大変遅くなってしまったのだ。

まず、新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトが

けっこう長期間メンテナンスによりお休みしていたこと。

 

もうひとつは、メンテナンス明けにすぐにアップされたにも関わらず、

ワタクシ金沢がひさしぶりに風邪をひいて寝込んでしまっていたこと。

 

その二つの理由から、5・3&4『レスリングどんたく』

福岡2連戦に関するスマホサイト総括のお知らせが今になってしまった。

 

もう、スーパージュニアが始まってしまったのに……。

だけど、まあ試合レポートをしているわけではないから、

あくまでよみものとして読んでもらえばいいと思う。

 

初日のメインイベントはIWGP GLOBALヘビー級選手権。

ニック・ネメスvs棚橋弘至の夢カード。

こちらは王者であるネメスからの指名試合となる。

 

周知の通り、世界最大の組織WWEに17年以上も在籍し、

すべてのベルトを巻いてグランドスラマーとなったのがドルフ・ジグラー。

 

WWE退団後、ニック・ネメスに名前を戻し、

新日本マットで第二のプロレス人生をスタートするにあたり、

IWGP GLOBAL王座を奪取し、さらに憧れの棚橋を挑戦者として指名した。

 

これがもう、ガチガチのクリーンなレスリングに終始する。

クリーンなのに、なぜガチガチと書いたかといえば、

アマチュアレスリングの実力者であったネメスの

隙のない、厳しい攻めがそうとうにハードであったから。

 

バックの取り合いを制すると、

あらゆる体勢から切り崩して棚橋をグランンドへ誘い込む。

そして、棚橋の弱点である左ヒザをしつように攻め立てる。

 

アントニオ猪木や永田裕志が得意とする変型腕固めの要領で、

左足を極めて捻じり上げていく変型ヒールホールドも公開。

 

驚くほどの引き出しの多さに驚かされた。

グランンドでは不利とみた棚橋がスタンドで立体攻撃へ。

スリングブレイド、ハイフライアタック、ハイフライフローとラッシュ。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

しかし、それを両膝で受け止めたネメスは、

デンジャーゾーン2連発で棚橋を仕留めた。

 

この1ヵ月弱、社長業をこなしながらも猛トレーニングを積んできた棚橋。

体も近年になく仕上がっていたし、コンディションも悪くはなかった。

 

それでも、やはりこれが現実。

すこし寂しいけれど、現実を見せつけれた。

本当にネメスは強かった。

ただし、ネメスも棚橋から何かを学んだはず。

 

バトンは棚橋→ネメスへと受け継がれた。

そういう思いを強くさせられるような試合であった。

 

2日目の後半3試合はどれも白熱した。

まず、鷹木信悟vsゲイブ・キッドのNEVER無差別級選手権。

 

プロレスのセオリーもサイコロジーも存在しない闘い。

ひたすら打ち合う、打撃合戦が延々と繰り広げられる。

 

チョップにはチョップ、エルボーにはエルボー。

ラリアットにはラリアット、パンチにはパンチ。

 

しかも意地を張り、思いっきりやせ我慢して倒れない。

たとえダウンを喫してもすぐに起き上がって戦闘体勢へ。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

これって、プロレスなの……?

 

だけど、かの力道山は言った。

 

「プロレスの原点は喧嘩なんだ」

 

ならば、プロレスなのか。

現代喧嘩プロレスって感じなのか?

