのでしょう。
限定品ですが、リフィルは生産を続けているとのことで、安心です。
黒しかないのが残念ですが。
ローラーボール。
実は、買うのは初めてでした。
万年筆と同じインクを使ったボールペン……ということは、要するに、水性ボールペンですね。
さらに、アウロラというブランドを購入するのも、初めてです。
夢のように美しいペンたちを、いつも丸善で眺めていたものの、実際に買うということは考え付きませんでした。
「わ~綺麗~いいもん見たわ~」
……って、まあ、美術館の展示品のようなものですよ。
今回のアウトレットバーゲンのローラーボールが、初めて、ワタクシにとって購入を現実的に考えられるお値段のアウロラだったわけですね。
やはり、運命なのだよ。うむ。
それでは、いよいよ、アクア様を御輿からお出し申し上げましょう。
アクア様の御輿は、12.5センチ×12.5センチ×8センチの、黒い紙箱に包まれておりました。
ずっしりとした手ごたえです。
総重量は467グラム。500ミリリットルのペットボトルといい勝負です。
紙箱の蓋をあけると、御輿が現れます。
合皮が貼られた、10.3×10.3×7センチの小箱です。
重々しい蓋を開けると、
ようやく、アクア様のお姿を拝見することができました。
白い合皮が貼られた御褥の下には、万年筆やスケッチペンも含むブランド共通の取扱説明書兼保証書が。
新品ならではですね。
アウロラのブランドマークの刻印が、マスコットとして取り付けられています。
改めて向き合ってみると、
………やはり、美しいです。
吸い込まれるような、深く澄んだ青。
内側からキャップを覗くと、光を透すレジンは、ガレのガラス作品のよう。
手の中で軸を転がすと、複雑な光を放ちます。
キャップには、アクア(水)を示すしずくがデザインされています。
芯は、おしりの部分から交換します。
中身は、見た目、ボールペンと同じです。ま、水性ボールペンですからね。
巨大な御褥に包まれていた本体は、長さ11.5センチの小柄な体でした。
この小ささが、人気だったそうです。たしかに、手帳やポケットに挿しても全く邪魔にならなさそう。
キャップを後ろに挿すと、13.7センチ。ワタクシの手なら、書くのに不自由はない大きさです。
体重は、29.5グラム。身長の割には重めですね。
高級感を感じる重さです。
……って、巨大な御褥、つまり箱の重さは、差し引き437.5グラムもあったわけですよ。
本体の、約15倍です。
ううむ。
それでは、いよいよ書いてみましょう。
店頭でもちろん試し書きはしましたが、落ち着いて書くのは初めての体験です。ローラーボール。
わくわく。わくわく。
…………………
ま、水性ボールペンですからね。
100円の水性ボールペンに比べると、かなり滑らかに感じます。
ペン先のボールが滑らかに回転し、インクが間をおかずに紙をとらえていく感触です。
……100円のペンと比べてはいけません。
ペンを後ろに挿すと、ちょうど手にかかる部分に重心が来て、ワタクシの手にぴったりサイズです。
黒の色合いも、赤みが強すぎず、目に心地よいです。
これで、色のバリエーションがあったら、かなり楽しいだろうなあ……
とはいえ、やはり、ボールペンはボールペン……
無抵抗にペン先が紙の上を滑って、思考の流れにインクの色がついてくる快感は、万年筆にはかないません。
線の強弱や、インクの濃淡も、やはり万年筆のほうが思い通りになります。
絵は、あまり描きやすくありません。
そう思うのは、黒インクだからかもしれませんが……
ただ、万年筆と違って、膝の上など手の角度が安定しない場所でも書きやすいのは、ボールペンならではの長所です。
細目の線を安定して引くことができます。
万年筆ほど集めたくなる筆記感ではありませんが、ローラーボール、書き味も満足です。
うむ。よい買い物をした。
ワタクシのペンケースの中で、最も美しい一本であることは間違いありません。
しかも、なんたって、
猫のペンです。
え? だから、どうして猫なんだって?
ふっふっふ。それは、ですねぇ………
アクアのローラーボールは、世界で550本だけ生産された限定品。
そのすべてに、シリアルナンバーが入っているのです。
もちろん、我が家のアクア様にも、ほらね。ほらほら。
その番号は、
222。
2月22日といえば、何の日ですか?
猫の日です!
ほら! 猫のペンですよ!!
発売から何年もたち、
ようやくワタクシが買えるお値段に下がったアウトレットセールで、
この上なく美しいペンが、
シリアルナンバーはゾロ目、しかも、猫番(ニャンニャンニャン)。
これを、奇跡の出会いと呼ばずして、何と呼ぶ?
これはもう、連れて帰るしかないではありませんか!
衝動買いではありません。不可抗力です!!
開き直り。
日本橋で3月、怒涛の如く開催された「世界の万年筆展」と「世界の万年筆祭」。
そこでワタクシを待ち受けていたものは、
夢のように美しい、
猫のペンでした。

え? これの、一体どこが「猫」なんだって?
ふっふっふ。それは、後ほど明らかになることでしょう。
丸善日本橋店の「世界の万年筆展」には、今年も、ヤバすぎるコーナーが口を開けていました。
高級文具の廃盤品のアウトレットセールです。
エスカレーターを降りてすぐのところにしつらえられたガラスのショーケース。
その中には、国内外の万年筆やボールペンが「30%オフ」「40%オフ」の赤字に彩られて、燦然と輝いています。
廃盤品ゲッターのワタクシが、素通りできるわけがありません。
今年、ケースの中から激しくワタクシを呼び止めたのは、青く輝くアウロラの小さなペンでした。

