昨日、両親をドライブに連れて行って、帰りに仏蘭西料理なんぞを奢るという慣れないことをしたのですが。
行ったのは、箱崎にあるフレンチのお店、「山口」。
箱崎にこじんまりしたおいしいフランス料理のお店があるというのは聞いていて、行ってみたいなとは思っていたのです。
友達に一人、行ったことがある人がいたのでどんなだったか聞いたところ、「美味しかったのでまた行きたい」と。で、どんな感じのお店かを尋ねると、
「山口さんち」
「は?」
「あれは山口さんちとしか言えん」
なんじゃそら?
電話で予約すると、嫌いな食材やダメな食材を尋ねてくれました。
シーズンオフなので大丈夫とは思いましたが牡蠣がダメなことを伝えました。(嫌いなのではなく、8割の確率で当たる体質なので)
GW中はシェフお任せコース(税込5900円)のみということでそれをお願い。
でもって、行ってみたのですが。
うん。まさに山口さんちだわ。
JR箱崎駅からは徒歩だと5分程度の位置。西口から出て信号渡って、通りの向かい側に行きます。でもって、天神方面に向かって進んで、法務局前の交差点を通り越して最初の細い路地を右に折れて、次の路地を左に折れてすぐ。周りは一般住宅とアパートで、レストラン「山口」もまんま一般住宅。
駐車場もありますが、これもお店の駐車場というより、普通のおうちの自家用車を止める為の駐車場というたたずまい。
店の前の小路は車は通れるけど、すれ違うのは難しい細い道です。
店名の看板と、入り口に立ててあるメニューを書いた黒板がなければ、本当に普通のおうちとしか言いようのないお店でした。
友達のうちに遊びに来たように玄関で靴を脱ぎ、通されたところはLDK。
ええ、普通のおうちでLDKとして作られた空間が、レストランの店内です。
食事中、このレストランのお嬢さんが帰宅されて二階に上がって行ったりして、本当に自宅でレストランをやっています感が満載。
まず、アミューズは黒豚とフォアグラのパテとエスカルゴ。スクランブルエッグの上にパテ、その上にちょんとエスカルゴが乗っています。パテは父が、
「ソーセージ?」
と尋ねたくらい固めの仕上がり。とりあえず、とてもおいしい。
次が、カルパッチョ。
野菜がふんだんに散らしてあって、カルパッチョサラダという感じです。
その次のスープは春キャベツのサフランスープ。
春キャベツの他、太いショートパスタ(ペンネを切ったっぽい)やベーコンも入っていて、具材的にはミネストローネに近い感じ。いわゆるコンソメですがサフランの風味のせいかちょっと複雑な味わいになっていました。しっかりと出汁が効いたスープです。
お魚のメインはホウボウのフリットと浅蜊と茸のムース。ホウボウは身がやや固めの白身魚でさくっと上がったフリットは食感もよくて幸せ。下にスープ仕立てのソースが敷いてあったのでそれにつけて頂きます。残ったソースは勿体ないのでスプーンで攫いましたが、お料理の為のものなので、ソースだけ飲むとちょっとしょっぱかった。
お肉のメインは牛ヒレ肉のロースト。これもまた、お肉が柔らかくて、付け合せの野菜もおいしくって満足。
忘れずに全部写真を撮るぞと意気込んでいたのに、最後の最後、デザートの写真を撮り忘れてしまいました。
デザートはキャラメルアイスを乗せたカスタードプリンとフィナンシェの二種盛り。フィナンシェは焼き立て熱々のが出て来て、それにキャラメルアイスを乗せて食べるのがすごーくおいしかった。
プリンは茶碗蒸しくらいの柔らかめの仕立てでカラメルソースと、ちょっと酸っぱめの果物のソースとの混じり具合が絶妙。珈琲も私の好きな酸味のないタイプのもので、お料理には何も不満はございません。
特に、デザートについては、母が、
「こんなにおいしいデザートは久しぶり!」
と感激するくらい完璧においしかったようです。あまり甘味に関心のない父も完食してましたし。(だいたい、デザートはちょっとだけ食べて、残りは私に食べさせることが多い)
量は私や両親にはちょうどいいくらいでした。腹九分くらい? お腹いっぱいだけど苦しくないくらいの。
お酒を飲める人にもあれくらいがちょうどいいんじゃないかな?
この日のメニューがたまたまそうだったのか、お店の特徴なのかは一回行っただけなので判断できませんが、仏蘭西料理にしてはさっぱりした味付けで、和テイストが入っているように私には感じられました。
大人がゆっくりと食事(とお酒。下戸一家なのが悲しい)を楽しむ為のお店だと思います。
「山口(yamaguch)」
TEL:092-641-4808
火曜定休・要予約