天才ニコラ・テスラが発明したテスラコイルや重力エンジンの裏には、予言者エドガー・ケイシーがいた!

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ニコラ・テスラ 画像は「Wikipedia」より引用

 前編で触れたように、「ビーフェルド-ブラウン効果」の発見者トーマス・タウンゼント・ブラウンは、謎めいた男だった。

 特定の時期、アメリカ空軍から直接命令を受けてスパイ活動に携わっていたと考えられるのだが、そのターゲットはニコラ・テスラだった。

 テスラといえば、読者もご存じの通り、交流電流、ラジオやラジコン(無線トランスミッター)、蛍光灯、空中放電実験で有名なテスラコイルなど、多数の発明を成し遂げた天才科学者である。また、世界中に無料で電力を供給する無線送電網(世界システム)を提唱していたことでも知られる。そんなテスラは当時、「グラヴィティー・モーター(重力エンジン)」の研究を行っており、予

 

言者エドガー・ケイシーのリーディングを幾度となく受けていた。そう、ブラウンは、テスラの研究の有効性と進捗状況を、ケイシーを通じて知ろうとしていたのである。


■テスラの研究についてケイシーに迫るブラウン

 ここで、ケイシーとブラウンのやり取りを紹介しよう。「グラヴィティー・モーター」のような専門分野にケイシーが言及する部分は難解だが、ここで はブラウンが何を意図してケイシーに質問を行ったのかに注目していただきたい。時は1928年3月8日、場所はシカゴにある豪華なラサールホテルだった (Reading 4665-1)。

ケイシー:ええ、ニコラ・テスラの体と探究心が見えます。それ自体が推力を生み出すエンジンの完成にかかわる人々とその状況も分かります。そのアイディアとプランは、生み出されるエネルギーを より良い方法で応用することですが、その方針に従っていくらか成果を収めています。ドラム内の圧縮によって生み出されるため――ドラムを通じて押し込めら れる際、空気から振動を集められる形状に作られた導線と合わせて――さらなる推力を引き出せる。使用されるカムは緩み過ぎているか、その回転において緩み がある。これはドラムのヘッド・アクションにあり、動作において詰めねばならない。

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ライトパターソン空軍基地 画像は「Wikipedia」より引用

ブラウン: どのようにしたら彼を我々の監視下におけるでしょうか?

ケイシー: オハイオ州デイトンかニューヨークに連れて行くことです。


 この質問と回答は実に露骨である。ブラウンは、当局の指示でテスラを囲い込もうとしていたことがわかる。オハイオ州デイトンとは、ライトパターソン空軍基地のある場所である。第二次世界大戦後になると、同基地には旧ナチス・ドイツに協力した科学者らが連れて来られ、UFOを含めた極秘の技術開発が進められてきたとされる。
 
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左:ニコラ・テスラ、右:トーマス・タウンゼント・ブラウン 画像は「human-resonance.org」より引用

■核心部分「グラヴィティー・モーター」についてケイシーは何を語ったのか?

 そしてブラウンは、テスラが開発中の「グラヴィティー・モーター」とそれを搭載する航空機に関する質問を行っている。


ブラウン: そのマシーンは、リンドバーグによってワシントンにもたらされたのと同じ種類のものですか?
【筆者注:チャールズ・リンドバーグは1927年に大西洋単独無着陸飛行に初めて成功して話題となっていた】

ケイシー: いいえ、ガソリン・エンジンの現代において、テスラのマシーンは静止状態で力を生み出して作動します。ほかの人々によって試験されたように、空中に投げ出されるものとさらに関わっていて、そのソースから推力を得ます。

ブラウン: それが完成すれば、永久に作動しますか?

ケイシー: 永久的には作動しないが、一度始動すると、それ自体のソースから生み出されるエネルギーによって動き続けることができる。

ブラウン: テスラのマシーンは航空機に適していますか?

ケイシー: 動きを持続させるだけでなく始動させることもできるため、それが最良でしょう。圧力は高度によって調整されるでしょう。

ブラウン: いつこれは完成するでしょうか?

