スターダムの大一番である9・25大田区体育館大会、

5★STAR GP 2021~優勝決定戦~の取材に行ってきた。

 

 

 

結果は朱里の初優勝。

 

ブルースターズ公式リーグ戦(最終戦)の

彩羽匠(マーベラス所属)と20分時間切れのシバキ合いを展開し、

セミの1試合を挟んだだけでダメージの残るなか優勝決定戦へ。

 

レッドスターズを勝ち上がった渡辺桃と

これまた18分36秒の打撃合戦を制して、

女王の座に就いた。

 

 

 

いま現在のスターダムにおいて朱里がもっとも安定した実力を備え、

心技体と充実している女子レスラーであること証明した格好なのである。

 

まず、本題に入る前に、ワタクシ金沢はこの日やっちまった。

翌26日のノアの後楽園ホール大会が午後6時開始。

なぜか、スターダムの試合開始時刻も午後6時だと思い込んでいたのだ。

 

ここ最近というか、この1年ほどはほとんど電車に乗っていない。

やはりコロナ感染が気になってしまい、人混みは避けてしまう。

従って、首都圏の会場に出向くときはマイカーで行くことが多い。

 

マイカー運転中は天国だぜー。

マスクを装着する必要もないし、

誰に気兼ねすることもなく喫煙だってできちゃう。

 

だいたい行きはともかく、帰宅時の道は

一般道も高速道も空いているから快適この上なし。

 

ひとつ問題は事前に駐車場を見つけることだけ。

面倒な作業なのだが、会場近辺でできるだけ収容台数が多く、

また価格の安い駐車場(コインパーキング)を見つける作業にも慣れてきた。

 

大田区総合体育館に行くときは、ここが安心という駐車場をひとつ見つけた。

体育館最寄り駅の一個手前の駅周辺なのだが、穴場なのであーる。

 

で、それはともかく開始時間をすっかり勘違いしていた私は、

午後5時スタートなのに6時5分に会場の受付けに着いた。

 

受付けにいたのは、広報担当のⅠさん。

彼女のことは15年以上前から知っているのだが、

いつも笑顔で人当りがよくてとってもいい人なのだ。

 

「あっ、金沢さん、お待ちしていました」と言うと

プレスカードを渡してくれた。

「試合カードの資料のほうは売り切れてしまいましたけど…」

とすこし申し訳なさそうに語る。

 

「ぜんぜん大丈夫です」とか言って、

普通にパスをもらったワタクシ。

 

うーむ、あとから考えると図々しいにもほどがあったのだが……。

 

会場に入ってみると、すでに第1試合(※じつは第6試合)が始まっていた。

ブルースターズ公式リーグ戦、ウナギ・サヤカvs上谷沙弥の好カード。

ふむふむ、第1試合からこんないいカードを組むとはさすがビッグマッチだな。

 

そんなことを思いつつ、スターダムらしいハイレベルの試合を見つめていた。

試合は進み、第4試合(※じつは第9試合)の中野たむvs林下詩美が熱闘を展開。

 

その後、場内アナウンスがあった。

 

「メインイベントの優勝決定戦を前に消毒作業など準備のため、

しばらくお待ちください」

 

あれっ、もうメインなんだな?

新日本ばりにビッグマッチでも試合数を絞っているわけか。

 

いや、たしか何日か前に週プロMobileで確認したときは、

もっと試合がいっぱいあったような気がする。

白川美奈も岩谷麻優も見てないし……。

 

そこで週プロMobileで確認してみる。

あちゃー!

ランス・アーチャー。

 

試合開始時刻はなんと午後5時だった。

やっちまったね、おーい!

 

ということは、もしかして広報のⅠさんは私が到着するまで

受付けを締めずに待っていてくれたのかもしれない。

というのもスターダムの場合、コロナ禍にあって取材は事前申請となっているから。

 

取材申請していた私が来るまで待っていてくれたのだとしたら、

本当に申し訳ない話。

ふつう、試合開始から1時間を経過したらマスコミ受付けも

さすがに撤収しているはずだから。

 

いやはや、やっちまった!

オオボケもいいところなのだ。

 

メイン終了後、顔見知りのマスコミ関係者にそのことを話したら、

みんな呆れた顔をしつつ、「でもオイシイところだけ見たと思えば」とも言われた。

 

で、私のボケまくり話は終わり。

当日、発見したことでイチバン心に残ったこと。

 

大会終了後の表彰式で各賞が贈呈されている。

ブルースターズ公式リーグ戦のベストバウトに選出されたのは、

この日、互いの最終公式戦となった朱里vs彩羽匠の20分ドローの闘い。

 

たしかに、ノンストップでのシバキ合いは

スターダム現代プロレスの象徴的な大激戦だった。

 

 

その一方で、私の心にもっとも残った一戦はセミファイナル。

ブルースターズ公式リーグ戦そのものの最終戦でもあった

林下詩美vs中野たむ戦。

 

