山笠の山には2種あります。
決まった場所に固定設置して、見て楽しむ「飾り山」と実際に男衆が担いで疾走する「舁き山」。
飾り山の方が派手なので注目されがちですが、本来の山は「舁き山」であることは言うまでもありません。
櫛田神社の観光客向け自動解説の受け売りですが、明治、大正初期くらいまでは、飾り山の大きさの山を実際に舁いていたそうです。ちなみに飾り山、ビルの2~3階くらいの高さがあります。
それが、飾り山と舁き山に分かれたのは電線のせい。
つまり、街が電化され電線が張り巡らされると、引っかかって電線が切れるわけですよ。
それで、実際に走るのは電線に引っかからないコンパクトサイズになったという訳。
とはいえ、人間の都合で山を簡素化するのは神様に失礼ということで、動かせない代わりに絢爛豪華な飾り山を飾り奉ることで、神様に対して筋を通したということのようです。
で、今日の写真は舁き山です。
東流。青竜がどどーんと前面にでていますが、四神の霊獣の山です。竜の上の赤いのが朱雀でしょうか? 白虎と玄武も是非、確認せねば。
恵比寿流。櫛田神社のご祭神、大幡主大神だそうです。
や、この神様に逆らうなと怒られたら、平伏して従っちゃいます。
千代流。緋の鎧をまとった真田幸村。
戦国武将ゲームなんかでは、笑っちゃうくらいのビジュアル系美武将に描かれておりますが、現実の幸村さまはこんなもんでしょう。そういえば、ずいぶん昔、北大路欣也が幸村に扮した娯楽時代劇を見た覚えがありますが、ちょっと似てる?
飾り山もそうですが、この舁き山も博多人形師によるもので、毎年作り直します。
贅沢っていえば贅沢ですが、神事らしいとも思います。