東京から若いALS患者さんのご家族が、我が家に二泊三日で
7年前、東京に住むあすかさんから一通のメッセージが届きました。まだ、ご主人がALSと診断されたばかりの頃です。そのメッセージには、僕の本を読んで、「私たち夫婦は、食べ続け生活者としてALSと共に生きていくぞ!と心に決めました」と書かれていました。ご主人は当時36歳。4歳と1歳の小さな娘さんがおられて、「なんとしても二人の門出までは生きてほしいし、生きたい」という強い願いも綴られていました。ALSと診断された直後は、きっと不安でいっぱいだったと思います。先の見えない毎日の中で、普通なら気持ちが沈んでしまってもおかしくない。それでも、ご夫婦は病気の先入観に飲み込まれず、どう生きるか、どう家族を守るかに目を向けられました。あのときの言葉は、ただの願いではなく、未来を自分たちの手でつかみにいこうとする“決意”だったのだと思います。そして今回、根岸さん、あすかさん、そして二人のお子さんたちに再会して、僕は本当にうれしくなりました。なぜなら、あのときの決意を、ご家族が見事に現実のものにされていたからです。1年前、呼吸器をつけるときに、根岸さんは食べ続けるための手術を選び、今もしっかり食べ続けている。仕事も続け、家族を守っている。道具ゼロの会話法、エアーフリックで、あすかさんやヘルパーさんと会話している。場面に応じて、呼吸器をいつでも外せるように自発呼吸の練習も続けている。180センチを超える大きな体でも、ベッドから車椅子、車椅子からベッドへの移乗がとてもスムーズ。そして何より、根岸さんも、あすかさんも、子どもたちも、本当によく笑うこと。この「よく笑う」ということが、僕にはとても大きく見えました。ALSになると、多くの人がまず病気そのものに意識を奪われます。できなくなること、失うこと、不安なこと。もちろん、それは現実です。でも、このご家族は、そこに飲み込まれず、「どうすれば生活を続けられるか」「どうすれば家族で笑って過ごせるか」という問いを持ち続けてきたのだと思います。根岸さんは元ラグビー選手。あすかさんは元バドミントン選手。お二人とも前向きで、芯が強い。けれど、その強さは、気合いや根性だけではないと僕は思います。現実を直視して、先入観に流されず、必要な工夫を一つずつ形にしてきた強さです。家族で役割を分け、支える人とも力を合わせ、毎日の暮らしを組み立ててきた強さです。僕は、7年前にあすかさんから届いた最初のメッセージを、あらためて読み返していました。そこには、「食べ続け生活者としてALSと共に生きていくぞ!と心に決めました」と書かれていました。あの言葉を見たときのことを、今も覚えています。まだ診断されたばかりで、不安も大きかったはずです。小さなお子さんもいて、これから先のことを考えたら、胸が押しつぶされそうになる場面もあったはずです。それでも、ご夫婦は「何を失うか」ではなく、「どう生きるか」に目を向けた。そして、その決意を、ただの気持ちで終わらせず、実際の生活の中で一つずつ実現してこられたのです。これは本当にすごいことです。ALSは、何もしなくても進んでいきます。だからこそ、生活を守るには、先手先手の工夫が要ります。食べること、話すこと、呼吸すること、動くこと、働くこと、家族で過ごすこと。その一つ一つに、「まだできる形」を探し続ける必要があります。根岸さんご夫妻は、その大切さを、自分たちの生き方で見事に証明してくれました。僕はいつも思います。病気が進行することと、人生が後退することは、同じではありません。体は不自由になっても、工夫と支え合いがあれば、暮らしは作れる。笑顔も守れる。家族の時間も、未来への希望も、ちゃんと積み重ねていける。このご家族を見ていると、そのことがよくわかります。ALSになると、つい「もう前のようには生きられない」と思ってしまいがちです。でも本当に大事なのは、「前と同じ」かどうかではなく、「これからどんな生活を作るか」なのだと思います。根岸さんご夫妻は、その答えを、言葉ではなく毎日の姿で見せてくれています。明るくて、たくましくて、あたたかいご家族。僕は、こういう家族に会うたびに、ALSの先入観を壊す力は、医学の言葉だけではなく、実際に生きている人の姿の中にあるのだと感じます。これから先も、根岸さんご家族らしく、食べて、仕事をして、笑って、会話して、工夫してほしい。子どもたちの成長を見守りながら、「ALSでもここまで暮らせるんだ」と、これからも多くの人に希望を届けてくれる気がしています。追伸:呼吸器をつけても暮らしが壊れなかった、本当の理由YouTube↓↓↓- YouTubeYouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。youtu.be◆自己紹介ALS生活31年の会社経営者です。皆さんからゲンゾウさんと呼ばれています。ALS患者の在宅の楽しさや、困らない生き方など書いています。書籍は下のURLをクリック。フォロー、お待ちしています!https://books.rakuten.co.jp/search?g=101&maker=%E4%B8%ADALS患者の呼吸器は生きるか死ぬかじゃない。呼吸器で「自分らしさ」を守る話。%E9%87%8E%E7%8E%84%E4%B8%89&x=33&y=5◆ALS生活約31年! 中野玄三のYoutube情報チャンネルALS生活約31年! 中野玄三のYoutube情報チャンネルALS患者。ALS生活31年の経験を持つ会社経営者です。 皆さんからゲンゾウさんと呼ばれています。 ALS患者の在宅生活の楽しさや ALSでも困らない生き方について書いています。 フォロー、お待ちしています! もし大切な人がALSになったら、この乗り越え方を教えます。ALS患者の様々な問題の解決方法については、僕の体験を通して電子書籍に書いています。 電子書…www.youtube.com