非常線の女 | 昔の日本映画 勉強会

昔の日本映画 勉強会

古い日本映画を知らないので、これから一本一本観て記録してゆこうと思います。その他。

昭和8年 公開  小津安二郎 監督

 

田中絹代 岡譲二 主演 

 

「非常線の女」

 

Youtubeで観る。

 

サイレント映画。

 

 

作品としては あまり面白いとは思わなかった。

 

田中絹代 といえば 初心者の私にとって

 

「お母さん」や「流れる」 「銀座化粧」「黄色いからす」の 田中絹代だったので

 

 

本作に出てくる 若い若い若い 田中絹代は 別人のように感じた。

 

ギャングの女 という 役柄 のせいもあるかも。

 

いつも「日本のお母さん」的な役しか観て来なかったので。。。

お母さんがギャングやってる、という感じ

 

 

 

若い頃の田中絹代さんは

 

黒木華さん に似てる と思った。

 

 

 

本作では 田中絹代 より 水久保澄子 のほうが 女性的 というか 目が惹かれました。

 

水久保澄子さんは 成瀬映画の「君と別れて」しか知らないけど

 

なんだかムードは同じ役だと思ったよ。

 

水久保澄子に比べると田中絹代の顔は 子供みたい。

 

水久保澄子は 弟想いの 静かで マジメな 美人のお姉さん。

 

 

お姉さんが働いていたお店は何屋さんだったんだろう。

 

ああいう商売は今は無いですよね。

 

個室でレコード聴くという店。

 

いいな あんな店。

 

音楽なんて スマホでツルツルやったら いつでも聴ける現代ですが

 

ああやって 出かけて お店に行かないと 聴けない 音楽も いいもんではないかしら。

 

個室 というのがいい。

 

家で、トイレしか 自分の居場所がないお父さん達よ!

 

立ち飲み屋さん で 自分の居場所を 模索するのもいいが

 

個室レコード鑑賞店(?)で 

 

昔のレコードに 針を落とし ため息つくのも いいかも知れませんぞ!

 

作品は つまらなかった と書いたが

 

後半 田中絹代が 好きな男の足にすがり 

 

「こんな境遇じゃなければ 私たち 幸せになれたはずなのにね」

 

みたいなセリフを 昭和枯れススキの如く 泣きながら 吐くシーン

 

あれ観たら 

 

こっちの眼頭まで 熱くなってしまった。

 

人生に「イフ(もしも)」はないのだが、

 

あまりに 健気(けなげ)な 女 田中さんの演技に 

 

ほろり とやられました。

 

疲れてるのかな。

 

昭和8年

 

の映画に出てくる 俳優のセリフに 

 

平成30年

 

に 生きる おいら が共感する。

 

それは 逆にいえば

 

80年以上前に 生きていた人たちが おいらのところにやって来て

 

そだねーそだねー と共感してくれてるようだ。

 

(それは妄想だっちゅーの)

 

映画よ 今夜もありがとう。