 

ともかく両者とも力尽き、精根尽き果てる寸前に、

ラスト・オブ・ザ・ドラゴンが決まって鷹木が王座防衛。

 

大暴れして大玉砕のゲイブもアッパレだった。

 

セミファイナルでは因縁のIWGP GLOBALヘビー級選手権が急きょ実現。

前日、棚橋戦の余韻に浸るネメスをデビッド・フィンレーが急襲。

怒り心頭のネメスが4日のカード変更、フィンレーとのタイトルマッチをぶち上げた。

 

フィンレーにとっては、2・24札幌のリベンジマッチ。

ネメスにとっては2連勝でフィンレーを追い払いたいところ。

 

前日のクリーンファイトとは180度打って変わり、

自ら場外戦も仕掛けていくネメス。

格下のフィンレーに対する怒りはそうとう強いように感じる。

 

たしかにネメスと比較すれば、実績でもキャリア面で格下のフィンレー。

それでいながら、ラフに仕掛けるなかにも冷静さ冷酷さが垣間見える。

また、ブレーンバスターと見せかけておいて

リングの半分以上もネメスを放り投げるという圧巻のパワーも披露。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

やはり、天性のプロレスラー。

三世レスラーであるデビッドのポテンシャルは計り知れない。

それに、スピード、大技、切り返し、インサイドワークと、

もしかしたらオヤジのデーブ・フィンレーをすでに超えているかもしれない。

 

正直、最後は意外な結末だった。

デンジャーゾーンを完封したフィンレーが

オーバーキルでネメスから堂々と3カウントを奪取。

 

ベルト奪還に成功したのだ。

BC WAR DOGSリーダーの座は揺るがず。

 

一方、2日間で味わった天国と地獄。

敗れたネメスはいったいどこへ向かうのだろうか?

 

メインイベントは、IWGP世界ヘビー級選手権。

新王者のジョン・モクスリーに喧嘩を売って、

挑戦権をゲットしたのは成田蓮である。

 

もちろん、成田にとっては同ベルト初挑戦。

 

まあ、予想通りというか、H.O.Tのメンバーがすぐに介入。

それを阻止しようとした海野翔太を手錠で後ろ手に縛り上げてしまった。

 

予想通りの乱激戦。

レフェリー不在となると、金丸&SHOが介入する。

そこで痺れを切らし乱入してきたのが放送席のエル・デスペラード。

昨年、モクスリーとハードコアマッチ(ノーDQマッチ)で闘った間柄。

モクスリーへのリスペクトが助っ人行為となったのだろう。

 

ただし、金丸&SHOを追い出したところで、

会場が暗転するなか、こんどはEVIL&東郷が登場。

しかし、ようやくカムバックした海野が2人を蹴散らした。

 

最後は、高角度デスライダーを決めてモクスリーがⅤ2に成功。

 

こう書いていくと、またも介入・乱入のオンパレード。

こんな試合に見どころなどないだろうと思われてしまうかもしれない。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

ただし、大いに収穫はあった。

成田蓮がじつに逞しくなっていたのだ。

体が分厚くなって、パワーが付いたことにより、

モクスリーに対しても力負け、体力負けしていなかった。

 

終盤、ジャーマンスープレックスホールド、

ブルザードスープレックスホールドを鮮やかに決めるなど、

かつてのストロングスタイルの片鱗もしっかりと見せつけている。

 

そのシーンで館内がもっとも盛り上がったことを、

成田には頭に入れておいてほしいし、今後に生かしてほしい。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

試合後、ベルトを掲げたモクスリーに向かって

次期挑戦者の海野が握手の手を差し出したがモクスリーは拒否。

 

苛烈な師弟関係を示唆するシーンでもあった。

そして5・11オンタリオ大会の師弟対決へ。

 

34分を超える大激闘を制したのは、師匠のモクスリーだった。

 

というわけで、スマホサイトも復旧したので

超遅ればせながら『レスリングどんたく』2連戦の総括を読んでね。

 

ちなみに、その2日後の『オールトゥギャザー』総括も

近々アップされると思うので、また紹介しまーす。

 

無法集団H.O.Tに所属していながら、成田の腕は鈍っていない」

『レスリングどんたく』2連戦を大総括!

モクスリーと海野は慣れ合いなしの“師弟対決”へ!

【“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信】 | 新日本プロレスリング株式会社 (njpw.co.jp)