昨年11月あたりから、ジュリアの周辺が
俄然騒がしくなってきた。
WWEからのオファーを受けて、2024年度のスターダムとの
契約切れを待ってWWE入団へと動くのではないか?
一部海外メディアがそう報じたことで、
ネットはその話題で持ち切りとなっていた。
また、同時期に新日本プロレスの大黒柱である
オカダ・カズチカにもオファーがあったという報道も流れた。
まあ、真偽のほどはわからないのだが、
昨年夏あたりから世界へ向け急速に名前を売ってきたジュリアであれば、
そういう報道があってもなんら不思議ではないだろう。
いまのジュリアであれば、NXTを飛び超えてメインロースター
まで一気に昇格するような内容のオファーではないか?
いやいや、ジュリアは契約の縛りがもっと緩いとされる
AEWを選択するのではないか?
そんな声まで飛び交いはじめている。
そういったタイミングで迎えた闘いはじめの1・3横浜武道館大会。
テクラ&桜井まいと保持してきたアーティスト・オブ・スターダム王座から転落。
4日、東京ドームシティホール大会では、
DDM(ドンナ・デル・モンド)の解散宣言。
アーティストに関してはゴッズアイ(朱里&MIRAI&壮麗)に勢いがあったし、
舞華が頂点の赤いベルトを巻いた時点で、DDM解散は自然の流れでもあったろう。
だからあくまで結果論なのだが、やはりネット民はざわつきはじめる。
とはいえ、私はⅩ(旧ツイッター)というものをまったく見ないので、
どれぐらいザワついているのか正直まったく知らない(苦笑)。
すまん! 黙っていても周囲からいろいろな声が入ってくるもので。
ちなみに、当人のジュリアはなにも言っていない。
そういったなかで迎えたジュリアによるSTRONG女子王座8度目の防衛戦。
13日(現地時間)、米国カリフォルニア州のサンノゼ大会で行なわれた。
内容、結果ともに大いに注目されたSTRONG女子選手権。
挑戦者は、現在ROHを主戦場とするトリッシュ・アドラ。
10・28ラスベガス大会でハイアン相手に5度目の防衛に成功した
ジュリアにバックヤードで直接挑戦を迫り、
12・29両国ではメーガン・ベインを破りⅤ7を達成した王者に、
ビデオメッセージで再度挑戦をぶち上げている。
ちなみに、昨年7月に米国遠征中だった林下詩美とROHの
TV収録マッチで対戦した際にはトリッシュが敗れている。
■写真提供/新日本プロレス
タイトルマッチは第5試合に組まれた。
ROHでユニットを組んでいるThe infantryのメンバーと入場してきたトリッシュ。
一方のジュリアは、いつものスターダムヴァージョンのVTR&入場曲で登場。
すでに絶対王者と呼称されているだけに貫禄さえ垣間見える。
ゴングが鳴ると互いに握手を求めておいて、
仕掛け合うという駆け引きから視察戦へ。
■写真提供/新日本プロレス
やはり、トリッシュはでかい。
見た目から推測すると、170㎝、80㎏ぐらいだろうか?
昨年末、ジュリアは規格外のメーガンとシングル2連戦を行なった。
181㎝、88㎏という超タフウーマンだ。
均整のとれたアスリートボディから鋼鉄女という感じにも見えるのだが、
実際のメーガンはアマチュアレスリング出身で基本に忠実な選手でもある。
そのメーガンと比べると、腰が重くスピードもあるのがトリッシュ。
メーガンを体感しているのだから、体格差など気にならない……
そう簡単に判断できないのがプロレスの難しさでもあるのだろう。
トリッシュの肉体は、中身がぎっしりと詰まっているように映る。
しかも、密着して執拗なアームロックから仕掛けてきた。
これなどは、ジュリアのお株を奪う攻撃だろう。
■写真提供/新日本プロレス
ジュリアがスピーディーに蜘蛛の巣を決めると、
その体勢のままコウモリ吊り固めに切り返すパワー&テクも披露した。
さらに、ブラックホールスラムからバックブリーカー。
エルボー合戦でもトリッシュが押している。
ジュリアが巧妙にグラウンドに持ち込んでSTFに入ったものの、
すぐにロープエスケープ。
投げっぱなしジャーマンスープッレクスの応酬に、
ジャーマンvsバックドロップの投げ合い。
開始から10分、挑戦者のペース。
トリッシュの攻撃は止まらない。
さらに、ババボムからキャトルミューティレ―ションへ。
これは決まる前にジュリアがポイントをずらしてエスケープ。
■写真提供/新日本プロレス
この後の場外戦で、流れが変わった。
硬い場外マット目がけてトリッシュがオクラホマスタンピード。
対するジュリアは腰の重いトリッシュを
鉄柵に叩きつけてから、場外ブレーンバスター。
■写真提供/新日本プロレス
さらにトップロープへ上がったジュリアをトリッシュが捉えるが、
上手く体制を入れ替えて得意の雪崩式ダブルアームスープレックス。
これが完璧に決まったもののバイシクルキックで反撃するトリッシュに対し、
イタリアンフックを入れてから切札ノーザンライトボムで決着。
■写真提供/新日本プロレス
メーガンに匹敵するようなタフウーマンを、
最後はしっかりと仕留めている。
今回もふくめて過去3度の米国遠征、STRONG女子選手権において、
もっとも手応えのある相手であり、タフマッチとなったのではないだろうか?
■写真提供/新日本プロレス
闘い終えて、ノーサイド。
初めて憧れの新日本マットに上がったトリッシュは感無量の面持ち。
バックヤードで笑顔を覗かせたジュリアは、
英語も交じえながらのコメント。
「この試合前、トリッシュは『私は世界でイチバン強い!』って。
でも、『私こそが、世界でイチバン強い』んだよ。
私は、このベルトとともに最強という山頂に居続けてやるよ。
アリベデルチ! シー・ユー!!」
■写真提供/新日本プロレス
キャリア7年目にして、絶頂期を迎えようかというジュリア。
波瀾万丈の半生、その佇まい、お騒がせぶり……
アントニオ猪木にもっともよく似ているオンナは、
この先どういう道を進んで行くのか?
日本でも世界へ向けても、
やるべきことはまだまだ山のようにありそうだ。