またも少し遅れてしまったのだが、事件続出となった
新日本プロレスの1・21横浜アリーナ大会の総括が
新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトでアップされている。
前回アップした当ブログにも記した一件だが、
第4試合の新日本vsノアのタッグマッチ、
オカダ・カズチカ&真壁刀義vs清宮海斗&稲村愛輝の一戦で、
試合開始早々にカットプレイに入った清宮がオカダの顔面を蹴り上げた。
この一撃で額を切ったオカダが文字通りブチ切れて、
清宮と場外で大乱闘……いや、大喧嘩をはじめた。
パートナーが制止しても止まらず、セコンド陣も
加わりようやく両選手を分けている。
■写真提供/新日本プロレス
じつは試合後しばらく経ってから、
オカダに額の傷口を見せてもらった。
最初はオカダが自ら放った頭突きで切れたのかと思っていたが、
清宮の蹴り上げで切れたのは明白だった。
額部分の皮が擦れたようにめくれ上がっていたから。
皮シューズの甲部分+靴紐によってオデコがえぐられたような感じ。
この一撃によって、ノアの2・21東京ドームで、
現段階で両団体のトップのベルトを保持する2人の一騎打ちが決定。
ただし、オカダはあくまでこう言っている。
「会社が勝手に決めただけで、自分はやらない」
これはおそらく、鷹木信悟との防衛戦(2・11大阪)を控えているからだろう。
あれだけ荒れ狂ったのだから、その落とし前はつけなければならないはず。
その後、今大会の目玉である新日本vsノアのユニット闘争、
ロス・インゴベルナブレス・ハポンvs金剛のシングル5番勝負へ。
これが予想以上に内容が濃くて白熱した。
タダスケvsBUSHIは、タダスケの逆転勝利。
パワフルにして試合巧者のタダスケは、
あの冬木弘道(故人)スタイルを継承している。
■写真提供/新日本プロレス
戦前、「ジャイアントキリング」を宣言していた大原はじめは、
現IWGPジュニア王者の高橋ヒロムを終始圧倒してみせた。
闘龍門メキシコでオカダと同期の大原は、
キャリア4年で師匠のウルティモ・ドラゴンを破った実績を持つ。
また、CMLLでは海外遠征中の田口隆祐とタッグを組んでいたこともある。
キャリアと経験値でヒロムを凌駕する大原は、
そのすべてをヒロムにぶつけていった。
結果、逆転負けを喫したものの、
ここ数年の大原の試合を振り返ってみてもベストマッチだろう。
試合後に、さすがのヒロムも大原の上手さを絶賛している。
■写真提供/新日本プロレス
SANADAvs征矢学はオールドファンには堪らないカード編成。
2008年~2013年にかけて武藤体制・全日本プロレスで
両者はライバル関係にありタッグパートナーでもあったからだ。
空白の10年を埋めるかのようにぶつかり合う両者。
最後は、征矢が弾道(コークスクリュー式ラリアット)でSANADAを沈めた。
「あいつにジェラシーしかない。
絶対にあいつには負けたくないんだよ。
この先も、あいつには負けたくない!」
試合後、征矢は魂の咆哮。
この10年、泥臭くマット界を生きてきた征矢に対して、
SANADAは新日本№1人気ユニットでスポットを浴びてきた。
2人だけの世界観が垣間見られる闘いだった。
鷹木信悟vs中嶋勝彦は過去、ドラゴンゲート、
ダイヤモンドリングで2戦して中嶋の2連勝。
10年ぶりの邂逅で、鷹木が火の出るような打撃合戦を制した。
さすがに新日本、ノアのトップ同士による凌ぎ合いだった。
2勝2敗で迎えた大将決戦。
内藤哲也vs拳王。
一進一退のまま25分が経過した。
決着は思わぬカタチで訪れた。
拳王がファルコンアローを狙ったところで、
空中で体を反転させた内藤がデスティーノに切り返す。
そこから一気にバレンティア、
正調デスティーノとたたみかけて、3カウント。
■写真提供/新日本プロレス
ロス・インゴvs金剛の5番勝負は、
3勝2敗でロス・インゴに凱歌があがった。
今回の総括では、このシングル5番勝負が生んだ
思わぬドラマにも焦点を当てて記してみた。
そして最後に、想定外のドラマが待ち受けていた。
メインのゲスト解説についていた武藤が突然リングイン。
■写真提供/新日本プロレス
2・21東京ドーム、自身の引退試合の相手に内藤を指名したのだ。
リングに戻ってきた内藤は、武藤と対峙しても位負けしていなかった。
そこで、11年前の一騎打ちを思い出す。
2012年の1・4東京ドームのセミファイナル。
ファン時代、武藤フリークだった内藤にとっては
憧れの存在との待望のマッチアップ。
だが、明らかに武藤に飲まれてしまった。
その圧倒的な存在感と重さに圧し潰された感もある。
極論するなら、当時の内藤はまだまだ武藤を
オマージュしているレスラーだったのかもしれない。
あれから11年、ロス・インゴ結成から内藤は大きく変貌した。
ロス・インゴ結成当時からの内藤のスタイルには、
なんとなくグレート・ムタのパフォ―マンスまで被ってくる。
今になって、そんな思いが沸いて来る。
言ってみれば、武藤+ムタ。
そんな空気感さえ漂わせるオーラを身に付けたからこそ、
武藤敬司と対峙してもまったく引けをとらなかったのではないか?
だからこそ武藤も、自身のファイナルに相応しい相手は、
「内藤しかいない!」と本能的に感じたのではないか?
さまざまな想いを抱かせてくれた
1・21横浜アリーナ大会。
こちらの総括を、ぜひ読んでみてくださいね。