それまで、何も考えずに歩いたり、走ったり、泳いだりしていました。
スポーツは得意で、体力には自信がありました。

 遠い昔のことですが、高校の時、水泳は県でナンバーワンだったし、国体にも出場しました。
 
 社会人になってボクシングジムに通い、センスが良いとも言われていました。
発病する前までは、会社経営の傍らボランティアで水泳のコーチをしていました。

 そんな運動好きの僕が、突然原因不明のALSを発病して、足を動かす筋力を失うまでは、足は自然に動くものだったので、当たり前すぎて、何も思いませんでしたが…。

歩けなくなって初めて気づきました!

 歩ける。  動けるって。
とても有り難い事だったんだなぁってね 。

 家の中だって、自由自在に動き回れるんですよ。
また、自分が行こうと思う所へ、いつでも自由に行けるんですよ。

 当たり前すぎて気が付かないでしょう?
これって、僕に言わせると、とても “幸せ” なことですよ。

 僕は歩けなくなって、チョット不便してるけど、失ったものより、残っているものを誰よりも大切にして日々の仕事と生活をしています!

 結構、毎日、充実していますよ。
それが、最善の生き方の知恵だから 。

 “小さな幸せ”を沢山積み重ねると、いつの間にか、それが大きな幸せに変わるって知っていますか?
 “小さな幸せ”は、人生を前進させる、大きなエネルギーを持っている様な気がします。