秀子の車掌さん | 昔の日本映画 勉強会

昔の日本映画 勉強会

古い日本映画を知らないので、これから一本一本観て記録してゆこうと思います。その他。

1941年公開 成瀬巳喜男監督

高峰秀子 藤原釜足 出演

「秀子の車掌さん」

 

YouTube で観る。

 

もう何度も観てる。

 

清涼飲料水のように爽やかな作品で大好きになった。

 

最初は高峰秀子さんが目的で観たが

 

 

作品そのものに 惹かれていった。

 

この作品で 成瀬巳喜男 監督 という名前を はじめて知った。

 

こういうユーモア映画大好きだなあ。

 

 

ブラック企業の社長に 「どうせたいした奴じゃないだろう」と言われて

 

「ええたいしたことはないようです」と答える藤原釜足のシーンは

 

何度みても笑える。

 

 

国乱れて忠臣現る

 

なんて ことわざ も この映画で初めて知った。

 

わたしたちが 忠臣なの? 大変ねぇ(笑)

 

と笑う 高峰秀子さん こと お駒さん。

 

昔の人は ことわざ を多用してたのかなあ。。

 

ものは試し 当たって砕けろだわ なんて  

 

会話の中に スッと

 

ことわざを差し込むお駒さん。

 

 

 

この映画 いいところ たくさんありますが

 

高峰秀子主演の 単なるアイドル映画で終わってない

 

ところがまずいい。

 

ラスト 夏川大二郎 と汽車で別れるシーンで 終われば

 

めでたしめでたしで、いいものを

 

そこからの バスのシーンが なんともいい。

 

お駒さんと年のかわらない女学生達が 

 

いかにも青春を謳歌するように、いつまでもバスの中で歌うから 

 

お駒さんは

 

いつまでたっても

 

名所案内が出来ぬ。

 

かといって怒るわけでなく(サービス業のつらいところ)

 

仕方ないわね と 運転手さんと苦笑い。

 

お駒さんの 年齢なら 女子学生 が似合うんでしょうが

 

お駒さんは 働かなくてはいけない身の上です。

 

それは映画の冒頭 お駒さんとお母さんとの会話から想像できる。

 

進学できるほど余裕がある環境ではない。

 

女子学生達が歌う曲の歌詞と 田舎の風景と お駒さんの横顔と。。。  ここ いいですねぇ。

 

働く者の哀愁を感じる。

 

そしてC調なブラック企業の社長が 

 

裏で何をやってるかが 観客にも だんだん わかってくる。

 

「会社のためっていうより わたし自分自身のためにやりたいの」

 

というお駒さんの健気なセリフがここで思いだされます。

 

「わたし もう少し なんとか(工夫)すれば お客さんもっと来ると思うの」

 

ひどい職場環境の中ですが お駒さんのこのセリフだけは 美しいっす。

 

流れ者の運転手園田さん こと藤原釜足さんも言ってます

 

 「俺はバスを愉快に運転するのが身上なんだ」と。

 

結局こうして 日本中のお駒さんと園田さんは 今日もどこかで働いているんですね。

 

 

この映画みると いつも かき氷にソーダ水 入れて シャクシャクしたくなる。

 

やったことないけど。

 

 

 

映画よ

今日もありがとう。