世の中には、二種類のものがあります。
「必要なもの」と、「欲しいもの」。
この二つは、まったく違うものなのです。
少なくとも、ワタクシにとっては。
レザークラフトで使う道具の一つに「ウッドスリッカー」というのがあります。
革の断面をピカピカに磨くための道具です。
東急ハンズなんかで市販されている一般的なウッドスリッカーは、パイン材か何かと思われる白木にラッカーを塗って仕上げたと思われるものです。
それでも、ぜんぜん用は足りるのですが……
コバを磨くには、硬くて緻密で滑らかなものがよいらしい。
ネットでそう学んだワタクシは、カリマンタン黒檀とかシャム柿とか鉄刀木とか、とにかく硬い木を小刀で削って、ウッドスリッカーを自作してまいりました。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/33946218.html
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34004731.html
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34082771.html
たしかに、こうした水に沈むほど硬くて緻密で滑らかな木で作ったウッドスリッカーは、市販のものに比べると格段にコバをピカピカにしやすいです。
市販のもので一生懸命一生懸命一生懸命磨いたのと同じくらいの輝きが、ほんのちょっと磨いただけで、手に入ります。
使いやすくて木目が美しく、手の中にあると気分が上がる銘木のウッドスリッカー。
もう十分に、数は足りています。
必要か必要でないかといったら、新しいものは全く必要ありません。
でもね。
カリマンタン黒檀とシャム柿と鉄刀木が、こんなに使いやすいのだから、
ほかの木で作ったら、もっと使いやすいのではないでしょうか???
なにより、
カリマンタン黒檀もシャム柿も鉄刀木も、基本的に黒っぽいんですよね。
もうちょっと雰囲気が違う木があっても、いいんじゃないかと思うんですよね。
………やれやれ。始まったよ。
ワタクシのバイブル、「木材加工面がわかる樹種事典」。
寝る前にパラパラめくるにはちょうどいい一冊です。
ここで、ひときわ目に留まったのが、
キングウッド。
王の木という、ありがたそうな名前の木です。
別名ヴァイオレット・ウッド。
赤みがかった紫の地に、黒い縞模様が並ぶ様子は、とても華やかで綺麗です。
バイブルによりますと「肌目は緻密で、非常に滑らか」。ふむふむ。なるほど。
これは、よさそうではありませんか!
コバをピカピカに仕上げるウッドスリッカーに!!
新木場の木材ショップ「もくもく」に、ちょうど手の中にすっぽり収まるサイズのキングウッドの端切れがありました。
さっそく、削っていきましょう。
……………
硬い……………
小刀の刃が入らないことはないのですが、
この、削りかすの小ささ。
一時間削って、やっとここまでです。
木目が入り組んでいるシャム柿や鉄刀木と違って、素直にまっすぐ削ることができ、逆目はあまり感じません。
でも、とにかく硬いのなんの。
ただ、削って楽しいこともありました。
まず、香りがとてもよいのです。
新しい木肌が現れるたび、甘い花のような香りが鼻をくすぐります。
そして、削った断面の、このツヤ。
仕上げを何もしていないのに、艶々と光を反射して輝きます。
綺麗ですね。
でも、とにかく、とにかく、硬いです。
ある程度、全体の形ができたところで、コバを磨くための溝を彫刻刀で彫っていきます。
幅5ミリ、3ミリ、2ミリを目指しました。
……目指しただけです。実際の仕上がりは、よくわかりません。
彫刻刀で削るのは、なかなか大変です。
木目がまっすぐに通っているだけに、それを貫いて横に削るのが至難の業。
端っこが縦に裂けやすいといいますか……木目が彫刻刀に逆らうような気がします。
う~む。これでは、端っこのへげへげが革に引っかかって、コバを磨くどころか傷つけてしまいそうです。
ちょっとでも丸めるために、面取りをすることにしました。
下のほうは、革の裏側の床を磨くことを意識して、平らな面を作ります。
削っただけで、つやっつや。気持ちいいですね。
形は、こんなところでいいかな???
ここまでたどり着くのに、4時間くらいかかりました。
削る時間は一日1時間と決めているので、四日かかったわけですね。
長い道のりじゃのう……
だいたいの形ができたら、紙やすりをかけます。
磨いたら、へげへげも消えるかな?
………しかし、硬いです。
120番→240番→400番→800番→1000番と、順番に紙やすりを当てましたが……
ふつう、240番までは、磨くと形が変わるくらい木を削ることができますよね。
だいたい小刀で削って作った形を、紙やすりで微調整して仕上げたりしますよね。
ところが、このキングウッドときたら………
こまか~~~い粉が削り出されるだけで、木自体の形はほとんど変わりません。
相変わらず、角がピンと立っています。
カリマンタン黒檀やシャム柿や鉄刀木は、紙やすりをかけたら、もっと柔らかいラインになったんだけどな~。
小刀で削るときの硬さはシャム柿や鉄刀木と同じくらいだと感じましたが、ペーパーでの削りにくさは、キングウッドが一番だと思います。
まあ、ともかく、滑らかに、なったぞ………???
へげへげの跡が完全には消えませんでしたが、ま、これだけ削れば、革を傷つけることはないでしょう。
最後は、オイルをかけて仕上げです。
今回も、米から作られたキヌカを使いました。
オイルをかけると、木の表情が、がらっと変わりますね。
白っぽい印象だった色合いが、ぐっと赤みを帯びて深くなり、黒い縞模様が引き立ちます。
ふっふっふ。
思った通り。
なんと派手で美しい木目のウッドスリッカーなのでしょう!!
市販のものよりかなり短めで、手の中にすっぽり収まるサイズ感。
ワタクシにとっては、これくらいが使いやすいようです。
では、さっそく、コバを磨いてみましょう。
…………………
…………………
…………………
ええと、なんていうか……
コバを磨くためのウッドスリッカーって、
ここまで硬い木じゃなくても、いいみたい。
角がぴんと立った形のせいもあるのでしょうか。
革へのアタリが、若干、きついようで……
磨き心地といたしましては、
一番最初に作ったカリマンタン黒檀が、今のところ一番いいようです。
うむ。
必要か必要でないかといったら、まったく必要ではないキングウッドのウッドスリッカー。
でも、いいの。
だって、赤くて派手なやつが、欲しかったんだもん。
「必要なもの」と「欲しいもの」は、ことほど左様に、まったく別のものなのです。
「必要なもの」と、「欲しいもの」。
この二つは、まったく違うものなのです。
少なくとも、ワタクシにとっては。
レザークラフトで使う道具の一つに「ウッドスリッカー」というのがあります。
革の断面をピカピカに磨くための道具です。
東急ハンズなんかで市販されている一般的なウッドスリッカーは、パイン材か何かと思われる白木にラッカーを塗って仕上げたと思われるものです。
それでも、ぜんぜん用は足りるのですが……