ケイシー: 材料が具体的に決まったら、7・8日以内にはできるでしょう。

ブラウン: このマシーンの3メートルのプロペラは1分間に何回回転しますか?

ケイシー: 空中での飛行を続けるのに十分な回数。ステーショナリー・エンジンはドラムの中で160馬力か、それ以上、ほぼ無限のパワーにまで及ぶでしょう。

ブラウン: 400馬力に相当するマシーンの重量はどのぐらいですか?

ケイシー: 91キロから136キロです。


 テスラはスパイだけでなく、当局と繋がった実業家やその代理人に囲まれていた。当時テスラが開発していたエンジンは、従来のガソリンを利用したものではなく、永久機関とまではいかないものの、超高効率で動作を続け得るものであった。それは多くの人々の関心の的でもあった。

 ブラウンは、表向きは当局に従い、ケイシーからテスラの研究の進捗状況を得ようと試みながらも、いつかそれを自身の研究に役立てられるのではないかと考えていたと思われる。当局の関心とブラウンの関心は一致していたのである。しかし、その後の歴史を 見る限り、ブラウンがケイシーから得た情報を有効に活用できていたのかというと、何とも言えないだろう。単純に、テスラの研究についての情報を十分得られ る立場にはなかったのかもしれないし、情報を封じ込める当局の指示に従い、自由な言動や行動が難しかった可能性も考えられる。
 

■技術の実現には時代的背景が整っていなければならない

 さて、最後に投げかけられた質問と、それに対するケイシーの回答は実に興味深いものだ。


ブラウン: マシーンの製造に関して、ほかに何かテスラに、または私たちに与えられるアドバイスはありますか?

ケイシー: 最初に考慮されるべきこととして、テスラは、完成に向けて物質的な側面で支援する人々に対して、己と意志の完璧な協調がなければならない。また、宇宙との 関係でこれを適用する自覚を促す情報を得るには、内なる自分との完璧な協調もなければならない。なぜなら、それが力であり、発表・公開される時、エンジン の適切な関係を得ることと同等でなければならないからです。

 

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イメージ画像:「Thinkstock」より

 つまり、目指すことが自分だけでなく、周囲の人々、さらには宇宙の意志と一致すれば、それが実現する可能性は高まるが、そうでなければ難しいこと を示唆しているのだろう。過去に、下世話な相談事にも応じてきたケイシーからすれば当然のことかもしれないが、こんな回答を見ると、どんな欲望を持った人 に対しても温かみがあるように感じられる。

 当時、経済力と技術力を有する者が世界を制するという意識は、特にアメリカにおいて主流であったと思われる。人々は利己的で、力づくで他者を従え るべく、戦争へと向かいつつあった(少なくとも戦争に備えていた)。そんな時代にテスラは振り回され、ケイシーも利用されてきた。そして、もちろん、ブラ ウンもその1人だった。非凡な能力を有した人々の周囲では、常にさまざまな思惑が交錯した。科学者にとっては、能力が開花しても、それを実現させることは 難しい時代だったといえるのかもしれない。


【水守 啓(ケイ・ミズモリ)】
「自然との同調」を手掛かりに神秘現象の解明に取り組むナチュラリスト、サイエンスライター、リバース・スピーチ分析家。 現在は、千葉県房総半島の里山で農作業を通じて自然と触れ合う中、研究・執筆・講演活動に加え、各種セミナー・イベント等をプロデュースしている。
著書に『底なしの闇の[癌ビジネス]』(ヒカルランド)、『超不都合な科学的真実』、『超不都合な科学的真実 [長寿の謎/失われた古代文明]編』、『宇宙エネルギーがここに隠されていた』(徳間書店)、 『リバース・スピーチ』(学研パブリッシング)、『聖蛙の使者KEROMIとの対話』、『世界を変えるNESARAの謎』(明窓出版)などがある。
ホームページ: http://www.keimizumori.com/