オブリビオンの門をくぐるとそこは異界だった。
空は赤く、溶岩が流れ、得体の知れない植物が自生している。
だがのんびりと世界を眺めている暇も無い。目の前に元気な魔物と黒焦げの死体があるのだ。ああ、クヴァッチの衛兵は壊滅か。
必死に武器を振るい戦っていると一人の人間が参戦してきた。クヴァッチの衛兵の生き残りらしい。
「マティウス隊長の命令でここに突入し 門を閉じようとしたんだが 奴らの待ち伏せに遭い 退路をふさがれて狙い撃ちにされたんだ
何とか私は逃げてきたんだが 他の連中は橋の向こうで散り散りになってしまった 塔にはミニアンが連れて行かれたんだ 彼を助けてくれ!
ここはまさに地獄だ!」
ここはまさに地獄だ―なんという懐かしい響きか。私がかつて米国のウィラメッテにあるショッピングモールに遊びに行ったときも同じことを言われた。イザベラ元気かな。
―いいだろう マティウス隊長の力になってくれ
ついてこられても邪魔だし。死なないうちにさっさと戻ってくれ。
「よし!私はここから脱出する道を探して隊長に状況を報告しよう」
遠くに見えている塔に行けばまだクヴァッチの衛兵の生き残りがいるかもしれない。とりあえず見える建物は塔だけだし、塔に向かって進軍しよう。
真っ直ぐ進めれば一番楽なんだろうが、塔へ直通していると思しき橋は塞がれて通れないことになっている。仕方がないので迂回する。
歩いているとでるわでるわ、魔物の群れ。まあ、魔界だしな。
ごり押しで進むのは少し無理があった。何せまだ私はレベル1だ。魔界で戦っている間にレベルアップの条件は満たしたが、ベッドで寝ないとレベルが上がらないからまだレベル1のままだ。途中で休憩を挟みつつ塔までたどり着く。
塔の中ももちろん魔物の巣窟だ。外にはいなかったようなちょっと強めの敵もいる。
どこからかover here! quickly!と言う声が聞こえる。例のミニアンさんか。よし、今助けてやるぞい。
声のする場所まで行ったら魔物の一人が声をかけてきた。
「ニンゲンの来る場所ではない 貴様の血がその代償だ 肉を食らってやる!」
喋れるんか。
さくっと撲殺。後ろの囚われのミニオンに話しかける。
「急げ!早く!時間がない。
巨塔の最上階に行くんだ ヤツらは印石の間と呼んでいた そこにオブリビオンの門を開けている力の源がある!
印石を見つけて取り除くんだ そうすれば門は閉じる!」
印石とはsigil stoneの訳で、まあこの異界を我々の世界に固定している力の源だ。
―とりあえずあなたを逃がしに来たんだけど
「私のことはいい!時間がないんだ!早く行け!」
まじっすか。まあ、放置でいいとおっしゃるなら放置しますが、オブリビオンの門が閉じちゃったらどうなるかわかりませんぜ。
ミニオンさんを放置して塔の最上階へ。
印石を取るとオブリビオンの門は閉じ、私はクヴァッチの街の門前に戻る事ができた。ミニオンはたぶんそのままオブリビオンに置き去り。
話の流れ的にはオブリビオンの門の前で待機していたマティウス隊長に話しかけ、ようやくクヴァッチ開放戦へと流れ込むところだが、オブリビオンで採集した植物やらアイテムやらが重量を圧迫しているしレベルも上げてしまいたいので一度ふもとのキャンプまで戻る。マティウス隊長はスルー。もうちょっとバリ張っといてください。
通常はベッドも無料ではない。人の家に入って勝手に寝ようものなら通報されてしまうが、ここのキャンプには使ってもいいテントが一つあった。ありがたく仮眠してレベルを上げる。おめー。自分おめー。
目が覚めたら手近な商人と取引をし、ついでに武具を修理する。これでようやくクヴァッチ開放戦に向かう準備ができたがお金はなくなった。残り80円…。
お金はクヴァッチを開放してから稼ぐことにしよう。そうしよう。とりあえず踵を返してクヴァッチ門前へ。
さあ、マティウス隊長待たせたな。
「門を閉じたのだな 君ならやってくれるのではと思っていた! ここから一気に反撃するぞ!」
オブリビオンの門が閉じ、残りはクヴァッチの街の中で暴れている魔物のみだ。
―行こう!
for Kvatch!!(クヴァッチのために!!
わーわー
隊長率いる衛兵達と共に一気にクヴァッチへと流れ込む。
一人衛兵が死ぬも、何とか最初の広場の敵を駆除し聖堂への道が開けた。
残るはクヴァッチ街中とクヴァッチ城の奪還だ。城にはまだ領主も残っているはずだ。