地上に芽を出す前に収穫される筍を早掘り筍というが、その
筍が店頭を飾り始めた。
もうそろそろだと腰を上げる。
向かう先は、小高い峠やこれに連なる山並みの山麓。
愛媛県は柑橘類の王国だけに、果樹園が広がる。
▼最近は放置農園も多くなった。
そのようなこともあって、至る所に草莽が生い茂る。
あちこちを巡り歩けば嬉しい出会いがあり、インプット。
その一つ。
「蕨(わらび)」。
▼「石激(いわばし)る垂水の上のさわらびの萌え出づる春
になりにけるかも 志貴皇子」の歌題となったのも多くの人
の知るところ。
四国山地の里山に生まれた者にとっては「歌」よりも「食」
の世界でなじみが深い。
▼ほどろ(長けた蕨の葉の枯れたもの)を目印にして蕨狩り
を始めた。
まだ地上に萌え出たばかりの蕨は、先端が子供の握り拳に似
ているのが愛らしい。
持ち帰り灰汁を抜いて炒め物にして食すれば絶品だった。
今日の歩行数歩 3,929 。キロ数にして約 2.7 。