ショーケースを一目見るなり、もう、釘付け。
カバンサイトか雲母か大理石か。様々な深みにゆらめく青い結晶が、軸を彩っています。
ブルー・マーブル・レジンの輝きです。
上下を引き締める黒。輝きに彩を添える銀の金具。
それは、ペンと言うより、宝石のように見えました。
自然界の要素をテーマにしたシリーズの限定品「アクア」の、ローラーボールでした。
万年筆、ローラーボール、ボールペン、スケッチペンの4種類の筆記具が作られ、4つセットで25万円(!)の「スペシャルカルテット」はまだ残っているそうですが、単品はほぼ完売したそうです。
そのうちのローラーボールが、奇跡的に、ここに出ているというわけでした。
奇跡的な出会い。
逆らえるわけがないワードです。
出会ったものは仕方がない。これも、運命なのだよ。うむ。
ワタクシは、アウロラのアクア様を、お連れ申し上げることにいたしました。
海外ではメジャーだそうですが、日本では、ローラーボールはそんなに普及していません。
だから残っていたのでしょう。
限定品ですが、リフィルは生産を続けているとのことで、安心です。
黒しかないのが残念ですが。
ローラーボール。
実は、買うのは初めてでした。
万年筆と同じインクを使ったボールペン……ということは、要するに、水性ボールペンですね。
さらに、アウロラというブランドを購入するのも、初めてです。
夢のように美しいペンたちを、いつも丸善で眺めていたものの、実際に買うということは考え付きませんでした。
「わ~綺麗~いいもん見たわ~」
……って、まあ、美術館の展示品のようなものですよ。
今回のアウトレットバーゲンのローラーボールが、初めて、ワタクシにとって購入を現実的に考えられるお値段のアウロラだったわけですね。
やはり、運命なのだよ。うむ。
それでは、いよいよ、アクア様を御輿からお出し申し上げましょう。
アクア様の御輿は、12.5センチ×12.5センチ×8センチの、黒い紙箱に包まれておりました。
ずっしりとした手ごたえです。
総重量は467グラム。500ミリリットルのペットボトルといい勝負です。

紙箱の蓋をあけると、御輿が現れます。
合皮が貼られた、10.3×10.3×7センチの小箱です。

重々しい蓋を開けると、
ようやく、アクア様のお姿を拝見することができました。

白い合皮が貼られた御褥の下には、万年筆やスケッチペンも含むブランド共通の取扱説明書兼保証書が。
新品ならではですね。

アウロラのブランドマークの刻印が、マスコットとして取り付けられています。

改めて向き合ってみると、
………やはり、美しいです。

吸い込まれるような、深く澄んだ青。
内側からキャップを覗くと、光を透すレジンは、ガレのガラス作品のよう。

手の中で軸を転がすと、複雑な光を放ちます。
キャップには、アクア(水)を示すしずくがデザインされています。

芯は、おしりの部分から交換します。
中身は、見た目、ボールペンと同じです。ま、水性ボールペンですからね。

巨大な御褥に包まれていた本体は、長さ11.5センチの小柄な体でした。
この小ささが、人気だったそうです。たしかに、手帳やポケットに挿しても全く邪魔にならなさそう。

キャップを後ろに挿すと、13.7センチ。ワタクシの手なら、書くのに不自由はない大きさです。

体重は、29.5グラム。身長の割には重めですね。
高級感を感じる重さです。
……って、巨大な御褥、つまり箱の重さは、差し引き437.5グラムもあったわけですよ。
本体の、約15倍です。
ううむ。
それでは、いよいよ書いてみましょう。
店頭でもちろん試し書きはしましたが、落ち着いて書くのは初めての体験です。ローラーボール。
わくわく。わくわく。
…………………
ま、水性ボールペンですからね。
100円の水性ボールペンに比べると、かなり滑らかに感じます。
ペン先のボールが滑らかに回転し、インクが間をおかずに紙をとらえていく感触です。
……100円のペンと比べてはいけません。
ペンを後ろに挿すと、ちょうど手にかかる部分に重心が来て、ワタクシの手にぴったりサイズです。
黒の色合いも、赤みが強すぎず、目に心地よいです。
これで、色のバリエーションがあったら、かなり楽しいだろうなあ……

とはいえ、やはり、ボールペンはボールペン……
無抵抗にペン先が紙の上を滑って、思考の流れにインクの色がついてくる快感は、万年筆にはかないません。
線の強弱や、インクの濃淡も、やはり万年筆のほうが思い通りになります。
絵は、あまり描きやすくありません。
そう思うのは、黒インクだからかもしれませんが……
ただ、万年筆と違って、膝の上など手の角度が安定しない場所でも書きやすいのは、ボールペンならではの長所です。
細目の線を安定して引くことができます。
万年筆ほど集めたくなる筆記感ではありませんが、ローラーボール、書き味も満足です。
うむ。よい買い物をした。
ワタクシのペンケースの中で、最も美しい一本であることは間違いありません。
しかも、なんたって、
猫のペンです。
え? だから、どうして猫なんだって?
ふっふっふ。それは、ですねぇ………
アクアのローラーボールは、世界で550本だけ生産された限定品。
そのすべてに、シリアルナンバーが入っているのです。
もちろん、我が家のアクア様にも、ほらね。ほらほら。

その番号は、
222。
2月22日といえば、何の日ですか?
猫の日です!
ほら! 猫のペンですよ!!
発売から何年もたち、
ようやくワタクシが買えるお値段に下がったアウトレットセールで、
この上なく美しいペンが、
シリアルナンバーはゾロ目、しかも、猫番(ニャンニャンニャン)。
これを、奇跡の出会いと呼ばずして、何と呼ぶ?
これはもう、連れて帰るしかないではありませんか!
衝動買いではありません。不可抗力です!!
開き直り。