いい質問をいただきました。
いい質問をいただきました。食事の時の姿勢についてです。「玄三さんは、食べる時に首を前に倒したり、後ろに倒したりされていますが、あれは食べ物の形によって変えているのですか?」こういう質問は、とても嬉しいです。なぜなら、食事介助は、ただ口に食べ物を入れる作業ではないからです。その人の体の状態を見ながら、いちばん楽に、いちばん安全に近い形で、食べ物が通る道を一緒に探す時間だからです。先にお伝えしておくと、これはあくまで僕の場合の工夫です。人によって体の状態も、喉の状態も、必要な支援も違います。だから、「この方法が正解です」という話ではありません。ただ、僕が30年以上、テーブルで食べ続けてきた中で身につけてきた、ひとつの工夫として読んでいただけたら嬉しいです。僕の場合、舌が動かなくなっています。さらに舌根沈下があり、舌の奥が常に喉をふさいでいるような状態です。ただ、僕は喉頭全摘術を受けているので、呼吸は別の道で確保されています。呼吸そのものは問題ありません。問題は、食べ物をどうやって喉に通すかです。喉の奥がふさがりやすい状態なので、食べ物が通るための「すき間」を作る必要があります。そこで大事になるのが、姿勢です。前傾姿勢にするのは、舌を重力で少し前に下げて、喉の奥にすき間を作るためです。イメージとしては、閉じかけているカーテンを少し開けて、そこに通り道を作るような感じです。一方で、後傾姿勢にすることもあります。後ろに倒すことで喉の角度が変わり、食べ物が通りやすくなります。これは、食形態だけで決まるものではありません。その日の体調、首や喉の状態、食べ物の硬さ、まとまり具合、そして介助者とのタイミングでも変わります。だから、僕の食事はマニュアル通りにはいきません。「今日は前傾の方が通りやすい」「これは少し後傾の方が楽だ」そんなことを、口文字で会話しながら伝えています。同じ姿勢で長く食べると、僕も疲れます。そして介助する側も疲れます。だから、前傾だけでもない。後傾だけでもない。その時々で姿勢を変えながら、僕も介助者も無理なく、楽しく食事の時間を続けています。ここが、僕にとって大事なところです。食事介助は、介助者が一方的にする作業ではありません。常に口文字で会話をして、角度を少し変えて、食べ物の量を調整して、タイミングを合わせる。まるで二人三脚です。もっと言えば、食事の時間は、僕と介助者が一緒に作る小さなチームプレーです。ALSになると、「食べること」は危険とか、難しいとか、できないこととして語られがちです。もちろん、安全は何より大事です。僕も誰よりも安全を考えています。でも、安全を考えることと、食べる楽しみを諦めることは、同じではありません。どうしたら安全に近づけるか。どうしたら楽に簡単に食べられるか。どうしたら介助する側も疲れすぎずに続けられるか。そこを考えるのが、工夫の面白さです。楽しんでいます。そして、その工夫がうまくいくと、食事の時間に笑いが増えます。僕にとって食事は、会話の時間であり、チームワークの時間であり、生活を楽しむ時間です。前傾も、後傾も、僕にとっては「食べ続けるための技術」です。そしてその技術は、介助者との信頼関係があるから成り立っています。だから僕は思います。呼吸器をつけてテーブルでの食事介助は、ただの介助ではありません。生活を大きく前に進める、とても深いケアです。車椅子で食べる姿勢ひとつにも、理由があります。角度ひとつにも、工夫があります。そしてその工夫の先には、今日もテーブルで美味しいものを食べる笑顔があります。こういう質問をいただくと、僕自身も改めて気づかされます。これからも僕らしく、楽しく、美味しく、食べ続けています。追伸:ALSでも○○続けている。これこそが32年も自分らしい生活を続けられている要因です。YouTube↓↓↓- YouTubeYouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。youtu.be◆自己紹介ALS生活31年の会社経営者です。皆さんからゲンゾウさんと呼ばれています。ALS患者の在宅の楽しさや、困らない生き方など書いています。書籍は下のURLをクリック。フォロー、お待ちしています!https://books.rakuten.co.jp/search?g=101&maker=%E4%B8%ADALS患者の呼吸器は生きるか死ぬかじゃない。呼吸器で「自分らしさ」を守る話。%E9%87%8E%E7%8E%84%E4%B8%89&x=33&y=5◆ALS生活約31年! 中野玄三のYoutube情報チャンネルALS生活約31年! 中野玄三のYoutube情報チャンネルALS患者。ALS生活31年の経験を持つ会社経営者です。 皆さんからゲンゾウさんと呼ばれています。 ALS患者の在宅生活の楽しさや ALSでも困らない生き方について書いています。 フォロー、お待ちしています! もし大切な人がALSになったら、この乗り越え方を教えます。ALS患者の様々な問題の解決方法については、僕の体験を通して電子書籍に書いています。 電子書…www.youtube.com