コバを磨くには、硬くて緻密で滑らかなものがよいらしい。
ネットでそう学んだワタクシは、カリマンタン黒檀とかシャム柿とか鉄刀木とか、とにかく硬い木を小刀で削って、ウッドスリッカーを自作してまいりました。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/33946218.html
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34004731.html
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34082771.html
たしかに、こうした水に沈むほど硬くて緻密で滑らかな木で作ったウッドスリッカーは、市販のものに比べると格段にコバをピカピカにしやすいです。
市販のもので一生懸命一生懸命一生懸命磨いたのと同じくらいの輝きが、ほんのちょっと磨いただけで、手に入ります。
使いやすくて木目が美しく、手の中にあると気分が上がる銘木のウッドスリッカー。
もう十分に、数は足りています。
必要か必要でないかといったら、新しいものは全く必要ありません。
でもね。
カリマンタン黒檀とシャム柿と鉄刀木が、こんなに使いやすいのだから、
ほかの木で作ったら、もっと使いやすいのではないでしょうか???
なにより、
カリマンタン黒檀もシャム柿も鉄刀木も、基本的に黒っぽいんですよね。
もうちょっと雰囲気が違う木があっても、いいんじゃないかと思うんですよね。
………やれやれ。始まったよ。
ワタクシのバイブル、「木材加工面がわかる樹種事典」。
寝る前にパラパラめくるにはちょうどいい一冊です。
ここで、ひときわ目に留まったのが、
キングウッド。
王の木という、ありがたそうな名前の木です。
別名ヴァイオレット・ウッド。
赤みがかった紫の地に、黒い縞模様が並ぶ様子は、とても華やかで綺麗です。
バイブルによりますと「肌目は緻密で、非常に滑らか」。ふむふむ。なるほど。
これは、よさそうではありませんか!
コバをピカピカに仕上げるウッドスリッカーに!!
新木場の木材ショップ「もくもく」に、ちょうど手の中にすっぽり収まるサイズのキングウッドの端切れがありました。
さっそく、削っていきましょう。
……………
硬い……………
小刀の刃が入らないことはないのですが、
この、削りかすの小ささ。