詩美が勝てば、朱里と同点となり直接対決でも引き分けているため、

さらに詩美vs朱里の優勝戦進出決定戦が行なわれるという状況だった。

 

それ以上の注目ポイントといえば、

詩美が赤のベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)を保持する王者であり、

たむが白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)を保持する王者であり、

赤と白のチャンピオン同士による特別な試合でもあること。

 

王者同士であることを意識したのか、

それとも必然的にそうなったのかは分からないが、

ゴング直後からグラウンドでの攻防が展開された。

 

ヘッドロックをベースにリストロック、

ハンマーロックの取り合い、

たむが腕を極めにいくと、

詩美は膝十字を狙う。

 

いやぁ、新鮮だ。

女子プロによるマットレスリング。

いきなりのハイスパートや、

エルボーやキックの打撃合戦ではなく、

新日本プロレスのシングル戦ばりの攻防。

 

やればできるんですよ。

しっかり練習してますからね。

 

そういう両者の声が聞こえてきそうな感じ。

いや、本当にふだんしっかりレスリングの練習をやっているのだろうな。

見ていて、釘付けになってしまった。

 

その後、スパートがかかると、2人の持ち味が存分に出る。

詩美は体格差とパワーの違いを見せつける。

エプロン上でたむを抱え上げるとそのまま場外へ投げつける。

なんとうつ伏せに落下したたむはボディを場外マットに強打。

 

さらに、ロープを掴んで必死に抵抗するたむを

強引なジャーマンスープレックスで投げてしまった。

 

たむのほうは機動力を使って見事なプランチャスイシーダ。

切り返しの連続から、危険なバイオレット・スクリュー・ドライバーへ。

これをキックアウトされると、切札トワイライト・ドリームで3カウント奪取。

 

相変わらず、見事なブリッジワークだった。

なにより、シングルの二枚看板である赤のベルト保持者と

白のベルト保持者による20分間の公式リーグ戦で完全決着がついたこと。

 

そこが凄いし、画期的な一戦だったと思う。

 

当然といえば当然なのだが、両者が決着をつけにいったこと、

そして前半のマットレスリングによって試合の重さを表現したこと。

そこが多いに評価されるし、この日、私にとってはイチバンおもしろい試合だった。

 

ただし、課題も見えた。

詩美もたむも発展途上のチヤンピオンだし、

まだまだノビシロがあるわけだから課題が見えるのも当たり前かもしれない。

 

ただし、例えば女王となった朱里が完成されたレスラーだからこそ、

そこの課題をよけいに感じたのかもしれない。

 

 

これって、言葉ではなかなか表現しづらいもの。

本当はズバッと書いたほうがいいのかもしれないが、

それでは頑張っている2人に申し訳ないような気もするのだ。

 

柔らかく遠まわしに指摘するなら……

詩美にはもっと力強さを前面に押し出してほしい。

なんといっても、あの体格とパワーがあるのだから。

 

一方のたむには、もっと打撃を磨いてほしい。

それは打撃を多用するという意味ではなく、

たとえ小柄でも説得力に溢れるような1発1発を見せてほしいということ。

 

いずれも、期待の裏返しであることは言うまでもない。

 

【追伸】

打てない、守れないのロサンゼルス・エンジェルス。

相変わらず孤軍奮闘の大谷翔平。

 

本拠地でのマリナーズ戦。

投手として7回1失点、無四球10奪三振でも勝ち星がつかない。

7回裏、自らの打席で追加点、勝利投手を狙ったものの、

前々打者のフレッチャーが倒れて3アウト。

 

珍しく大谷がフラストレーションを爆発させて、

バットケースに収める前にバットを叩きつけた。

 

ユニコーンだ、地球外生物だと言われたって、

やっぱり生身の人間だからねえ。

 

本日は、テキサス・レンジャーズと対戦し、

1四球の3タコに終わった。

一方、ホームラン王争いをしているロイヤルズのペレスは

どでかい47号ホームランをレフトスタンドに叩き込んだ。

 

これで45本の大谷とは2本差となった。

大谷は残すところ6試合。

ペレスは5試合。

46本のゲレーロJr.はあと6試合。

 

さて、どうなることやら?

いや、どうなっても大谷のMVPは間違いないと信じているが。

 

なにかと問題発言の多い張本勲さんも言った。

かつて大谷に対し、辛口発言を連発していた人だ。

 

「コロナコロナのこの世知辛い世の中で、

大谷のホームランだけが唯一の楽しみですから。

大谷がホームラン王を獲れなかったら、私は泣きますよ」

 

私も似たようなもの。

大谷の試合を観るためなら、

3時間睡眠だろうと、ちゃんと早朝5時に起床できる。

朝起きるのが無理だと思えば、徹夜してもテレビ観戦する。

 

ま、いまはオイラも無の心境かな?

大谷翔平は大谷翔平らしく。

最後まで歴史的シーズンを健康体で楽しんでほしい。