遅まきながら1・4&5東京ドーム2連戦の総括。
オールorナッシングの闘いと称された
IWGPヘビー級王者vsIWGPインターコンチネンタル王者による
ダブル選手権を制したのは、カリスマ的人気を誇る内藤哲也。
写真提供/新日本プロレス
4選手のなかでひとりだけ持たざる者、
2019年下半期に結果をだせなかった内藤が、
ジェイ・ホワイト、オカダ・カズチカを連破し大逆転の2冠制覇。
ダブル選手権と並ぶ、もうひとつのメインテーマとなったのは、
もちろん獣神サンダー・ライガーの引退試合2連戦。
1・4ではライガーの歴史を彩る男たちが8人タッグで対戦。
藤波辰爾はライオンマーク、飛龍、獣神をデザインした特注ガウンで入場した。
リング上の選手ばかりではない。
セコンドとして、ライガーの最高のパートナーであったエル・サムライ、
1989年4月、この東京ドームでライガーのデビュー戦の相手を務めた小林邦昭も登場。
さらにレフェリーを務めたのが保永昇男。
1991年開催『トップ・オブ・ザ・スーパージュニアⅡ』の
優勝決定戦カードがライガーvs保永(※保永が初優勝)で、
両国国技館でジュニアが初メインを飾った記念すべき大会でもあった。
また、1998年4月、保永の引退試合の相手を務めたのもライガー。
写真提供/新日本プロレス
試合終了後のノーサイド。
溢れ出る涙を堪えきれなかったのが高岩竜一だった。
なぜ、ふだんクールな高岩が感情を爆発させてしまったのか?
わずか8分52秒の闘いのなかにジュニアの歴史、人間模様が凝縮されていた。
1・5引退試合Ⅱでは、互いに望んでいたシチュエーションでの対戦が実現。
ライガー&佐野直喜vs高橋ヒロム&リュウ・リーのタッグ戦。
前日、ウィル・オスプレイからIWGPジュニア王座を奪還したヒロムが、
一騎打ちの様相でライガーの前に仁王立ちした。
激しい打撃戦の末に、TIME BOMBでライガーに引導を渡した王者ヒロム。
大の字となったライガーに何事か囁きかけてからすぐに退場していった。
「涙の一滴も出なかった」としながらも、
「ライガーさんを超えることはできなかった。
あの人の作り上げたジュニア、その時代を超えようと思う」と
熱くも淡々と語った令和のジュニアをリードする男ヒロム。
写真提供/新日本プロレス
一方のライガーは、「彼のほうが二枚も三枚も上で、
ボクが下した引退という決断は間違っていなかったと思う。
ヒロム選手が最後に、『オレがこの新日本プロレスのジュニアをもっともっとでかくする』
とボクの耳元で言ってくれたので。厳しい闘いになると思うけど」と語った。
行きつくところまでいった感のある新日ジュニアの苛烈な闘い。
それをさらに進化させることを誓った王者ヒロム。
確実にバトンは受け継がれていた。
1・5のメインは史上初のIWGP&インターコンチのダブル選手権。
ジェイからベルトを奪回した内藤、
過去最強といっていい飯伏幸太をねじ伏せて王座防衛に成功したオカダ。
その両雄が2年ぶりに東京ドームのメインで対峙した。
写真提供/新日本プロレス
紛れもなく死闘だった。
解説にはついていなかったものの、
リングサイドで放送席の実況を聞きながら試合を見守っていた私は、
リングサイド最前列の客席に超大物格闘家を発見。
第69代横綱、幕内優勝43回と歴代1位の記録を持つ大横綱の白鵬だった。
リング上の白熱戦、予期せぬ危険技、大技の攻防。
私はリング上の闘いと、白鵬の反応、リアクションを交互に確認していた。
大横綱、ガチンコ横綱はプロレス界の最高峰決戦をどう見ていたのか?
そして、ついにオカダを倒して史上初の2冠達成、大逆転劇でドラマを締めくくった内藤。
写真提供/新日本プロレス
そのエンディングにまさかの闖入者あり。
内藤が「デ・ハッ・ポン!」の大合唱で締めようとした瞬間、
KENTAが乱入し、すべてをぶち壊してしまったのだ。
ハッピーのちバッドエンド。
英語にこんな表現はないのかもしれないが、
まさにハッピー&バッドエンド。
2連戦で計7万人以上の観客を動員した
初の東京ドーム2連戦の奇跡と伝説を今回も
新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトにて総括。
『号外!“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』!
今回は「伝説創った東京ドーム2連戦は、ハッピー&バッドエンド!?
ライガー引退、二冠王座戦を大総括!!」
悲喜こもごも。
さまざまな意見が飛び交っているけど、
まあ、私の見解も読んでみてくださいね。