新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトで連載中の
『‟シン・新日本プロレス”が生まれた時代』は第7回目に突入。
今回は、2011年に大仕事をやってのけたもう一人の男、
‟ストロングスタイル・アーティスト”中邑真輔の大逆襲編をお送りする。
IWGPヘビー級選手権3連敗を経て、
5・3福岡大会で満を持して王者・棚橋弘至に挑戦した中邑。
ちょうど、このころから中邑のスタイルに変化が見えはじめた。
脱力したように腕をだらんと下げたり、クネクネするようになったのだ。
このタイトル戦に敗れた中邑は5月下旬、メキシコへ飛んだ。
約1カ月のメキシコCMLL遠征である。
この遠征において、中邑は大変身する。
頭のサイドをモヒカンふうに刈り上げて、
ダンスをしながら殿堂アレナメヒコに登場したのだ。
すべてを解放したとき、
そこに新しい中邑がいた。
完全に振り切って帰国した中邑は8度目の『G1 CLIMAX』に挑む。
いやはや、凄まじくも素晴らしいパフォーマンス。
頂きを見ることなく、1戦1戦に集中する中邑は
名勝負製造機を超えた中邑”再生”工場と化す。
●写真提供/新日本プロレス
最後の公式戦で、最注目カードと謳われた鈴木みのる戦を突破。
優勝決定戦では内藤哲也を制して、ついに『G1』初制覇。
9年も前の出来事なのに、私は中邑の全公式戦、
優勝戦の内容をかなり記憶している。
ということは、それほど彼の試合内容が神がかっていたということだ。
「一番スゲェーのは、プロレスなんだよ!」
もちろん、締めのセリフはこれだった。
ただ、そのとき放送席で解説についていた私は、
「一番スゲェーのは、中邑真輔なんだよ!」と心の内で叫んでいた。
じつは、当時このブログに書いた優勝決定戦を除く、
『G1』公式戦ベスト10というタイトルの中身を確認してみた。
それがまた中邑の充実ぶりを物語っているのだ。
①永田裕志vs棚橋弘至(8・1福岡国際センター)
○永田(18分19秒、バックドロップホールド)棚橋●
②天山広吉vs小島聡(8・14両国国技館)
○天山(14分10秒、片エビ固め)小島●
③中邑真輔vs天山広吉(8・5後楽園ホール)
○中邑(13分43秒、片エビ固め)天山●
④MVPvs中邑真輔(8・1福岡国際センター)
○MVP(12分02秒、イリバーシブルクライシス)中邑●
⑤後藤洋央紀vs中邑真輔(8・13後楽園ホール)
○後藤(13分13秒、片エビ固め)中邑●
⑥矢野通vs棚橋弘至(8・13後楽園ホール)
○矢野(16分57秒、片エビ固め)棚橋●
⑦中邑真輔vs鈴木みのる(8・14両国国技館)
○中邑(12分13秒、片エビ固め)鈴木
⑧鈴木みのるvsカール・アンダーソン(8・5後楽園ホール)
○鈴木(10分59秒、体固め)アンダーソン●
⑨中邑真輔vsカール・アンダーソン(8・10代々木競技場・第二体育館)
○中邑(12分11秒、片エビ固め)アンダーソン
⑩ジャイアント・バーナードvsヒデオ・サイト―(8・1福岡国際センター)
○バーナード(9分47秒、体固め)ヒデオ●
注釈として、1位~5位までは甲乙つけがたく、
どれが1位であってもおかしくない試合だったと記されている。
それ以上に、20名の選手がそれぞれ9試合の公式戦を闘ったなかで、
中邑の試合がベスト10に5試合も入っていることがスゴイ!
●写真提供/新日本プロレス
まさに完全無欠の優勝と言いきっていいだろう。
世界のシンスケ・ナカムラへ向かっての第一歩を印した
2011年8月の『G1 CLIMAX21』の軌跡。
渾身の1万文字オーバーの原稿で記してみました。
そういえば、中邑本人も当連載を読んでくれていると
噂には聞いています。
おそらく、ご本人もこの『G1』優勝には
特別な感慨があると思います。
ぜひ、みなさんも読んでみてくださいね!
『“シン・新日本プロレス”が生まれた時代』
第7回「『一番スゲェーのはプロレスなんだよ!』
2011年の『G1』で“過去を超えた”中邑真輔の大逆襲がスタート!!」