人間はいつか必ず死ぬ。
いつ、どのようにして死ぬかはわからない。
明日の今頃には、もうこの世にいない可能性は誰にでもあるのだ。

その事実に真摯に向き合うことだ。

そうすれば、今生きていることに感謝の気持が湧いてくる。
自分の肉体の細胞一つ一つに「ありがとう」という気持ちが湧いてくる。

恐れや不安や怒りや嫉妬や自己憐憫などのネガティブな状態で無駄に生きてはいけないと思えてくる。
強さと穏やかな心の平和、愛、感謝、そういったもので己の心を満たして限りある生を今日この場で楽しまなければ嘘であると思えるようになる。
出会う人々に無条件の感謝の気持ちが湧いてくる。

自分の身に必ず訪れる死と真摯に向き合うことで、生きていることのありがたさと喜びを感じることができる。
二度と戻らない今という時間の貴重さに気づくことができる。

死を恐れることはない。
誰もが必ず通る道だ。
誰でも必ず老い衰え、体の機能が失われていき、最終的に肉体は活動を終える。
それは自然なことで、悲しいことではない。
自然の営みなのだ。

幕末の高名な指導者である吉田松陰は、「人間には皆それぞれの春夏秋冬がある」と言った。

全てのものには必ず終わりがやってくる。
だからこそ、限りのある今を生きていることが愛おしく思えるのだ。

死を忌むべきものとして、見ないように蓋をして生きていれば、生きることの輪郭もぼやけてしまう。
生きる喜びを感じるには、死と親しむことだ。