YouTubeチャンネル『永島オヤジの格闘チャンネル』に、

なんと”野獣”藤田和之がゲスト出演する。

 

 

極めてマスコミ媒体への登場機会がすくない藤田。

藤田本人が言葉での勝負を嫌うタイプであること、

リング上がすべてという考えを持っているからなのだが、

今回は驚くほど饒舌に本音を余すところなく語ってくれた。

 

大きくわけると、テーマは3つ。

 

①31分間の睨み合い。

 

②幻の藤田和之vsヒクソン・グレイシー戦

 

③藤田が体感した最強の男は?

 

①は先のノア3・29後楽園ホール大会で行なわれた無観客試合。

GHC王者・潮崎豪に藤田が挑戦した試合は57分47秒という長期戦となった。

そこで最大のインパクトを放ったのは試合開始から31分、

肌を触れ合うことなく両者が延々と睨み合っていたこと。

 

凄まじい緊張感で歴史に残る闘いだった。

睨み合っているだけで退屈してしまった。

 

動画を視聴したファンの声は賛否両論に分かれた。

試合に敗れた藤田はノーコメントで会場を去っている。

 

あの31分はなんであったのか?

もし観客の入った会場だったら、どうなっていたのか?

新日本育ちとノア(全日本)育ちの選手はどう違うのか?

 

そういった疑問に、初めて藤田がよどみなく答えてくれる。

 

②の藤田vsヒクソン戦に関しては、おそらく知らないファンの方ばかりだろう。

この件に関しては、私が一度だけ自著で触れたことがある程度。

2009年7月発売の単行本『子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争』(宝島社)

の最終章『ヒクソンの亡霊』の中で記している。

 

大まかに説明すると、400戦無敗の男と称されたヒクソン・グレイシーの名を

一躍、世界中に轟かせたのが、髙田延彦との東京ドーム2連戦だった。

 

PRIDE.1=1997年10月11日(東京ドーム)

〇ヒクソン(腕ひしぎ十字固め、4分47秒)髙田

 

PRIDE.4=1998年10月11日(東京ドーム)

〇ヒクソン(腕ひしぎ十字固め、9分30秒)髙田

 

プロレス界のスター選手である髙田連敗の衝撃は大きかった。

ここでヒクソンを叩いておく必要がある――。

その直後、すぐに新日本プロレスは動いたのである。

 

スポンサーを付けて、ヒクソンサイドと話し合いに入った。

当時、新日本が描いていた図式は、早ければ1999年の1・4東京ドーム、

交渉が長引けば同年4・10東京ドームへのヒクソン招聘。

 

その対戦相手として第一候補に挙がったのが中西学。

第二候補として指名され、本人もやる気満々だったのが藤田和之。

当時プロデビューからまだ2年の藤田ながら、

その桁外れの強さを新日本首脳陣は大いに買っていた。

 

最終的にこの話は流れた。

契約書をヒクソンサイドに提示し、

あとはヒクソンがサインするだけ。

そこまでプランは進んでいたのだが、

ヒクソンはサインをしなかったのである。

 

このとき、ヒクソン側と交渉にあたった永島勝司(当時・宣伝部長)、

ヒクソン潰しのための刺客となった藤田和之。

当時者である2人が初めてあの時の状況を語る。

いやはや、生々しい。

 

当時の状況は知っていた私であるが、

こうやって2人が直接向き合って語ると、

なにかゾクゾクとしてくる。

正直、私も興奮を抑えきれなかった。

 

幻に終わった藤田vsヒクソン戦。

たらればはないにしても、

もし実現していたら、新日本の歴史、総合格闘技の歴史、

その後の藤田の方向性も一変していたことだろう。

 

③は、言わずもがなか?

最強の男は、やはりエメリヤーエンコ・ヒョードルである。

藤田vsヒョードルが行なわれたのは2003年6月8日(横浜アリーナ)、

PRIDE.26REBORNのメインイベント。

 

結果は、チョークスリーパー(4分17秒)でヒョードルの勝利に終わったものの、

狙いすました必殺の右フックでヒョードルをダウン寸前に追い込んだ藤田。

まさに、「日本人最強ヘビー級戦士」の名に相応しい大勝負を見せてくれた。

 

そのヒョードルや、ライバルとなったミルコ・クロコップの強さに関して、

藤田が格闘人生を振り返っている。

 

今回、私がイチバン感じたこと。

藤田とは彼が新日本に入門して以来、23年以上の付き合いになる。

今でも電話で話したり、メール交換するなどプライベートでも親交が深い。

 

仕事の話もすれば、雑談ばかりのときもある。

ただし、正式な取材であろうとプライベートの雑談であろうと、

ここまで藤田が本音で事実関係を雄弁に語ったのは初めてと言っていい。

 

リングに上がればスイッチが入って野獣と化す藤田。

ところが一旦リングを降りたら、常識人で腰が低い。

その一方でユーモアのセンスにも溢れている男。

 

そんな藤田と23年以上も付き合ってきたのだが、

今回、藤田史上最高に雄弁な姿を見て、

私も驚いたし、かるい感動も憶えたしだい。

 

是非とも、番組を観てほしい。

ファンのみなさんが抱いている藤田観、藤田像が、

大きく変わるかもしれないので。

 

 

第1回目の動画配信は、11日(土)19時~の予定。

以降、3回にわけてお届けします。

 

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