昨日 妻が珍しい物を持って来ました。
それは ずいぶん前の 僕のノート兼スケジュール帳。
目の前に差し出された時は とても懐かしく思いました。
すでにALSを発症していましたが、まだ ALSの診断がついていなかった頃のノート。
今振り返ると この頃が1番つらく苦しんだ時期でした。
それで そのノートを見てみると 自分で考えたリハビリの方法が 分かりやすく絵で描かれていました。
これを毎日 会社の自分の部屋でやっていた事を思い出します。
この頃 足が突っ張りがひどくなって 1日に何回も転んでいましたね。
また ノートのページをめくってもらうと 握力が落ちた手で 何回も書き方の練習をしていた事が分かります。
下手くそで 弱々しい文字が並んでいました。
この頃 ボールペンが持てなくて 指に輪ゴムを巻き付けて書いていたのです。
このノートは ホントは仕事のスケジュール帳ですが、仕事のことなんか な~んにも書いていません。
たぶん 仕事どころじゃなかったんでしょうね。
とにかく人と会うのがイヤで 電話にも出たくなかった時期でした。
毎日 ALSに苦しめられて 頭が一杯一杯だったって事が分かります。
懐かしくノートを眺めていたら 色んなことを思い出しました。
先の人生なんて 本当に誰も分かりませんね。
まさか こんな充実した未来が用意されていたとは 想像も出来ませんでした。
でも これだけは分かります。
やはり 諦めたらダメですね。
当たり前の事ですが、諦めたら そこで 道が閉ざされてしまいます。
長い間 このALSと関わって来て 素直にそう思います。
ALSになって「失ったもの」は数え切れないくらいありますが、
何1つ「捨てなかった」。
だから 今があるかも知れませんね。