2019年11月に発売された宝島社の証言本である
『猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯』が文庫本化された。
ふだんの証言本シリーズとは一線を画し、
アントニオ猪木自身が取材を受けていることから、
猪木公認本としてかなりよく売れたと聞いている。
ということで、今回そのままの内容で文庫化されたしだい。
アントニオ猪木とはいったい何者なのか?
佐山聡、前田日明、武藤敬司、蝶野正洋、天龍源一郎ら
因縁の12人が証言する“燃える闘魂"の光と影。
そして、猪木自身にもインタビューを敢行!
舌出し失神、1・4事変、UWF、新日本身売り……
プロレス界「最大の謎」を猪木本人に問う! !
書籍『猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯』(2019年刊行)待望の文庫化。
という内容で、宝島SUGOI文庫から発売となる。
周知のとおり、猪木がアミロイドーシスという難病に
侵されていることを告白したのは2020年7月のこと。
前回の書籍発売のための取材が行なわれたのが、
2919年9月~10月になるから、病気発症直前のこととなる。
そういう意味でも、「元気があればなんでもできる!」
猪木が最後に語ったプロレス論となる可能性もある。
(※まあ、またきっと語ってくれるとは思うのだが……)。
猪木自身はもとより、猪木と関連性の深い現役選手、元選手、
関係者13名が登場する猪木完全本といった様相でもある。
これは前回も書いた話であるが、
さまざまな証言者たちのなかで、
私個人がイチバン面白いと感じたのは、
グレート小鹿(現役最古参レスラー)の証言。
手掛けたのは、堀江ガンツ氏。
なにが面白い、興味深いのかといったら、
元・全日本プロレスでジャイアント馬場さんの
腹心、ポリスマンとも目されていた小鹿さんが、
じつは日本プロレス時代から‟猪木シンパ”であったという事実。
この小鹿さんの項目はおススメなのだ。
私は、藤田和之を担当。
猪木イズム最後の継承者として
晩年の猪木ともっとも間近に接していた現役レスラー。
まあ、公私ともに25年来の付き合いとなる藤田のことなら
過去の膨大な取材による記録と記憶をたどれば取材なしでも書ける。
取材しなくても書けるのだが、やっぱりちゃんと取材した。
取材といっても電話で小1時間程の会話による確認作業。
まあ、話し忘れたことなどあれば、
あとはラインでやりとりすればいい。
ただ、面白いのは、歳月が経てば忘れてしまっていることも多々あるし、
当時の記録を引っ張りだしてみたときに、「言った」、「言わない」と
互いの意見が割れてしまうこと。
その一方で、当時の藤田が自重していたであろう、
とても書けないようなトンデモ話が飛び出してくることもある。
まあ、それはともかくとして、
今回の文庫化にあたり、
私が手掛けた藤田の証言のページだけには、
わずか4行分ながら追記をさせてもらった。
べつに、「4行分の原稿料をちょーだい!」などとセコイことは言っていない(笑)。
ただし、猪木と藤田の師弟関係を顧みたとき、このたった4行が
必要不可欠と感じたから追記させてもらったわけである。
というわけで、前回の書籍を読んでいない方は、
今回お値段のほうも安くコンパクト仕様なので、
おススメしておきたい。
また、すでに書籍を購入済みの方は、
追記の4行分を立読みしてくださいね(笑)。
●2月4日、全国発売
●文庫=344ページ
●定価=880円
以上!