新日本プロレス‟大阪城の乱”をうけるカタチで開催された
7月25日、愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)大会。
注目の3大シングルマッチはそれぞれの因縁、
思惑をふくんだ興味深いマッチアップとなった。
まず、第5試合に組まれたオカダ・カズチカvs
高橋裕二郎の5年ぶりの一騎打ち。
7・11大阪城ホールのメインで行なわれた
『NJC』トーナメント決勝戦に乱入し、
オカダにマイアミ・シャインを見舞ったのが裕二郎。
この一撃でペースを崩した大本命のオカダは、
EVILに『NJC』優勝杯を強奪された。
その行為を受けてのシングルマッチ決定なのだが、
この5年ぶりというところに両選手の明暗が浮き彫りとされる。
最後のシングル戦は2015年の『G1 CLIMAX25』公式戦。
それ以降、二度の大怪我を負う不運に見舞われた裕二郎は、
『G1』という最高の舞台から遠ざかってきた。
一方のオカダの躍進ぶりは説明するまでもないだろう。
結果的に裕二郎は変型コブラクラッチに敗れはしたものの、
体幹の強さからくるパワー、インサイドワークでオカダ相手に大健闘。
「今日の裕二郎さん、最高に魅力的でした。
かならず俺たちのところまで上がってきてください」
オカダから、この言葉を引き出しただけでも価値あり。
裕二郎はこのままバイプレイヤーで終わる男ではないはずだ。
セミファイナルでは鷹木信悟vsエル・デスペラードの
NEVER無差別級選手権が行なわれた。
『NJC』トーナメント1回戦で敗れはしたものの
石井智宏と20分を超える激闘を展開したデスペラード。
スニーキーな戦略を駆使して鷹木の左足に一点集中攻撃。
鷹木のスピード&ラッシュを食い止め、あと一歩まで追い込んだ。
それでも、最後はキッチリとラスト・オブ・ザ・ドラゴンで決めてみせるのが鷹木。
2月に後藤洋央紀から王座を奪取して以来、
石井、SHO、デスペラードを相手に内容の伴ったⅤ3。
NEVERのベルトが鷹木色に染まってきた。
●写真提供/新日本プロレス
メインイベントは、IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権。
‟キング・オブ・ダークネス”EVILvs高橋ヒロム。
「内藤哲也、EVILと闘いたいからロス・インゴに入った」
そう語ったヒロム。
内藤は練習生時代に指導してくれた良き先輩。
EVILはヤングライオン時代に苦楽を共にした1年後輩。
この2人に対して特別な感情があるからこそ、
戦前のヒロムは「複雑な心境」と正直な気持ちを口にした。
ただし、IWGPジュニアベルトを巻いて花道を
堂々と入場したヒロムにはスイッチが入っていた。
「IWGPジュニア王者として、IWGPヘビーのベルトも巻く。
そして、俺がテレビ中継をゴールデンタイムに復活させる」
ヤングライオン時代がそう言いつづけてきた夢に向け、
25㎏のウエート差をものともせずEVILと真っ向勝負。
ジャーマンスープレックス6連発を食ってもヒロムは折れない。
ディック東郷の介入を受けても、まだまだ折れない。
そればかりか、TIME BOMBⅡを決め勝利目前……。
だが、またも東郷のアシストを受けたEVILは、
急所打ちから必殺EVILを決めて初防衛に成功。
33分57秒、手段を選ばぬ元盟友のダーティ攻撃に沈んだ。
ダウンするヒロムに今度は石森太二がブラディークロス。
さらに、IWGPジュニアベルトを掲げて挑戦アピール。
呆然、騒然…
またしても、バッドエンド!
●写真提供/新日本プロレス
その不穏な空気を打ち破ったのがリングに駆けこんだ内藤。
過去に見たことのない怖い目をした内藤は、
EVILにリターンマッチを要求し睨み合った。
かくして、きたる8・29明治神宮野球場大会で、
EVILvs内藤の2冠戦、ヒロムvs石森のジュニア戦が決定した。
EVILのBULLET CLUB入り、2冠制覇によって
新日本プロレスの磁場が狂いはじめてきた。
気が付けば、8・29神宮大会まで1カ月を切っている。
内藤、ヒロムは我々にカタルシスをもたらしてくれるのだろうか?
というわけで、今回もこの3試合をテーマの中心に据え、
新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトにて総括レポート。
是非とも、読んでみてちょーだい!
『号外!“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』!
今回は「“大阪城の乱”後に実現したEVILvsヒロムは白熱&大乱激戦!
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