一時間削って、やっとここまでです。

木目が入り組んでいるシャム柿や鉄刀木と違って、素直にまっすぐ削ることができ、逆目はあまり感じません。
でも、とにかく硬いのなんの。
ただ、削って楽しいこともありました。
まず、香りがとてもよいのです。
新しい木肌が現れるたび、甘い花のような香りが鼻をくすぐります。
そして、削った断面の、このツヤ。
仕上げを何もしていないのに、艶々と光を反射して輝きます。
綺麗ですね。

でも、とにかく、とにかく、硬いです。
ある程度、全体の形ができたところで、コバを磨くための溝を彫刻刀で彫っていきます。
幅5ミリ、3ミリ、2ミリを目指しました。

……目指しただけです。実際の仕上がりは、よくわかりません。
彫刻刀で削るのは、なかなか大変です。
木目がまっすぐに通っているだけに、それを貫いて横に削るのが至難の業。
端っこが縦に裂けやすいといいますか……木目が彫刻刀に逆らうような気がします。
う~む。これでは、端っこのへげへげが革に引っかかって、コバを磨くどころか傷つけてしまいそうです。

ちょっとでも丸めるために、面取りをすることにしました。

下のほうは、革の裏側の床を磨くことを意識して、平らな面を作ります。

削っただけで、つやっつや。気持ちいいですね。

形は、こんなところでいいかな???
ここまでたどり着くのに、4時間くらいかかりました。
削る時間は一日1時間と決めているので、四日かかったわけですね。
長い道のりじゃのう……
だいたいの形ができたら、紙やすりをかけます。
磨いたら、へげへげも消えるかな?
………しかし、硬いです。
120番→240番→400番→800番→1000番と、順番に紙やすりを当てましたが……
ふつう、240番までは、磨くと形が変わるくらい木を削ることができますよね。
だいたい小刀で削って作った形を、紙やすりで微調整して仕上げたりしますよね。
ところが、このキングウッドときたら………
こまか~~~い粉が削り出されるだけで、木自体の形はほとんど変わりません。
相変わらず、角がピンと立っています。
カリマンタン黒檀やシャム柿や鉄刀木は、紙やすりをかけたら、もっと柔らかいラインになったんだけどな~。
小刀で削るときの硬さはシャム柿や鉄刀木と同じくらいだと感じましたが、ペーパーでの削りにくさは、キングウッドが一番だと思います。
まあ、ともかく、滑らかに、なったぞ………???

へげへげの跡が完全には消えませんでしたが、ま、これだけ削れば、革を傷つけることはないでしょう。

最後は、オイルをかけて仕上げです。
今回も、米から作られたキヌカを使いました。
オイルをかけると、木の表情が、がらっと変わりますね。
白っぽい印象だった色合いが、ぐっと赤みを帯びて深くなり、黒い縞模様が引き立ちます。

ふっふっふ。
思った通り。
なんと派手で美しい木目のウッドスリッカーなのでしょう!!

市販のものよりかなり短めで、手の中にすっぽり収まるサイズ感。
ワタクシにとっては、これくらいが使いやすいようです。

では、さっそく、コバを磨いてみましょう。
…………………
…………………
…………………
ええと、なんていうか……
コバを磨くためのウッドスリッカーって、
ここまで硬い木じゃなくても、いいみたい。
角がぴんと立った形のせいもあるのでしょうか。
革へのアタリが、若干、きついようで……
磨き心地といたしましては、
一番最初に作ったカリマンタン黒檀が、今のところ一番いいようです。
うむ。
必要か必要でないかといったら、まったく必要ではないキングウッドのウッドスリッカー。
でも、いいの。
だって、赤くて派手なやつが、欲しかったんだもん。
「必要なもの」と「欲しいもの」は、ことほど左様に、まったく別のものなのです。