5月4日に開催されたプロレスリングNOAHの

『MAJESTIC 2023』両国国技館大会。

 

観客動員はやや寂しい数字(2721人)となったものの、

全12試合(※ダークマッチも入れると14戦)とテンコ盛り。

 

満腹感で腹パンパンの約4時間半興行となった。

まあ、ダークマッチ開始時刻から計算すると5時間半だから、

なんというかノアを中心としたプロレスの祭典といった趣き。

 

私が会場入りしたのは午後4時半で、

ちょうどダークマッチ2試合目の最中。

だから会場滞在時間は約5時間。

 

それでも、そんなに長く感じなかったしダレることもなかったのは、

それだけ出場メンバーがバラエティに富んでいて、

それぞれの試合のカラーが違って面白かったからだろう。

 

そこで、やはりもっとも釘付けとされたのは、

メインイベントのGHCヘビー級選手権である

ジェイク・リーvs丸藤正道の一騎打ち。

 

戦前、「腐っても丸藤だ」と自ら言い放った丸藤。

また、「丸藤はまだまだ鼻たれ小僧だよ」と称したのが武藤敬司。

 

まあ、60歳、38年以上もリングに立った武藤からすれば、

43歳、キャリア25年目の丸藤はまだまだ若い。

そんな丸藤へのエールの意味合いも込められていたのだろう。

 

 

 

 

ひさしぶりに丸藤らしさが全開となった。

コーナーからエプロンへ見舞った断崖式不知火。

さらに、雪崩式不知火。

 

武藤ばりにレフェリーを踏み台にしての虎王。

正調・虎王に真・虎王と変幻自在のヒザ攻撃を連発。

 

このあたりに、「究極のプロレスファンの成り上がり」

を自負する丸藤の天才ぶりが遺憾なく発揮されていた。

 

しかし、ジェイクは沈まない。

すべて受けきったうえで強烈な串刺しフロントハイキックを決め

丸藤から3カウントを奪取し、Ⅴ2に成功。

 

じつは私の場合、ジェイクの試合をしっかりと観たことがなかった。

生のビッグマッチで観たのは今回が初めてかもしれない。

 

彼に対する周囲の評価はすこぶるいい。

身体がでかいし、試合もいいし、人間性も素晴らしい。

マスコミ、関係者たちは総じてそう評するのだ。

 

なるほど、聞きしに勝るタフガイだった。

192㎝、110㎏という巨体を駆使しながら、

スピードがあるし、メリハリもある。

 

素晴らしい選手だなあ。

それが率直な感想だった。

 

試合後のマイクパフォーマンスもよかった。

 

「おい、丸藤選手。

あんたは腐ってねえよ。

もう‟腐っても”なんて言うんじゃねえよ!

清宮海斗と触れ合って未来を感じて、

中嶋勝彦と触れ合って強さを感じて、

丸藤正道と触れ合って歴史を感じて。

次は、どうしようかなあ?

お客さん、どうだった今日の両国大会。

プロレスって見ると元気もらえるだろ?」

 

試合中は当然の如く丸藤コール一色に染まっていた。

ところが試合後、大ジェイクコールで国技館が沸き返っている。

 

ああ、彼は頭もスマートなのだな。

マイクの途中、妄想が浮かんできた(笑)。

 

「次は、どうしようかな?

武藤敬司と触れ合って師匠を感じたい」

 

「次は、どうしようかな?

オカダ・カズチカと触れ合って最強を感じたい」

 

まあ、現状では無理な話だろう。

ただ、そういった相手とのマッチアップを期待させるほど、

ジェイク・リーの試合と佇まいに魅力を感じたのだ。

 

バックヤードでの共同インタビューでも同様だった。

 

彼が発したコメントに関しては、

さまざまな媒体を参照してもらいたい。

 

あるがままの素直な気持ちを言葉に換えている。

強がるわけでもないし、謙虚すぎるわけでもない。

外敵ではあっても、無理にヒールぶることもない。

 

それでいて、ノア最高峰のベルトを保持していることを自覚し、

その責任を果たす覚悟がしっかりと伝わってくる。

 

そして、最後のひとこと。

 

「(質問のほうはもう)OKですか?

では記者のみなさん、

夜遅くまでありがとうございました」

 

性格までよい。

これじゃ、惚れてまうねん!

 

某石川県知事にもぜひ見習ってほしい(笑)。