「春秋一刀流」
1939年
監督:丸根 賛太郎
AmazonPrimuで観ました。

キャスト
片岡千恵蔵 - 平手造酒
沢村国太郎 - 笹川の繁蔵
河部五郎 - 勢力富五郎
市川小文治 - 飯岡助五郎
原健作 - 只木巌流
香川良介 - 医者仁庵
田村邦男 - 須賀山の多駄平
志村喬 - 多聞重兵衛
仁礼功太郎 - 清滝の佐吉
浅野象二郎 - 村瀬勝左衛門
轟夕起子 - 繁蔵妹お勢以
衣笠淳子 - 繁蔵女房お雪
香住佐代子 - 多駄平女房お菊
比良多恵子 - 身投げ娘おみね
常盤操子 - 助五郎女房お勝
小松みどり - お寺掃除婆さん
スタッフ
監督:丸根賛太郎
原作:丸根賛太郎
脚本:丸根賛太郎
撮影:谷本精史
美術:鈴木孝俊
録音:佐々木稔郎
音楽:高橋半
助監督:安田公義
~あらすじ~
江戸お玉ヶ池の千葉周作道場を破門になって5年、平手造酒は用心棒稼業。
ある時、偶然喧嘩の相手方にかつての千葉門下生であった只木巌流に出逢い、
喧嘩そっちのけに昔を語り合った。二人は評判の飯岡助五郎の下に向かおうとするが。
~感想~
Wikiによりますと
「丸根賛太郎の監督第一回作品。
丸根の脚本を気に入った片岡千恵蔵の後押しで実現したもので、
時代劇に新風を巻き起こし、前年亡くなった山中貞雄の再来と騒がれた。」
とあります。
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丸根監督作品は、前回観た「天狗飛脚」のほうが私には面白かったですが
でも「春秋一刀流」も違うジャンルとして良い作品でした。
まず観客を最初からぐいぐい引き込む展開、セリフ運びが本作もとても良い。
そして静と動に使い分けられたシーンが素晴らしい。
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例えば静のシーンで「平手造酒」こと片岡千恵蔵が、轟夕起子演じるお勢以さんに語る場面。
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お勢以さん これ以上わしに江戸行きを進めないで欲しい。
わしは今 自分の運命から所詮逃れることのできない
人間の無力さというものをつくづく感じているのだ。
はじめ 巌流も十兵衛も その運命から逃れようとしてもがいた。
が 結果あの通り。
お勢以さん わかるかな。
わしが江戸へいかないというのは 落ち目になった茂三さんを助けてやりたい気持ちもある。
また助五郎を叩き斬ってふたりの仇打ちをしてやりたい気持ちもある。
だが それよりも
何か得体の知れない力に盤石のようにのしからられて
身動きさえ出来ぬ気持ち。
運命。
そういうものをひしひしと感じるからだ。
(ここで庭の木から枯れ葉が落ちる。ゆっくりと)
そうなるとわしはかえって落ち着き
悠然と運命の手をまち、静かに、平気で
(泣いていたお勢以、ここで顔をあげる。「平手造酒」は遠くを見たまま)
秋深し。。。か
(再び顔を下げるお勢以。ここ上手いですねー)
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今の私には、胸に染みるセリフでした。しみじみ。
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例えば動のシーンで、ラストの大乱闘シーンは物凄い迫力です。
医者から残り少ない命を宣告されている「平手造酒」が酒を一杯ひっかけて猛スピードで戦場へ駆けつけ恩人を助けるために大暴れする。
CGなど何ひとつ使っていませんが殺陣のカッコいいこと。カッコいいこと。
たった一人で大軍をバッサバッサ斬ってゆきます。いやー「平手造酒」かっこええわあ。
盛り上げてくれる音楽も素晴らしい。
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そして突然ぶち切れたラスト(ネタバレになるので詳細書きませんが)丸根賛太郎の「死生観」をあらわしているようで刺さります。
この映画が作られた1939年(昭和14年)という年も考えないといけませんね。
この映画が公開された3か月後、第二次世界大戦が勃発しています。
いやー良い作品でした。
これからも丸根賛太郎:監督・脚本作品を追いかけたいと思います。
~JustLikeAWowanの評価~
★★★☆☆ 星3つです!!
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日本映画ではありませんが、最近観た洋画も記録しておきます。
△「生きるべきか死ぬべきか」(1942年)エルンスト・ルビッチ監督、出演キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー
△「ニノチカ」(1939年)エルンスト・ルビッチ監督、出演者グレタ・ガルボ、メルヴィン・ダグラス

こちらもルビッチ監督作品ということで観ましたが、「青髭」のほうが面白かった。でもグレタ・ガルボが魅力的。セリフは勉強になる。ロシアについて考えさせられる。
〇「陽気な中尉さん」(1931年)監督エルンスト・ルビッチ、出演モーリス・シュヴァリエ、クローデット・コルベール、ミリアム・ホプキンス

クローデット・コルベールが好きならこれを観ないと!と思って観たが別人のよう。ガータと置手紙のシーンはカッコよかった。後半の女性二人の演奏シーンも良かった。
〇「ブームタウン」(1940年)監督ジャック・コンウェイ、出演者クラーク・ゲーブル、スペンサー・トレイシー、クローデット・コルベール

私の知らない世界を楽しませてくれた。成功と失敗の繰り替えし人生、どっちに転ぶにしろ彼らのように強い姿勢で向かっていきたいな。君よ人生という名の舞台で、勝利の演技を演じきれ。
×「愚かなり我が心」(1949年)監督マーク・ロブソン、出演者スーザン・ヘイワード、ダナ・アンドリュース

ビル・エバンスのジャズナンバーは知ってましたが映画は初めて。そりゃ愚かだね、という話しですが、人生いろいろだなと思いました。
〇「汚れた顔の天使」(1938年)監督マイケル・カーティス、出演者 ジェームズ・キャグニー、パット・オブライエン

人生って確かに、ほんのちょっとの差が後になって大きく左右に分かれることがあると思う。ラストは賛否両論らしいですが私には現実性が欠けてる気がする。泣けるけど。
◎「恐怖」(1961年)監督セス・ホルト、出演スーザン・ストラスバーグ

これは面白かった。ラストのタネあかしまでまったく気がつかなかった。観終わった後もう一度観たくなる。怖い映画でしたよ。
◎「セールスマンの死」(1951年)監督ラズロ・ベネディク、出演フレデリック・マーチ、ミルドレッド・ダンノック

前提知識なく何の期待もせず観たが面白かった。これがあのアーサミラーか!私も長年セールスマンだから身に染みたな。俳優の演技も素晴らしい。
あと、ヒッチコック「ダイヤルMをまわせ」(再鑑賞)、「俺たちに明日はない」(途中挫折)、「シカゴ」(途中挫折)、などあります。
映画よ今夜もありがとう。

