前回の祖母の話から、少し時間は進みまして小学校4年生の時の話になります。

その日、学校から帰った私は身体が怠く、眠気を感じていました。
いつものように部屋で過ごしていたのですが、何故だか覚えてはいませんが、隣にある母の部屋へと行き、母の布団で寝入ってしまいました。

時間はまだ夕方過ぎた頃でした。

すると突然、身体が電気が走ったような感覚に襲われました。
【金縛り】ってやつです。

初めての金縛りで、いくら力を込めて手や足を動かそうとしても、ピクリともしないんですよ。
動くのは目玉だけ。

でも、怖いもんだから、目をギュッと瞑って
【南無妙法蓮華経…南無妙法蓮華経…】って
知ってるお経唱えながら、必死に体を動かそうとしてたんです。

すると…足首辺りに何か重みを感じるんですよ。
不思議なもので…
明らかに人の重みだって分かるんですよね。
「誰かが乗ってる」
そう分かった瞬間からパニックですよ。

足や手にありったけの力を込めて、動かそうとするんだけど、いくらやっても体は動かない。
そうこうしていると、足首辺りに感じてた重みが今度は脛の辺り…膝の辺りに…
とうとう、お腹の辺りまで這い上がって来るんですよ。

必死で
【南無妙法蓮華経…南無妙法蓮華経…神様…助けて下さい…南無妙法蓮華経…】
唱え続けるんだけど、それはついに胸の辺りまでやって来た。

とにかく、見ちゃいけない。
だから、ギュッとさっきよりも力を入れて目を瞑ったんです。

すると…
何かが顔に触れるんですよ。
何とも言えない…気持ちの悪い感触なんだけど
不思議とそれが人の手だって分かるんですよね。

すると、その手が私の頬に触れたと思うと…
瞼に触れて、無理矢理こじ開ける
瞬間、光が入り込んで視界が開ける

今でもハッキリと覚えてますがね…
顔の右半分が潰れた白髪のお婆さんがこっちを見て
少し微笑んで私の瞼を押さえて、閉じないようにしてるんですよ
垂れ下がった白髪が顔に触れた感触まで覚えてますよ。

こういう時って、よくドラマなんかだと気を失うじゃないですか。
けど、そんなに都合良くいかないんですよ。
気を失った方が余程楽だったでしょうね…
時間にしたら、少しの間だったかもしれないけれど
私には何十分、何時間にも感じました…

満足したのか、そのおばあさんはゆっくりと消えて行きましたがね…
この体験以来、私は不思議な数々の体験をする事になるんです。