いやぁ…前回は川上林道で熊親子に遭遇した話をしましたがね…
川上村では、前回も合わせて3回程死にかけてるんですよ。
今回はその2回目のお話をしたいと思います。
実は私、その前年も川上村で夏だけバイトしてましてね、そりゃもう重宝される経験者なわけですよ。
種まき、苗植えから、肥料撒き、草取りからマルチ張り、出荷の選別、箱詰め、出荷まで一通り出来ちゃうもんで、この年はお世話になってる農家のおじさんが畑をいくつか任せてくれたんですよ。
ここ川上村って千曲川の源流がありましてね、水が綺麗なんですよ。
そんな千曲川の源流の脇にある畑に行った時でした。
草取りだったと記憶してますがね、あ…草取りって草むしりの事です。
鎌を原チャリに積んで、爽快に走り出したんですよ。
因みにこの時は【ARISA MIDUKI】号ではなく、農家さんの原チャリです。
赤い原チャリだったので…
【松田聖号】とでもしておきましょう。
この辺りはノーヘル当たり前の地域なんですが(良い子は真似しちゃダメですよ)
私は半帽を被って運転してたんですよ。
そしたら…
何かが飛んで来て
その何かが右耳にとまったんです。
運転しながら手で払おうとしたんですが…
おー❗ミステイク😱😱😱
耳の中に何かが入って来ちゃったんです…
もうこの時点で痛いんですよ。
『ゴリゴリゴリ…コワゴワ…』
その何かが耳の中を進んで行くんです😱😱😱
『いってーっ❗
いてーよー❗』
私は持っていたアクエリアスを耳の中に流し込みました。
えぇ、もちろん500ミリ全部です。
正体は何か分からないですが、とにかく出さないと大変な事になる…
そんな私をせせら笑うように、そいつは耳の中を行進して行くんですよ。
『ゴリゴリゴリ…メキョメキャ…』
『ぎょわー❗
いってー❗』
ここで軽く出血…
もう、辛抱たまりません❗
なんとかお世話になってる農家まで戻って、家にいたおじさんに経緯を話しました。
すると…懐中電灯を持って戻って来たんです。
おじさん、ナイス❗
入ってるのが昆虫なら、明かりの方へ向かってくるはず。
しかし、耳を照らしても…そいつも戻るスペースがなく、更に奥へと侵入。
『ぎょひゃひょわー❗いてててててて❗』 
ここでおじさん…
『ダメだ…救急車だ。』
もう救急車でも何でもいい。
とにかく、この地獄から抜け出したい…
『ゴリゴリゴリ…メキョメキャ…』
ここでかなりの出血。
『あひゃひょわー❗❗❗死ぬー❗❗❗』
気付くと、おじさんはどこかに電話している。
『そうずら…うん、今から行くから…はいはいはい。』
どこへ行くの❓️
救急車は❓️
聞けば、病院へ向かう救急車は消防署からじゃないと出れないとの事。
ここから10キロ程走った消防署まではおじさんの車で向かう事になった。
消防署に向かう車内でも、そいつは容赦なく私の耳の中に凸してくる。
まるで、
『今から林葉◯子邸に突入しまーす』
と言う留守電を残したばかりに全国ネットのワイドショーで晒された、中原◯段みたいだ…
そうだ…こいつの名前は中原にしよう…
『メキョメキャ…ゴリゴリ…』
この時には激痛を通り越し、失神寸前だった。
少し耳を傾けると、鮮血が流れ落ちる…
『わし、こんなんで死ぬんか…なんだか正体も分からないもんに殺されてしまうばい…』
もう言語すら無茶苦茶になる。
そんな私をおじさんは隣で私を励ましてくれる。
『頑張れ❗もう着くから❗死ぬな❗』
その時だった。
『ギョリギョリ❗ゴグワ❗ゴリゴリゴリ❗』
その瞬間、私の耳から殆どの聴力が失われた。
そう、鼓膜が破れた音だった。
この辺りから記憶が飛び飛びになる。
おじさんの車からストレッチャーに移され、救急車に乗り込む。
『名前言えますか❓️』
び、びーびーです…
『何が入ったか分かりますか❓️』
わ、わか、りませ…ん。
『何歳ですか❓️』
お茶のこサイサイです。
痛みで意識が朦朧としているんですが、そいつも必死で動くんですよ。
その度に激痛が走る。
どれくらい救急車に乗っていたでしょうか。
川上村からK市の総合病院へ来たんですよ。
そこで、ストレッチャーのまま、処置室に運ばれ…
『今からね、耳の中見ますから』
お医者さんだ…
助けてくれるんだ…
凄く安心したのを覚えています。
耳の中を見た先生は
『うわ❗嘘だろ❗ちょ、◯◯さーん❗』
看護師さんだろうか二人程応援に来てくれた。
『B.Bさんね、この中に大きい虫が入ってるの、今から虫を出すからね。』
先生はピンセットだろうか…何か器具を使って虫を出そうとする。
『キュウキウキウキウキウ…』
耳の奥で虫が鳴いている…
断末魔の叫びだろうか…
『ダメだ❗取れない❗◯◯持って来て❗』
何度も虫を取り出そうとする先生…
もういいよ…先生…僕…もう疲れたよ…
そう思った瞬間
再び激痛が❗ 
『取れた❗』
マジで❗助かった…
『足だけだけど❗』
このヤブ医者め❗❗❗
『まず、こいつを殺そう、イソジン取って❗』
最初からそうしたまえよ。
イソジンを耳の中に流し込まれた経験がある日本人はそうはいないだろう。
しかし、偉大なりイソジン。
虫の動きが止まった。
痛みは続いてはいるが、かなり楽になった。
その時だった。
『産まれた❗』
いや、間違えた。
『取れた❗』
『うえ…こんなんが入ってたの…』
『よく失神しなかったね…』
『私なら死んでる…』
先生はティッシュの上で、イソジンまみれで茶色くなった中原改め…カナブンを見せてくれた。
『でかっ❗こ、これ入ってたんですか❓️』
所謂、普通に見るサイズのカナブンを思い浮かべて欲しい。
それが私の耳の中に侵入し、そして鼓膜を突き破ったのだ。
この一件以来、山でバイクに乗る際には耳の隠れるヘルメットにしたのは言うまでもない。
因みに、その病院の先生の話だと、小バエや小さな虫が入っただけで失神する場合もあるそう。
先生にお礼を言って、処置室を後にしようとした際…
彼はこう言った。
『あの、これ、このカナブン、記念にもらっていいですか❓️飾っておこうかと…』
今も私の鼓膜を突き破ったカナブン
あの病院に飾られているのだろうか…(んなわきゃない)
その後、私は一度地元に帰り、人工鼓膜の形成手術を受けて、再び川上村へと戻ったのだが…
戻らなければ…あんな出来事は起きなかったのかも知れない。