遅ればせながら、新日本プロレスの11・7大阪大会に関して。

画期的な事件というか、ジンクスを破った試合があった。

 

セミファイナルで組まれた飯伏幸太vsジェイ・ホワイトによる

東京ドーム・IWGPヘビー級&インターコンチネンタル

ダブル王座挑戦権利証争奪戦。

 

                                         ●写真提供/新日本プロレス

 

18分47秒、バックスライド(逆さ押さえ込み)でジェイが勝利。

この結果をもって、2012年の『G1』から優勝者に与えられるようになった

1・4東京ドームでの王座挑戦権利証が初めて移動した。

 

2012年=オカダ・カズチカ

2013年=内藤哲也

2014年=オカダ・カズチカ

2015年=棚橋弘至

2016年=ケニー・オメガ

2017年=内藤哲也

2018年=棚橋弘至

2019年=飯伏幸太

 

2012年優勝のオカダから昨年優勝の飯伏まで、

8年連続で『G1覇者』が権利証を保持して、

1・4東京ドーム大会でIWGPヘビー級王座(※来年は2冠王座)に挑戦している。

 

飯伏が敗れてしまったことで、その記録もついに途絶えてしまった。

なんと言っても気の毒なのは、『G1』史上3人目となる連覇を達成しながら、

悲願のIWGPヘビー級王座(※今回は2冠王座)初戴冠への野望を打ち砕かれた飯伏。

 

1ヵ月にわたる身を粉にした闘いから獲得した勲章を

わずか19分弱で失ってしまったからだ。

 

                                           ●写真提供/新日本プロレス

 

しかも、これがフィニッシュシーン。

ジェイがトップロープに両足を固定した状態で丸め込み3カウント。

レフェリーも飯伏本人もそれに気付くことなく決着と相成った。

立会人などはいないため、レフェリー裁定が覆ることもなかった。

 

こういう丸め込みの際に、ロープに足を掛け体重を乗せフォールにいくのは、

チェーズ・オーエンズなどがよく見せる手段。

もっと言うと、1970年~80年代にアメリカンプロレスの

ヒール選手がよく披露していたテクニック(?)。

 

ただ、大抵はセカンドロープを利用してのもの。

トップロープを利用し、しかもバックスライドで決めたのは初めて見た。

 

ある意味、これぞジェイ・ホワイト。

本来、オーソドックスなレスリングを身上としているジェイが、

クラシックな反則フォール技も現代風にアレンジしてみせたのだ。

 

しかし、これでは飯伏も堪らないし、

試合後に知ったところで後の祭りだった。

 

                                         ●写真提供/新日本プロレス

 

 

ところが、ある意味、救世主となったのが、

当日のメインイベントでEVILを破り2冠王座を防衛した内藤。

メイン終了後にジェイが「オレは1・4は休んで、1・5で2冠に挑戦する!」と宣言すると、

翌8日の会見で1・4&5東京ドームで2日連続の防衛戦をぶち上げた。

さらに、内藤は「『G1』覇者の飯伏幸太と対戦したい」と新日本サイドへ要求。

 

かくして、1・4では内藤vs飯伏の2冠選手権へ。

1・5ではその勝者にジェイの挑戦が正式決定。

 

                                         ●写真提供/新日本プロレス

 

まるく収まったというか、飯伏が救われたというか、

どう考えても、「ジェイ有利」の図式が出来上がったわけだ。

これにて、内藤vs飯伏vsジェイが3すくみで頂点を目指す

来年初頭の東京ドーム2連戦となる。

 

ドームのカード編成を直撃した11・7大阪大会。

その他の4試合も含めた全6戦に関して、

今回も新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトにて総括している。

 

そういえば、ビッグマッチの全試合総括というのは、

私の不定期連載がスタートして以来、初めてかも。

 

まあ、賛否両論が渦巻いた大阪大会の総括を

読んでみてくださいね!