十数年前、ALSを発症された方が家族と共に鹿児島から僕を訪ねてくださいました。その後、再び鹿児島から佐賀県支部総会にも参加し、その場で素晴らしい歌を披露してくださいました。その歌声に深く感動し、僕は号泣したことを鮮明に覚えています。

あれから10年が経過しました。その方の娘さん、裕子さんが佐賀県で作品を展示する前日、僕たちは10年ぶりに再会しました。時を経ても変わらぬ姿に僕は驚き、とても感激しました。

また、裕子さんのお父さんも、人工呼吸器を使用しながらも元気でいらっしゃると聞き、安堵しました。特に心温まるのは、裕子さんから「最初に玄三さんたちに会ったから、今の父がある」と聞いた時、僕の目からは嬉し涙がこぼれました。

そして、裕子さんが初めて佐賀で作品を出店し、妻は裕子さんの作った素敵なコサージュを持ち帰りました。裕子さんの作品は素晴らしく、妻はそれを身につけて大変喜んでいました。

過去と現在が繋がるこの出来事は、人と人との絆の深さを改めて感じさせてくれました。