革が好きです。
それも、タンニン鞣しの革が好きです。

革といえば、タンニン鞣し。ミモザやチェスナットで時間をかけて鞣して作った、自然な風合いが残る革こそ、手に取って撫でて一緒に過ごしたくなるのです。

革モノを見てまず考えるのは「タンニン鞣しかどうか」。
ブランドでもなくデザインでもなく、まずは鞣しの方法をチェック。同じブランドでも、クロム鞣しの商品は買いたくありません。
なんてレアな判断基準。
タンニン鞣し原理主義と言ってもいいかもしれません。……あ、あくまでも個人的な趣味ですが。




なぜ、そんなにタンニン鞣しが好きなのか。
それはもちろん、使い込んで時間が経てばたつほど変化するエイジングを楽しめるからです。
一人ひとり、その人の使い方によって、育ち方は千差万別。
経年変化した革は、世界にたった一つ、自分だけの相棒になるのです。

ほら。どうです。この、百戦錬磨の風合い。

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あちこち傷だらけで、もう10年くらい使ったみたいな雰囲気ですね。
そう。
これは、今年から使い始めた、自作の財布と手帳カバーです。




………って、まだ半年しか経ってないじゃん。
一体何なの、この傷は。

バッグに毎日詰め込まれ、一体何とぶつかっているのか。謎が謎を呼びますが、ともかく、ワタクシの革モノは、なぜだかみんな、このような育ち方をするのです。
不思議だなあ。




どちらも、表革はエルバマットのキレッパジです。
エルバマットは、オイルがたっぷり含まれているためか、柔軟性があるためか、ちょっと使うとあっという間に表情が変わります。

ほら、この財布。ツヤツヤと光る姿が愛おしいですね。
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大きめの一枚革でくるりと巻いたデザインなので、広げる楽しみもあります。
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ホックや縫い目のアタリが、もう、かなり出てきました。
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背面は、カードのアタリが出てきています。
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ちなみに、出来立ての財布は、こんな感じでした。
ほらね。何だか、もう別人でしょう。
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開けて見ましょう。
正面中央には、蓋の裏側の縫い目の跡がくっきり。
カードポケットは厚さ1ミリの栃木レザーなのですが、あまりにも端っこを使ったためか、よれっとしてきました。
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傷だけでなく、激しいアタリ。
一体、どのような使い方をしたら、たった半年でここまでアタリが出るのでしょうか。

それは、もちろん、
こんな使い方をするからです。

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ああっ、だめだよ! 実際に詰め込んだ姿を晒しちゃあ!


………………


ふつう、ここまでカード類を溜め込むでしょうか。
「主婦の財布」どころの騒ぎではありません。

でも、どれも、頻繁に使うポイントカードなんですよ。ないと困るものばかりなんですよ。

………って、アンタね。少しは、なじみの店を絞ったらどうなのよ。




製作時に強度が不安視されたカードケースですが、今のところ頑張っています。
ポケット一つにカードを3~4枚くらい詰め込んでも、余裕があるサイズのおかげか、びくともしません。
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コバも……まあ、なんとか……一部、微妙な感じになってきていますが……
これホントに一年もつかなあ??
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続いて手帳カバー。
こちらもツヤッツヤです。ふっふっふ。
やっぱり、エルバマットのラディッシュブラウンは、いいですね。艶が出てくると色の深みも増して、手触りが滑らかで最高になってきます。
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……って、何でしょうね。この傷は。
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裏側も、似たり寄ったり。
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広げてみると、……使い始めてたった半年とは、到底思えません。
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ちなみに、出来たてほやほやのときは、こんなに綺麗でした。
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まだあまり時間が経っていないのだな、と感じられるのは、裏側を見た時です。
すっぴんヌメ革のカードポケットが、ようやく色づいてきました。
いつも入れている手帳のサイズにあわせて、くっきりとヤケがわかるようになりました。
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エルバマットはすごい。
ミネルバ・リスシオやミネルバ・ボックスなんかと比べても、育つスピードが断然速いようです。
半年でここまで表情が変わると、この先どうなるのか、ちょっと心配になるほどです。
じっくりゆっくり革を育てるのが好きな人には、あまり向かないかもしれません。
ワタクシのように、エイジングが好きだ好きだといいながら気が短いタイプには、理想的です。




……それにしても、一体ぜんたい、この傷は……




ヒト様が育てた革を見るのも大好きで、革好きの方やワイルドスワンズなんかのインスタをフォローさせていただいておりますが、感心するのは、みなさま実に美しく、ほとんど傷なくツヤツヤと育てていらっしゃることです。
まっすぐ育った革っていうのは、本当に綺麗なものですよね。

翻って、このワタクシ。
バッグの中で、いかに乱暴に扱われているか、一目瞭然、まるわかりの財布と手帳。
厳しい環境に鍛えられすぎて、なんだか、ちょっと、道を踏み外しかけているような……




いえね。いつもパスモを入れているパスケースが木製で、ストラップをごっつい金具でジョイントするデザインで。
硬い木の角と金具の出っ張りに、どうしても引っかかれてねえ……
ヘルツとOrganのバッグっていうのは、小分けにできるポケットがないので、どうしてもすべてを一緒くたに詰め込むことになってしまってねえ……




言い訳上等。





ところで、百戦錬磨になっていくのは、バッグの中の小物ばかりではありません。
それらを入れるバッグ本体も、ほら。
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なんでしょうね。この、鋭く深い傷跡は。




ふっふっふ。
これは、ワタクシにとっては、勲章なのでございます。
この傷をつけてくれたのは、実は……






………長くなりますので、本日はこのあたりで失礼させていただきます。