大型台風19号が刻々と近付く中、宿坊で朝を迎えました。
窓の外をひゅるるるるーって強い擦過音を響かせながら風が抜けていきます。天気は曇り。雲がとても速く移動しているようです。
うーむ。天気予報だと上陸、もしくは最接近は13日の午後4時頃だったはずだが・・・。
不安を抱えながらもとりあえず、足摺岬を目指すことにしました。
前の晩、食事の前に本堂にお参りだけは済ませていたのですが、お大師さまのお札を納めていなかったのでもう一度、お参りです。
写真は左が昨晩お世話になった宿坊、右が本堂。向かい合わせに建っています。
さぁ、お札も納めたし、出発するぞ。
とりあえず、足摺岬だけは済ませたい 次回のリスタートが足摺岬からなんて過酷過ぎる。
外に出てみたところ、それなりに風は吹いていましたが強風というほどでもなく、これなら行けるかと期待していたのです。
途中、道の駅に寄って、パンとコーヒー牛乳で朝ごはんを食しつつ情報収集。しまなみ海道については今のところ何も心配いらないようです。通行止め情報はありましたが、これはもっと先の日付でイベント関係によるもの。
よしよし、今日中にしまなみを渡れれば、とりあえず何とかなるはず。
と、マーチくんは走る。
道すがら、何人もの歩き遍路の方を追い越して行きます。
ここで追い越したってことはこの方々の目的地は私たちと同じく足摺岬
明日はで一日足止め確定ですものねー。今日のうちに何とかしたいというお気持ちはとってもよく分かります。
思わず、
「ご武運を・・・」(何か違う)
と思わず心で呟くのでした。
しかし、しかし。
私たちは海沿いの風の強さをなめていました。
国道が四万十町を抜け、その名も黒潮町に入りますと、海沿いの道になります。
そうするとですね。
ざっぱんざっぱん、波が防波堤に当たって砕け散るさまが見えるわけです。
うおお、さすが太平洋、黒潮の町
北島サブちゃんが大漁旗もって、海に向かって仁王立ちしている姿が目に浮かぶような荒波だぜぃ。
・・・あれ、何かふわふわした白いものが風に飛ばされている
って、これ波の花じゃん
そして、ガソリンが心もとなくなっていたので、給油に立ち寄った
セルフだったので、マーチくんオーナーの私が給油したのですが、その時、突風が吹いたっっ
GSも、マーチくんも、私も揺れた
えーと・・・。今から向かう足摺岬って、室戸と並ぶ四国二大台風ポイントだよね
というか、全国的に見ても、鹿児島県の枕崎を加えた西日本台風三大ポイントでは・・・
今、私たちが走っているところは、四国を蝶に見立てると、羽と羽の間のくびれの部分・・・。そして、足摺岬って羽の先端・・・。無謀・・・かも・・・
そのまま国道を直進し、足摺岬と宿毛へルートが分かれる手前で、Tさんと協議。
大日如来さまのご加護がない以上、ここは諦めようと結論したのでした。
そのまま、中村街道という高速の無料区間に入り、私たちは四国脱出を図るべく、愛媛を目指したのでした。
愛媛に近付くにつれ、お天気はあからさまに回復。
松山市内に入ると、晴れと称してもいいくらいの薄曇りで、風も穏やか。ニュースを見ていなければ台風が近づいているとは思えないくらいです。
これなら、寺巡り、充分出来るんですけど・・・。
でも、悲しいかな。私たちのは四国八十八ヶ所参り。札所を順番にまわることに意義のある壮大なスタンプラリーです。38番札所の金剛福寺をスルーした以上、先の札所に参るわけにはいきません。
涙を飲んで、四国とお別れです。
よし、お昼は尾道ラーメンだぜ、と気持ちを切り替えます。
おっと、四国を脱出する前に、土産を調達せねば。
何せ、
「四国にお遍路に行って来ます」
と宣言して、金曜日に会社を早退したのです。
しまなみ海道に入ってすぐ。来島SAに寄って、四国土産調達です。
おや、何かイベントをやっているぞ?
派手な衣装のにいちゃんたちがちびっこに風船でマスコットを作っています。
風船の刀を腰に佩いた男の子。魔法のステッキを持った女の子。みんな、嬉しそう。
因島のはっさくんに、今治のバリーさん。本四連絡橋のキャラクター・わたるくんだぁ
お土産を買ったら、とっとと出るつもりだったのに、ついゆるキャラ撮影に走る私たち。
そして、可愛い愛媛県キャラクターのみきゃんちゃんもいたというのに、何故か、なりゆきで、
「これ、ゆるきゃら的に怖くないか?」
「妖怪(目玉親父系統の)だよね」
とか言っていた松山代表・タルトくんと記念写真を撮ってしまったのでした。