人工呼吸器をつけたALS患者が食事を楽しむことは、社会から見れば特別なことと見なされることが多いです。「特別」「希」「例外」といった言葉がよく使われますが、実際にはこれは誤解です。

適切な手術や食べる工夫、そして、支援体制が整っていれば、ALS患者でも食事を楽しむことは可能です。この事実は、日本神経学会が監修するエビデンスに基づいたALSの診療ガイドラインにも明確に記載されています。

ALS患者にとって食事は単なる栄養摂取だけでなく、日常生活の一部であり、楽しみの一つでもあります。食べることができるという事実は、生活の質を大きく向上させ、精神的、感情的な満足感をもたらします。私自身もその一例です。

写真と動画は、昨日の私の夕食です。PA兼ヘルパーさんが作りました。もちろん、キザミ食ですが、とても美味しく、ペロリと完食しました。メニューは、トンカツ、イカの刺し身、肉じゃが。この他にも、ご飯、味噌汁、茶碗蒸し、そしてバナナがありました。バランスの取れた栄養とともに、1つ1つの味を楽しむことができました。


このように、ALS患者でも食べる環境があれば、毎日毎食、美味しい食事を楽しむことができるのです。この事実をもっと多くの人に知ってもらい、ALS患者の生活の質向上に対する理解と支援が広がることを願っています。
 

 

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ALSになることは選べませんが、このALSとどう向き合うかは選べます。人は誰しも難しい問題に直面することがありますが、その問題にどう立ち向かうかで、その人の人生は大きく変わります。

私は自分の人生を最大限に生きて生活することを選びました。ALSと診断されたからといって、自分の人生を諦める必要はありません。

私の体験が、同じように困難に直面している人たちにとって、少しでも勇気や希望の源になれば幸いです。

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