1991年のスタート以来、初めて秋開催となった
2020年の第30回『G1 CLIMAX30』が1ヵ月に及ぶ熱戦の末、
9月18日、東京・両国国技館で有終の美を飾った。
●写真提供/新日本プロレス
優勝決定戦を制したのは、Aブロック代表の飯伏幸太。
3連連続の優勝戦進出、昨年に続く2連覇という結果。
『G1』連覇を過去に達成したのは、蝶野正洋と天山広吉だけ。
見事に、偉大な先人たちの記録に並んだわけだ。
優勝戦の相手として、Bブロックから大逆転で勝ち上がってきたのは、
今大会の期待度№1、Ⅴ候補に挙がっていたSANADA。
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過去、『G1』公式戦で2度対戦して、1勝1敗の五分。
その一応の決着戦となる超身体能力対決は長期戦となった。
なんと35分12秒という『G1』優勝戦史上最長タイムの闘い。
初のシングル頂点獲りを目指して後半猛ラッシュをかける
SANADAを轟沈させたのは飯伏のカミゴェ2連発であった。
試合後、放送席のライガーが言った。
「これが令和のストロングスタイルでしょう」
ストロングスタイルという表現の解釈は人それぞれ。
レスリングあり、飛び技あり、打撃あり。
たしかに、過去の『G1』優勝戦とは違ったカラーが見えた。
ただし、間違いなく‟闘い”はあったし、
進化したプロレスのカタチがあった。
飯伏vsSANADAのライバル対決が、
今後、「令和の名勝負数え唄」となり、
新日本に新時代を呼び込むことにも期待したい。
それにしても、後半の両国3連戦は圧巻だった。
とくに、Aブロック公式戦の最終戦が開催された
10・16両国大会は事件と波瀾が続出。
優勝戦進出の可能性を残すオカダ・カズチカvsウィル・オスプレイの
CHAOS同門対決ではオカダのマネークリップが決まったところで、
オスプレイの恋人でありスターダムの最強外国人でもある
リー・プレストリーが介入してきた。
プレストリーをレフェリーが制止している間に、
なんとイギリスから帰国したグレート‐O‐カーンが乱入し、
オカダにエリミネーター(アイアンクロースラム)を見舞う。
そのアシストを受け復活したオスプレイは、
ストームブレイカーでオカダをKOしてみせた。
●写真提供/新日本プロレス
兄弟のように仲のいい関係を築いてきた両選手だったが、
オスプレイによるまさかの造反劇に会場は騒然。
同時に、オカダはⅤ戦線から脱落する羽目に……。
つづくセミファイナルでは飯伏幸太vsタイチの公式戦。
なにか覚悟を決めたような表情でゴングを聞いたタイチは
いきなりローキックで飯伏を挑発していく。
それに飯伏も呼応してローキックで応戦。
結局、一度も組み合うことのなかった両者の放った
キックの数は計160発。
プロレスの試合で前代未聞どころか、
キックボクシングの試合でもこれだけのキックは出ないのではないか?
最後は、飯伏がカミゴェを決めてメインの結果待ちで残った。
メインイベントは、ジェイ・ホワイトvs石井智宏の最終公式戦。
ジェイが勝てば飯伏と同点(14点)となるが、
直接対決で飯伏を破っているためジェイが優勝戦進出となる。
一方の石井は3勝5敗の6点で、すでにⅤ戦線から脱落している。
ただし、石井にとっては一戦一戦が勝負であり、
彼の辞書に‟消化試合”などという文字はない。
まして、レスラー生活24年にして
初めて両国国技館のメインに立つわけだ。
●写真提供/新日本プロレス
入場してくる石井の表情には鬼気迫るものがあった。
覚悟のオーラが全身から溢れ出しているかのようだった。
インサイドワーク抜群のジェイは石井の負傷している右膝をメッタ打ち。
そのたびに悶絶する石井だったが、石井も対抗して足殺しで逆襲。
最後は乱入してきた外道をラリアットで吹っ飛ばすと、
ジェイにもラリアット、垂直落下式ブレーンバスターを見舞い3カウント奪取。
ジェイを力ずくで脱落させた。
まさに両国大会のメインで石井智宏の生きざまを見せつけられた思い。
翌17日、Bブロックの優勝戦進出に関わる
内藤哲也vsKENTAとEVILvsSANADAの2試合。
もちろん、ラストの飯伏vsSANADAに渦巻くドラマ。
今回、新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトの不定期コラムでは、
10月16、17、18日の両国国技館3連戦を総括してみた。
秋の『G1』が見せつけた新日本の底力、
ぜひ読んでみてくだいね!
『号外!“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』!
今回は「優勝決定戦は“令和のストロングスタイル”だった!?
『G1 CLIMAX 30』両国3連戦を大総括!」【G130C】