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不定期連載『‟GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』が、

昨日更新されている。

 

今回は、9・24神戸ワールド記念ホール大会の総括。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

真夏の祭典『G1 CLIMAX 33』の結果を踏まえ、

10・9両国国技館大会の前哨戦の意味合いを込めた

大会でありながら、神戸ワールド記念ホールは大爆発。

 

今さらながら、そして毎度のことながら、

新日本プロレスの底力を思い知らされた感じ。

 

まず、第6試合のタイチvsSHOによる

『KOPW2023』争奪戦でハプニング勃発。

 

王者タイチ提案による『時間無制限セコンド手錠拘束マッチ』

という異例の試合ルールで行なわれたKOPW戦。

 

セコンドのSANADAとEVIL、TAKAとディック東郷、

DOUKIと裕二郎が手錠で結ばれてリング下に待機する。

 

つまり、HOUSE OF TORTURE(H.O.T)お得意の

介入・乱入を阻止するための最良手段だった。

 

それが功を奏して、やはりヘビー級のタイチが押しまくる。

ところが、場外からあらゆる手段を使い介入するH.O.T。

レフェリーが場外ダウンする間にSHOが鉄パイプを振りかざした。

 

そこへ、タイチ救出のため駆け込んできたのが

今シリーズ欠場中の金丸義信だった。

 

鉄パイプを取り上げてウィスキー瓶を持ち出す。

それを口に含むと、なんとタイチの顔へと噴射。

さらにウィスキー瓶で殴りつけ、Tシャツを脱ぎ去った。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

Just5GuysのTシャツの下には、H.O.Tシャツを着用。

そのままタイチにタッチアウトを見舞い、

SHOがトドメのショックアローでベルトを強奪してしまった。

 

まったくノーマークだった金丸の裏切り行為。

それだけに場内騒然、タイチらは大ダメージの大ショック。

 

ただし、いま思えばこれが金丸義信の生きかたなのだろう。

全日本→ノア→全日本→ノア→鈴木軍入り→新日本マット

→Just5Guys→H.O.Tとレスラー人生を歩んできた男。

 

職人レスラー金丸は、いつどこへ動こうとも、

なぜかファンの支持を受けてきた。

それはもう、たしかな実力を持っているからだろう。

 

ダブルクロスだらけのレスラー人生。

それも味があるよあ、と個人的には思ってしまう。

 

                    ■写真提供/新日本プロレス

 

セミファイナルのスペシャルシングルマッチ、

内藤哲也vsジェフ・コブは単なるスペシャルマッチにあらず。

 

『G1』公式戦で内藤に快勝しているコブが、

優勝インタビューを受ける内藤に対戦を迫り実現したもの。

 

この一戦を前に内藤はコブ戦に1・4東京ドームでのメインイベント、

IWGP世界ヘビー級選手権への挑戦権を懸けると宣言した。

 

内藤にとってはデメリットだけ、

コブにはメリットしかない。

 

それを会社サイドが認めたことにより、

正式にIWGP世界ヘビー級王座挑戦権を懸ける一戦となった。

 

動けるデブ(失礼!)であるコブは内藤ムーブを完コピしたり、

いつも以上の気合でスープレックスパーティー全開の闘いっぷり。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

それでも内藤は無尽蔵のスタミナと切り返し技で応酬し、

切札ツアー・オブ・ジ・アイランドをデスティーノで切り返し、

最後は正調デスティーノをズバリと決めてみせた。

 

「けんりしょう」と自筆で書いたトートバッグに

お手製の権利証を入れて試合に臨んだ内藤。

 

そして、いつも通りに目いっぱいの試合。

 

「いま、この瞬間は二度と戻らない。

いまを目いっぱい楽しみたい!」

 

『G1』優勝後にそう宣言した内藤にとっては、

1・4東京ドームと同様に神戸大会も重要な大会。

 

神戸のファンに内藤哲也を見せつける――

その意気込みとレスラー内藤の生きざまが垣間見えた。

 

メインイベントは、IWGP US(UK)ヘビー級選手権。

ウィル・オスプレイvs辻陽太の一騎打ち。

 

『G1』最終戦(8・13両国)で8人タッグ戦ながら

オスプレイからピンフォール勝ちを奪った辻が、

挑戦権を獲得して実現したタイトルマッチ。

 

辻にとっては、凱旋マッチとなった6・4大阪城での

IWGP世界ヘビー級王座挑戦以来、2度目の大舞台。

 

それにしても今年下半期のオスプレイの実績は凄まじいばかり。

 

6・24カナダ『禁断の扉』でケニー・オメガからUSベルト奪取。

『G1』公式戦(7・27大田区)でオカダ・カズチカに完勝。

『G1』準決勝(8・12両国)では内藤に敗れたものの、

強烈な打撃によって内藤の記憶を吹っ飛ばしてみせた。

 

さらに、8・27AEW英国ロンドン大会では8万人の大観衆の前で、

クリス・ジェリコを破り故郷に錦を飾った。

 

また、9・17ノア後楽園ホールの

『丸藤正道デビュー25周年大会』に参戦し、

丸藤との天才対決も制している。

 

自他ともに認める世界ナンバー1レスラー。

もはやそこに関して疑う余地はないかもしれない。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

そのオスプレイをヤングライオン時代から見つづけてきた辻は、

「ベルトじゃなくて、強いオスプレイのクビが欲しい」と言いきった。

 

果たして、辻はどこまで食い下がれるのか?

いやいや、食い下がるどころのレベルではなかった。

 

試合前から太々しい笑みを浮かべ位負けしないどころか、

英国流レスリングでもルチャを織り交ぜた立体攻撃でも互角に渡り合う。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

凱旋マッチでファンのドギモを抜いたフォスベリーフロップ

(ブエロ・デ・アギラ)も完璧に決めてみせた。

 

オスプレイを相手に空中戦でも引けをとらないのだ。

 

後半、オスプレイの打撃に押されかけても意地のカムバック。

掟破りのストームブレイカーからジーンブラスターを決め、

「あわやベルト移動か!?」というシーンまで作りだしている。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

辻オリジナルの荒っぽいストンピング、

記憶飛ばしのヒドゥンブレードが交錯するなか、

最後はストームブレイカーがパーフェクトに決まった。

 

27分51秒の大熱闘。

予想をはるかに超えた大勝負。

 

オスプレイは世界ナンバー1の実力を見せつけた。

もはや、現代プロレスを超えたところまで来ているような気がする。

彼のレスリングは、‟超現代プロレス”といってもいいだろう。

 

一方の辻は、また底知れないポテンシャルを披露した。

オスプレイを相手にここまで闘える選手はそうそういない。

 

辻陽太。

間違いなく、新日本に未来を担う男だろう。

 

              ■写真提供/新日本プロレス

 

というわけで、今回は総括のダイジェスト版のように記してしまった(笑)。

ぜひ、本編を読んでみてくださいね!

 

「ウィル・オスプレイが提示する“超現代プロレス”の世界と、

“新日本の未来を担う男”辻陽太!」金丸のダブルクロス人生にも言及!!

 9.24神戸を大総括!!【“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信】 

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