今年の1・4東京ドーム大会をもって、18年半担当したテレビ朝日の

『ワールドプロレスリング』中継、『新日本プロレスワールド』中継の

解説者を卒業することとなったワタクシ金沢。

 

あれから4カ月半……意外なカタチで放送席に電撃カムバックした。

15日、ここ数年間お世話になってきたSディレクターから連絡をもらい、

野上慎平アナウンサーとのコンビで、あの一戦の解説をお願いしたいとのオファー。

 

収録は、20日午後に東京・六本木のスタジオで行なわれた。

あの一戦とは、もちろん12日(現地時間)米国フロリダ州ジャクソンビルの

『AEW DYNAMITE』で開催されたIWGP USヘビー級選手権。

 

王者4度目の防衛戦となるジョン・モクスリーvs永田裕志戦。

すでに生中継の映像は現地実況のままNJPWワールドで配信中。

 

ただし、視聴者から「野上アナの実況で観たい」との要望が多かったことから、

誰よりも永田をよく知る、野上‟ジャスティス”慎平&GK金沢コンビによる

実況&解説バージョンで再収録することになったしだい。

 

 

これはおもしろい!

無論、二つ返事で受けさせてもらった。

 

永田にとっては、IWGPと名の付くタイトルに挑戦するのは、

2015年の2・14仙台サンプラザホールで中邑真輔の保持する

IWGPインターコンチネンタル王座に挑んで以来、約6年ぶり。

 

「50(歳)代でIWGPヘビー(現・世界ヘビー)を巻いてみせる」

 

この目標をモチベーションとして、53歳になった現在も

抜群のコンディションを保ってリングに上がる永田。

 

たとえ、US王座であってもIWGPと名の付くシングル王座への挑戦は魅力的。

しかも、王者であるモクスリーのほうから永田を挑戦者に指名してきた。

 

永田は新日本プロレス所属選手として初めて因縁浅からぬAEWのリングに登場。

「ジャパニーズ・レジェンド」の初参戦を目の当たりに会場の観客は大興奮状態。

 

かつて、1997年3月~1998年7月の米国遠征当時、

WCWのレギュラーとして全米生中継の『マンディナイトロ』に出場していた永田は、

いま現在のシンスケ・ナカムラ(中邑)にも劣ることのない知名度を誇っていた。

 

本当に、街を歩いていれば何度も声を掛けられるし、

銀行で小切手を換金しようとすれば、身分証を見せなくても顔パス。

同時期、アメリカ進出をはかっていたセイコ・マツダ(松田聖子さん)より、

ユージ・ナガタのほうがはるかに有名な日本人であったのだ(笑)。

 

というわけで、永田人気は絶大。

‟喧嘩屋”モクスリーと火の出るような打撃戦。

 

現地実況がまた興味深くて、アントニオ猪木の薫陶を受けているとか、

鈴木みのるとはハイスクール時代からのライバルであるとか、

まあマニアックな話が飛び出す。

 

 

トドメは、このシーンだろう。

永田が白目式腕固めを繰り出した瞬間、

実況アナは「シロメ―!!」と日本語で絶叫。

もちろん、客席も大爆発した。

 

 

その後、一歩も退かないエルボー合戦、張り手合戦に、

観客は、「this is AWESOME!」(=凄いぜ、ヤバいぜ)の大合唱。

 

結局、モクスリーが切札のデスライダーで勝負を制したものの、

試合後、王者のモクスリーが合掌して深々と頭を下げたあと、座礼。

それに永田も座礼で応え、両者は互いの手を高々と掲げてみせた。

 

 

旗揚げから2年の新興団体AEWのリングに新日本マット、

いや新日本プロレス野毛道場の風が吹いたエンディング。

 

永田のことを「ナガタさん」と呼ぶ元WWE世界王者でもあるモクスリーの

永田と新日本へのリスペクトの念が存分に伝わってきた爽やかな結末だった。 

 

さて、その全風景を野上アナとワタシがどう伝えたのか?

当然、スペシャルな秘話もまじえながら野上アナと全力でやらせてもらった。

 

ジョン・モクスリーvs永田裕志のIWGP USヘビー級選手権、

野上&GKバージョンは『新日本プロレスワールド』にて昨日より配信中!

 

また、5月29日深夜放送の『ワールドプロレスリング』では、

本番のタイトルマッチに加え、5日前に行なわれたタッグ前哨戦、

永田裕志&成田蓮vsジョン・モクスリー&クリス・ディッキンソンも放送予定。

 

お楽しみにね!

 

ひさびさの新日本中継の解説、やっぱり楽しかったゼア!!