ALSのマイナスイメージというものは、実際よりも巨大で、ときに恐ろしいものです。

常にALS患者とその家族は、人生の大きな選択を迫られます。たとえば、人工呼吸器を装着するかどうかのような選択です。こうした選択は、患者や家族が呼吸器に対してどのように感じ、どのように考えているかで、その未来が大きく左右されます。

一部の人々は、人工呼吸器をつけると「寝たきりになる」「人生が終わる」「大変な介護が必要になる」「迷惑をかける」とネガティブに捉えることがあります。

僕自身は、そうしたイメージは他者が勝手に作り上げたものだと感じています。何故なら、イメージの持ち方が現実を作り出すからです。ネガティブなイメージを持っていると、そのイメージ通りの未来を作りやすくなる傾向があります。

僕たち夫婦も、呼吸器をつけると大変な介護が必要だと言われたことがありました。でも、僕たちはネガティブに捉えず、これまでの生活を続けることを決意しました。

現在、僕は想像以上の充実した生活を送っています。僕たちの人生は、自分たちがイメージして、行った通りに進むものです。だから、患者や家族、医療従事者全ての人がどういう未来を描くか、それがとても重要だと思います。