先日、「いつ、どんな時にALSの進行が止まったのか?」という質問を受けました。私はこう回答しました。生活環境を整え、ALSによる心と体のストレスを減らし、他のことに集中していた時に、病気の進行が止まっていました。

ALSによる「体」のストレスは、主に呼吸困難と栄養不足です。私はこれらの問題に対処するために、日々の生活の中で何ができるかを詳細に考えました。

例えば、呼吸の問題に対しては、腹式呼吸を取り入れて呼吸器を装着しても続けると決めました。栄養面では、自ら新たな食事法を見つけて消化しやすく栄養価の高い食事を心掛けました。

「心」のストレスに関しては、話すことができないフラストレーションや動けないことに対するイライラがあります。この精神的なストレスに対処するために、独自のコミュニケーション方法を使用して、周囲の人々とのコミュニケーションを維持することができました。

また、ヘルパーさんたちと信頼関係を築き上げて動けないストレスを解消しました。そして、興味を持てる活動を見つけることで、精神的な充実を図りました。

ほかにも、生活環境のストレス、経済的ストレス、ケアのストレス、人間関係のストレスなど、ALS患者が直面するさまざまなストレスは確かに存在します。私は、これらのストレスを一つ一つ丁寧に減らしていく過程で、多くのことを学びました。

特に重要だったのは、周囲の人々の支援を受け入れることの大切さです。家族やヘルパーさんたち、そして、医療者からの支援は、この困難な時期を乗り越える上で不可欠でした。

今の生活を一つ一つ構築する過程は、全てがゼロから、いや、マイナスからのスタートでした。しかし、その過程で得た知識と経験は、ALSとどう向き合えばよいかを教えてくれました。

そして、何よりも「ストレスを減らすことが大切だ」という確信を深めました。ストレスを管理することで、病気が進行しても、意外と快適な生活を送ることができます。

この投稿で、ALS患者さんやその家族、支援者たちに伝えたいのは、ストレス管理の重要性です。生活環境を整え、心身のストレスを減らすことは、ALS患者がより良い生活を送る上での鍵となると考えています。

 


 

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ALSになることは選べませんが、このALSとどう向き合うかは選べます。人は誰しも難しい問題に直面することがありますが、その問題にどう立ち向かうかで、その人の人生は大きく変わります。

私は自分の人生を最大限に生きて生活することを選びました。ALSと診断されたからといって、自分の人生を諦める必要はありません。

私の体験が、同じように困難に直面している人たちにとって、少しでも勇気や希望の源になれば幸いです。

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