すこし時間が経ってしまったけれど、

新日本プロレスの4・9両国国技館大会に関して。

 

6大タイトルマッチが開催されたが、

第6試合のIWGPタッグ選手権が好勝負となった。

 

ここ2年ほどのことだが、

IWGPタッグ戦はおもしろい。

 

かつて、タッグ戦線が外国人天国だったころは、

王座防衛を果たしてもタイトルが移動しても、

IWGPタッグそのものがクローズアップされることは少なかった。

 

ところが、棚橋弘至&飯伏幸太のゴールデン☆エース、

タイチ&ザック・セイバーJr.、現王者の毘沙門(後藤洋央紀&&YOSHI‐HASHI)

あたりが絡んできてから、俄然注目度が増してきたように思う。

 

今回、満を持して王座に挑戦するのはUNITED EMPIREの

ジェフ・コブ&グレート₋O₋カーン(以下、オーカーン)。

 

タッグの名手といっていい後藤のリードによって

覚醒した感のあるYOSHIーHASHI。

 

ただし、今回ばかりはオーカーンに風が吹いていた。

各媒体で報道された通り、先月29日にJR武蔵小杉駅構内で

酒に酔った男性から女児を救出したオーカーンの行動は絶賛された。

 

まあ、一般報道のなかには、

「リングでは悪の限りを尽くすヒール(悪役)のオーカーン選手だが……」

と書かれているものも多かった。

 

オーカーンは反体制にいるが、特に悪いことはしない。

乱入もしないし、むしろ真っ向勝負の試合が持ち味。

 

どう見てもキャラとルックスが悪党っぽいだけ。

プロレスファンならご存知だろうから、

そこらへんはご愛敬ということで(笑)。

 

              ●写真提供/新日本プロレス

 

というわけで、今回もIWGPタッグ戦は白熱した。

両チームの連携、合体攻撃も冴えわたるなか、

オーカーンのリストクラッチ式エルミネーター、

コブのツアー・オブ・ジ・アイランドが

YOSHIーHASHIに決まり3カウント奪取。

 

ついにIWGPタッグを巻いたオーカーンは、

ベルトと中原警察署から贈呈された感謝状を手に勝ち誇り、

ダウンしている後藤に歩み寄って、

「泣いてんのか? パンケーキでも食うか?」

と完璧なオチをつけてみせた。

 

バックヤードインタビューでも、

「余は最高にプロレスラーしてるよ」

と会心のひとこと。

 

いま、オーカーンが最高にキテいる感じ。

今年半ば~下半期、もっとも注目の男かもしれない。

 

メインのIWGPヘビー級選手権は、

絶対王者のオカダ・カズチカに

NJC覇者のザック・セイバーJr.が挑んだ一戦。

 

戦前、ザックが「オカダvs全員という図式を崩したい」

と言っていたが、現新日マットはまさにその通りの様相。

 

実際のところ、オカダがIWGP(世界)を奪還してからまだ3ヵ月余。

それまで2年もシングルベルトから遠ざかっていた。

言ってみれば、オカダ冬の時代であったのだが、

わずか3カ月ベルトを巻いているだけで、すべてがチャラというか、

やはりオカダの圧倒的強さ、器の違いが際立って見えるのだ。

 

ただし、いまのザックは過去最強。

身体が分厚くなり耐久力、パワーが増したばかりか、スピードもあり、

新たなサブミッションの引き出しも次々と開かれていく。

 

              ●写真提供/新日本プロレス

 

「もしかしたら……」の空気が国技館を覆うなか、

ザックのサブミッションにオカダは危機一髪の状況にも陥った。

もしタップアウト負けを喫したなら、7年ぶりのギブアップとなる。

2015年8月、『G1』公式戦で中邑真輔の腕十字に敗れて以来となるから、

もはや遠い昔というか、伝説的な話になりかけているのだ。

 

ただし、やはり王者は底知れない強さを披露した。

ザックがNJCを制したスイング式DDT→セイバードライバーを切り返し、

開脚式ツームストンパイルドライバーからレインメーカーで3カウント。

 

              ●写真提供/新日本プロレス

 

堂々たるⅤ3を達成した。

試合後、オカダが次期挑戦者に指名したのは、なんと内藤哲也。

2・20札幌、3・26大阪城ホールに次いで、今年3度目の一騎打ち。

過去のシングル戦績は6勝6敗のまったく五分で、

そこに両者による10年闘争が凝縮されている。

 

5月1日、21年ぶりに開催される福岡paypayドーム大会。

その大舞台で両巨頭が完全決着戦に臨むことが決定した。

 

というわけで、今回も新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトにて、

4・9両国国技館大会を4大タイトルマッチに絞って総括レポート。

5・1福岡ドームへの道のり……まあ読んでみてね!

 

『“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』!

「“底知れぬ王者ぶり”を見せつけたオカダ、5.1福岡ドーム 

内藤戦は“10年越しの総決算”な闘いに!!」4.9両国決戦を大総括! 

| 新日本プロレスリング (njpw.co.jp)