マリーゴールドの6・23新木場1stRING大会。

初代ユナイテッド・ナショナル王座決定トーナメント1回戦王座戦リマッチとして、

メインイベントではMIRAIと青野未来による2度目の一騎打ちが組まれた。

 

6・16名古屋大会の1回戦で15分時間切れのドロー。

5分間の延長戦も時間切れで決着つかず。

 

その再戦として組まれたものの、

結果的に今回も決着には至らなかった。

 

 

ここまでくると、すでにライバル闘争と言えるのかもしれない。

 

その前のセミファイナルでサプライズというかトピックがあった。

Sareee&野崎渚&マイラ・グレースvs林下詩美&翔月なつみ&CHIAKIの6人タッグ戦。

Sareeeと詩美が激しく火花を散らす。

結果は、ダイビングフットスタンプでSareeeがCHIAKIから貫禄勝利。

 

その後、本部席で試合を観戦していたジュリアを挑発する。

 

「ジュリア、おい見てたか?

オマエ、悔しいだろ!

おい、両国、待ってるぞオマエのこと。

しっかり万全の状態で出て来いよ!」

 

 

ジュリアが席を立って、エプロンでマイクを握る。

 

「悔しいに決まってんじゃん!

なんで怪我したんだろ。

あの日から考えない日なんて1日もないよ。

復帰できるか万全の状態で…わかんないよ、そんなの。

わかんねえけど、私は当日まで絶対あきらめねぇーよ!

オマエと試合するまで絶対絶対あきらめねぇーんだよ」

 

ジュリアが泣いていた。

ポロポロと涙が流れている。

観客の前で、ここまであからさまに涙を見せたのは初めてのこと。

 

 

「テメェ―、泣いてんじゃねぇーよ!」とSareeeがビンタ。

 

「ああ、でも泣きたくなるよ。

もう1発くれ。もう1発だ!」

 

闘魂注入のごとく、さらにSareeeがビンタ2連発。

これでジュリアの涙が止まった。

 

尋常ではない光景だった。

7・13両国を煽るパフォ―マンスにも見えない。

 

『5☆STAR GP』に初優勝したときだって、

朱里から赤いベルトを初奪取したときだって、

ジュリアはあからさまな涙は見せなかった。

 

凄まじいばかりの葛藤に苛まれているのだ。

自己判断だけなら、何があろうともジュリアは両国に上がるだろう。

ただし、いまはそういう時代ではない。

 

右橈骨骨折を負ったのは5月20日で、

オペを受けたのは28日のこと。

以来、つづけてきたリハビリ。

 

はたして、2カ月弱でリングに上がれるのか?

骨折した箇所はプレートで固定されている。

痛み止めを打ってリングに上がる云々という次元の話ではない。

 

最後に判断をくだすのは、担当医であり団体サイドとなる。

団体には、選手を守る義務があるからだ。

 

両国大会まで徐々に時間も迫ってきている。

苛立ちと葛藤…ジュリアの素の感情が爆発した結果なのだろう。

 

そして、メインイベントへ。

両選手ともコーナーに立って覚悟の表情で視線をぶつけ合う。

 

 

  

 

 

先に仕掛けたのは青野。

MIRAIの左腕を徹底して狙う。

MIRAIは左のエルボーを得意にしているし、

ラリアットは両腕で打てる器用さも持っているからだ。

 

 

途中からは得意の蹴りで左足に狙いを変えて攻め立てる。

あらゆるバージジョンを駆使して足攻めへ。

 

前半押されまくっていたMIRAIも同じく足殺しで返す。

サブミッションの攻防ならMIRAIの得意とするところ。

 

 

自分の足を梃子にしてヒザ固め。

サンボ流のテクで執拗に絞め上げタップを迫る。

意地でもギブアップしない青野がロープエスケープ。

 

 

後半ラッシュを掛けたMIRAIが強烈なラリアットを炸裂。

だが、ここで15分時間切れのゴングが鳴った。

 

 

前回同様に、5分間の延長戦へ突入。

互いに馬乗りになってエルボーを打ちこんでいく。

攻守が入れ替わりながら場外に転落する。

 

 

場外でラリアットの相打ち。

リングに戻って、こんどは青野がラリアット一閃。

MIRAIがキックアウトし、互いにもつれ合う。

 

ここで、5分時間切れのゴングが鳴った。

またしても決着つかず。

 

それにしても噛み合う。

パワー、打撃、サブミッションと

一歩も退かない両選手。

 

20分、全力疾走してもまだスタミナに余裕がある。

元スターダムと元アクトレスガールズの間に起こった化学反応。

マリーゴールドが生んだ最初のライバル関係といっていいだろう。

 

 

 

 

再々戦は、6・29仙台大会で行なわれる。

あくまでルール通りに15分1本勝負。

決着がつかなければ、5分間の延長試合。

 

ロッシー小川代表は、そのルールを変えないと言う。

 

すでにボジラが勝ち上がっているが、

「両国での3WAYなどは考えていない。

その前に2人で決着をつけさせます!」とも言った。

 

MIRAIvs青野未来の絡みは、かなりヤバイ!

3度目の正直、決着はつくのだろうか……?