新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトにて、
6・4大阪城ホール大会(DOMINION)の総括が、
昨日よりアップされているのだ。
7大タイトルマッチが開催された春の大一番だが、
今回総括したのは内容の素晴らしかった後半3試合。
とにかく大会最大のインパクトを放ったのは、
これが凱旋マッチとなる辻陽太のこの一撃だろう。
■写真提供/新日本プロレス
堂々たるヘビー級の肉体が宙に舞う
鮮やかなブエロ・デ・アギラ。
ミステル・アギラが開発した高度な空中殺法だが、
ブエロ=飛翔、アギラ=鷲という意味。
ということは、ブエロ・デ・ヨウタで決まり!
さて、第7試合のIWGPジュニアヘビー級選手権からおさらい。
昨年までスーパージュニア3連覇、現王者の高橋ヒロムに挑んだのは、
今年のスーパージュニアでみごとに初優勝を成し遂げたマスター・ワト。
コロナ禍の無観客試合に凱旋してから3年弱、
苦難の連続でジュニア戦線のなかにあり埋もれかけていたワト。
しかしながら、今回のスーパージュニアで覚醒した感があり。
■写真提供/新日本プロレス
目標としているヒロムに真っ向勝負で挑んでいった。
対する王者の闘い方もいつもの防衛戦とはひと味違った。
ここ最近のヒロムは相手の攻撃をすべて受けきったうえで、
最後の最後に必勝パターンで王座防衛というパターンが多い。
ところが、ワトを相手に序盤から攻めまくった。
その結果、世代闘争、師弟対決は白熱の展開へ。
戦前、「新時代の扉を開く」と宣言していたワトは
得意の通天閣ジャーマンを繰り出し王者を追い込んだ。
最後は、ヒロムのTIME BOMBⅡに敗れたものの、
たしかに、新日ジュニアの新しい扉を開く好勝負だった。
セミファイナルのNEVER無差別級6人タッグ選手権は、
世界標準の男たちがリングで躍動した。
■写真提供/新日本プロレス
オカダ・カズチカ&棚橋弘至&石井智宏の王者トリオに挑んだのが、
ジョン・モクスリー&クラウディオ・カスタニョーリ&海野翔太。
リング上は新日本スーパースターズvsAEWスーパースターズの様相。
いや、新日本スーパースターズvs元WWEスーパースターズといった趣きか。
これが新日本マット初参戦となるカスタニョーリはさすがの実力者。
セザーロとして約10年にわたりWWEの最前線で活躍し、
中邑真輔とスマックダウン・タッグ王座にも就いていた男である。
このメンバーのなかで位負けすることなく
堂々と挑んでいった海野もよかった。
さらに、因縁のモクスリー相手に一歩も退かず殴り合い、
巨体のカスタニョーリをブレーンバスターで投げ切った石井もさすが。
石井のバイオレンスがひさびさに爆発した格好でもあった。
最後は、1対1の局面から海野をレインメーカーで仕留めたオカダ。
そこへ、場内ビジョンを通して、あの男が宣戦布告した。
■写真提供/新日本プロレス
新日本の旧ロス道場出身にして元WWEの超スーパースターである
ブライアン・ダニエルソンだった。
これにて、6・26カナダ・トロント大会(禁断の扉)にて、
オカダvsダニエルソンのドリームカードが正式決定。
新日本vsAEWの対抗戦は世界へと飛び火していく。
メインは、SANADAvs辻陽太のIWGP世界ヘビー級選手権。
海外修行からの凱旋マッチでIWGP(世界)に挑戦するのは史上初となる。
過去の最速挑戦者は、1995年の1・4東京ドームに凱旋し、
新春シリーズの最終戦となる2・4札幌中島体育センター大会で
時のIWGP王者・橋本真也に挑戦した天山広吉。
二番目が、2012年の1・4東京ドームに凱旋して、
2・12大阪府立体育会館で棚橋弘至に挑戦しベルト奪取。
レインメーカーショックを巻き起こしたオカダとなる。
すでに最速挑戦では、この2人の記録を塗り替えたことになる。
大阪城ホールが、「陽太コール」に包まれる中、
どっしりと構え不敵な笑みを浮かべる辻。
SANADAのリープフロッグをスピアーで切り返し、
冒頭に記したようにブエロ・デ・アギラを炸裂。
トップロープをバク宙で飛び越え、
180度旋回してのアタックは完璧だった。
思い起こせば、1990年代半ば~後半にかけて
日本マット界ではジュニアブームが巻き起こっていた。
その中でも屈指の空中戦の使い手といえば、
ウルティモ・ドラゴン、グレート・サスケ、TAKAみちのく、
ハヤブサといった名前があがるだろう。
ただし、超難易度のブエロ・デ・アギラを使いこなせるのは、
カズ・ハヤシ(獅龍)だけだった。
それをヘビー級の辻がパーフェクトに決めてみせた。
すくなくとも、ヘビー級でこの技を披露した選手は初めてだと思う。
■写真提供/新日本プロレス
その後も、デッドフォールを側転して回避したり、
ルチャ殺法をオリジナル技としてパワフルに繰り出すなど、
辻の変貌ぶりとパフォ―マンスには驚かされるばかり。
最後は、シャイニングウィザードからデッドフォールという
SANADAの必勝パターンに沈んだもの、サプライズの連続。
成田蓮、海野翔太につづく第三の男は、
彼らとはまったく違う路線を行くモンスターと化していた。
今年の『G1』の台風の目は辻で決まり!
それを印象付けるインパクト満点の凱旋マッチであった。
というわけで、新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトの
不定期連載『‟GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』はこちら。
6・4大阪城ホール総括、読んでみてね!
辻陽太は“令和の乱”を巻き起こすことができるのか?」6.4大阪城ホールを大総括!
【“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信】 | 新日本プロレスリング (njpw.co.jp)
●おっ、そろそろ『ALL TOGETHER AGAIN』の開始が迫ってきた。
両国国技館へ向かうぞー!!
Vamos!