約20年前、佐賀大学病院で第一号に喉頭全摘術を受けて人工呼吸器をつけた際、手術室で私に麻酔を施してくれ女医さんが、私に会いに来てくれました。これはまるで夢の中で見る光景のようですが、現実の出来事なので驚きました。

実は、この女医さんと妻は友人関係だったのです。女医さんは、途中海外へ行っていましたが、時々我が家へ遊びに来ていたのは知っていました。しかし、女医さんが私の部屋に来ることはありませんでした。恐らく、人工呼吸器をつけて病床に伏せている私の姿を想像し、遠慮していたのでしょう。

しかし、妻が笑いながら私の部屋に入ってきて、「ねぇ、来て来て、見て見て」と、女医さんを私の部屋に招き入れました。この時、私は動物園のパンダになったような気分で、ニッコリ笑顔になり、女医さんと挨拶を交わしました。女医さんは、私の変わり果てた姿を見て、いや、普通の人間に戻った姿を見て驚かれていました。

妻と女医さんの当時の話を聞きながら、私もあの時を思い出し、7時間に及ぶ喉頭全摘術は大変だったと思います。ありがとうございました。と思っていました。

余談ですが、麻酔から覚める前に、こんな夢を見ていました。ハワイのワイキキビーチで美女4人に囲まれてワイワイ話しをしていたのです。ところが、目を開けたら、オヤジ、兄、弟、妻の4人が僕を囲んで話しをしていました。それを見て、慌てて目を閉じ夢の続きを見ようとしましたが、残念ながら見れなかったことを思い出します。

写真は、20年前の私と現在の私、そして、頂いた白イチゴです。

 

 


 

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ALSになることは選べませんが、このALSとどう向き合うかは選べます。人は誰しも難しい問題に直面することがありますが、その問題にどう立ち向かうかで、その人の人生は大きく変わります。

私は自分の人生を最大限に生きて生活することを選びました。ALSと診断されたからといって、自分の人生を諦める必要はありません。

私の体験が、同じように困難に直面している人たちにとって、少しでも勇気や希望の源になれば幸いです。

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