じつに5ヵ月ぶりに、新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトの不定期コラム
『号外!‟GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』が復活した。
当コラムは、新日本プロレスが開催したビッグマッチを
そのたびに考察し総括するレポート。
そのため、この度の新型コロナウイルス禍により、
プロレス界が活動休止を強いられていた間、私の出番はなかった。
とはいえ、指をくわえて見ていたわけではなく、
その間には、全11回におよぶ短期集中連載コラム
『‟シン・新日本プロレス”が生まれた時代』を寄稿していた。
というわけで、ようやく復活なった『新日本プロレス通信』のテーマは
もちろん、7月11日、12日に開催された大阪城ホール大会の総括。
この2連戦は新日本にとっても、有観客で開催したビッグマッチの初陣。
そして、両日とも最後の最後にバッドエンドを超えた超サプライズが待っていた。
●写真提供/新日本プロレス
初日のメインは『NJC』トーナメントの決勝戦。
大本命オカダ・カズチカvs‟キング・オブ・ダークネス”EVIL。
思い出すのは3年前の大阪大会(エディオンアリーナ大阪)。
当時、IWGPヘビー級王者として1年間シングル無敗を誇っていたオカダと
『G1』公式戦(8・5大阪)で対戦したEVILは、オカダを破る殊勲の星をあげた。
当時は、番狂わせ、大金星と呼ばれたほど両者には格の差があった。
しかし、この日のEVILに格負けの空気はなし。
最後は、まさかのBULLET CLUB(外道、裕二郎)の介入があって
ペースを乱したオカダを急所ストンピングからのEVILでピンフォール。
『NJC』制覇、ロス・インゴ離脱→BULLET CLUB入り、
さらに内藤襲撃という、とんでもない結末を見せつけられた。
翌12日には、3大タイトルマッチが決行された。
NEVER無差別級選手権、鷹木信悟vsSHOのライバル対決は、
ガチガチ、ボコボコの攻防が果てしなくつづく大激闘へ。
敗れはしたものの、SHOが対ヘビーへ向けて新たな扉を開いてみせた。
IWGPタッグ選手権も因縁、遺恨が渦巻くマッチアップ。
王者チームのゴールデン☆エース(棚橋弘至&飯伏幸太)に挑んだのは、
鈴木軍のタイチ&ザック・セイバーJr.の巧者コンビ。
この試合もまた面白かった。
ベビーフェイスを超えたヒーロー感を漂わす王者組に対し、
ヒールを超えてダークヒーローの趣きもある挑戦者コンビ。
●写真提供/新日本プロレス
その好対照ぶりが際立つなか、
タイチ&ザックが見事にベルト奪取。
ここ数年、IWGPタッグは外国人レスラー天国であったが、
この試合を観れば今後のIWGPタッグ戦線が大いに期待できる。
メインはIWGPヘビー級&IWGPインターコンチネンタル ダブル選手権。
王者の内藤哲也に、前日『NJC』を制覇しBULLET CLUB入りしたEVILが挑む。
コスチューム、入場テーマ曲もBULLET CLUB仕様に変えたEVIL。
盟友の裏切りに静かな怒りを燃やす2冠王者の内藤。
38分を超える激闘の結末は、観客もマスコミも唖然とするもの。
乱入してきた邪道、石森太二を高橋ヒロムが追い払う。
だが、つづいてBUSHIマスクにロス・インゴシャツの男がリングへ。
BUSHIマスク男は内藤にナックルパンチ、さらにワイヤーで首を絞め上げる。
最後は、EVILが急所ストンピングからEVILで3カウント奪取。
この1~2年、スランプ状態(?)にいると言われていたEVILが、
わずか2日間で、新日本プロレスの頂点に立った。
そして、BUSHIマスク男の正体はディック東郷。
EVILは「オレの新しいパレハ(相棒)だ」と紹介した。
●写真提供/新日本プロレス
この一戦には、EVILの内藤に対する感情がこもっていたと思う。
今のロス・インゴには「虫唾が走る!」と前日に罵倒したEVIL。
もともと、内藤の勧誘で最初にパレハとなった男がEVIL。
この2人の合体からロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンはスタートした。
●写真提供/新日本プロレス
その最初の集大成ともいうべき闘いが、2016年4月10日の両国大会。
3人目のパレハであるSANADAを乱入させるというサプライズを使って、
オカダを倒した内藤はついにIWGPヘビー級王座を初戴冠。
ブーイングと大歓声が交錯するなか、時代を捉えた。
あのときの内藤と同じ手段を使って頂点に立ったEVIL。
これが、もともと俺たちのやり方だろう!
そんな物言わぬEVILのメッセージが聞こえてきたような気がする。
『号外!“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』!
今回は「 “隠し玉”を投入してのベルト強奪!
それは内藤に向けたEVILの“訣別宣言”だったのか!? 」
衝撃の大阪城2連戦を大総括!!」https://www.njpw.co.jp/252753