仕事が忙しくって、細切れ旅レポートが途絶えてました
中途半端で終わるのも気持ち悪いので最後まで行きます
千光寺のロープウェイを下りて来た私たち。
お茶にしようか、とロープウェイ乗り場前のな喫茶を覗いてみたのですが、どうやら満員。待っている人もいるようです。
じゃ、駅前の商店街でお茶にするとして、もう一つくらいお寺に行くべさ、と再びバスに乗って、向かったのは浄土寺。
観光レトロバスの運転手さんが尾道で寺巡りをするなら、押さえておくべき三つの寺のひとつとして挙げていたです。
バスを降りてJRのガード下をくぐると、短いけど急な階段の上に丹塗りの寺門が聳えていました。
十一面観音がいらっしゃるようです。
境内は広くて、本堂(左側写真の左端に屋根の端っこだけ写っている建物)と阿弥陀堂(左側写真の正面)、阿弥陀堂の奥には多宝塔まであって、子供が鳩と戯れています。
うむ、お寺はこうでなくちゃ。
ここで蘇る十数年前の記憶。
別の友達と初めて尾道に遊びに来た時、本堂の内陣にまで入れて、曼荼羅図とかを目の前で見られたお寺があったのですが、それここ・・・?
確信はないのですが、あの赤いお堂には覚えがある。拝観料は確か500円だったはず(それを覚えているのに寺の名前を覚えていないという・・・)
取りあえず、本堂にお参りします。
バスのフリーチケットに宝物館の拝観の割引が付いていたので、それが内陣拝観かと首を捻りつつ申し出ます。
本堂にいたのは若いお坊さん。種間寺の坊さまと多分同年代。
但し、こちらは剽軽で明るいタイプ。好青年ですが、顔だけなら普通メン。ま、若い坊さまなんて、そうそういらしゃらないもんね。
お坊さんが案内して下さった宝物館は本堂の向かいの本当に収蔵庫。
内陣は入れてもらえませんでした。
うーむ、こことは別の寺だったか
腑に落ちないまま、宝物館に入ります。
宝物館には源氏物語絵巻図を扇面に描いて散りばめた、見事な屏風絵があって、解説テープは一生懸命それについて語っています。
が、源氏物語にはたいして関心のない私らは、必死の解説を右から左へと受け流しつつ、さらっと見物を済ませ、2階に上がります。
お、二階には仏像がある
ラッキー
ところで、仏像とかの宗教美術品は祈りの場にあってこそ、その美と力を発揮すると思います。
同じ仏像でも本堂にいらっしゃるのと、美術館のガラスケースの中に納められているのとでは、見る人を引き込む力が全然違います。
最近では、収蔵庫や美術館展示でも照明や雰囲気を工夫して本堂っぽい雰囲気を保とうとしているところが増えてきました。増えてきたんですけど・・・、ここの宝物館は昔ながらの収蔵庫でした。
古臭いガラスケースの中の仏像は「いらっしゃる」ものではなくて「ある」もの。
マジカルな力は失って、単なる美術品・文化財としての鑑賞対象です。
宝物館鑑賞を済ませた私たち。宝物館鑑賞の前に預けたご朱印帳を頂きに納札所に赴きました。
ご朱印を頂いたついでに阿弥陀堂の拝観は出来ないのか尋ねてみました。
どーも、十数年前の記憶のお寺はやっぱりここではないかという想いが拭えなかったのです。
したらば
出来るとな。宝物館とは別口で、本堂内陣・阿弥陀堂・庭園を拝観するコースがあるそうです。
いやん、兄ちゃん坊さん、ちゃんと案内してよ。私らは、そっちが見たかったんだから
本堂に戻ると、さっきの兄ちゃん坊さんはTシャツにニッカボッカのガテン系のあんちゃんと大きな脚立で作業中。本堂の前につりさげられた巨大な提灯をどうにかしようとしているようです。
私たちが本堂内陣拝観を申し出たところ。
明らかに坊さん、やりぃ、ガテン系あんちゃん、ちっ
って顔しましたね
坊さん、私らに、
「本堂に上がって待っていて下さい、すぐ手を洗って戻りますから~」
と。ガテン系あんちゃんに
「あとよろ~」
と。足取りも軽く、汚れたを洗いに走ったのでした
本堂の十一面観音は秘仏。お厨子しか見えませんが、外陣の天井近くに絵姿が掲げられていました。
海上交通の守り神ということで、波の上に立たれています。
さすがに、内陣、阿弥陀堂内では写真は撮れませんでした。
ですが、足利尊氏の肖像画(教科書に載っているアレ)とか、記憶にあった両界曼荼羅図とか、蓮如上人の書とか、阿弥陀堂のご本尊の阿弥陀三尊像とか、卍崩しの欄間とか、見どころ
庭園は写真可だったので、庭の写真をUPします。
その隣の赤いのは、多宝塔の装飾部。
お庭に茶室が写っていますが、ここは非公開。ただ11月月初の三連休に特別公開されるようで、
「是非、見にいらしてください」
と兄ちゃん坊さん。
いえ、来たいのはやまやまですが、福岡からだと、そう気軽には来れません