師走です。

寒いっす。

思いっきり風邪ひきました。

 

新日本の12・8広島グリーンアリーナ大会の翌日、

新幹線で帰京するころからどうも体調がおかしい。

 

翌10日朝、だるいなあと思ったら39度の高熱。

幸いインフルエンザの検査は陰性だったけど、

5日間も寝込んでいたのですよ。

 

寝込んでいる間に誕生日はサッと通り過ぎ、

家族と友人たちによる私の誕生日パーティーは

当人不在のまま楽しく終わったとのことです(笑)。

 

そして、寝込んでいる間に(しつこいか?)、

東京スポーツ新聞社制定『2019年度プロレス大賞』が発表されました。

 

その結果は、以下の通り。

 

■東京スポーツ新聞社制定 2019年度プロレス大賞

▽最優秀選手賞(MVP) オカダ・カズチカ(新日本プロレス)

▽年間最高試合(ベストバウト) 〇オカダ・カズチカ vs.SANADA●
(10・14新日本プロレス両国国技館)

▽最優秀タッグチーム賞 諏訪魔&石川修司(全日本プロレス)

▽殊勲賞 宮原健斗(全日本プロレス)

▽敢闘賞 清宮海斗(プロレスリング・ノア)

▽技能賞 飯伏幸太(新日本プロレス)

▽新人賞 ストロングマシーン・J(ドラゴンゲート)

▽女子プロレス大賞 岩谷麻優(スターダム)

▽功労賞 青木篤志

 

なるほど、なるほど。

業界全体バランスよく配合、

モイスチャーミルク配合という感じ。

 

かといって、とくに意義なし。

ただ、一点だけ残念というか不思議な選考あり。

無論、これも私見である。

 

オカダvsSANADA戦のベストバウト獲得は相応しいと思う。

授賞マッチは、10・14両国のIWGPヘビー級選手権。

 

今年行なわれたオカダvsSANADA4連戦の最後の試合だ。

それと決戦投票まで競り合ったのが、

SANADAが初勝利をあげた8・3大阪での一騎打ち(『G1』公式戦)。

 

今年のオカダvsSANADA戦は、それ以前に2回行なわれた。

①NEW JAPAN CUP決勝戦(3・24アオーレ長岡)

②IWGPヘビー級選手権(5・4福岡国際センター)

 

この4連戦をすべて観た私の感想を言うなら、

試合順の通りの試合内容の濃さとインパクトだった。

①長岡②福岡③大阪④両国の順となる。

 

無論、進化していないという意味ではない。

闘うたびに攻防は進化しているが、

そのときどきのシチュエーションで両者が交わったときに

見せつけたインパクト、NEXTへの期待感などなど。

 

そこを考えると、私の場合は両国よりも、

長岡、福岡、大阪になってしまうのだ。

 

まっ、いいか!

同世代の名勝負数え唄がこの1年で確立されたのだと思えば。

 

というわけで、今年で9回目を迎える当ブログのプロレス大賞、

『ときめきプロレス大賞2019』を発表させてもらいます。

 

まったくの独断であり、誰にも気を使っていないし、

添加物はいっさい使用しておりません。

観てないものはわからないから避けて通ります(笑)。

 

■第9回『ときめきプロレス大賞2019』授賞者

 

最優秀選手賞〈MVP〉

 鷹木信悟(新日本プロレス、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)

 

年間最高試合賞〈ベストバウト〉

 ジェイ・ホワイトvsオカダ・カズチカ(IWGPヘビー級選手権/4月6日、米国ニューヨークMSG)

※次点 

 ウィル・オスプレイvs鷹木信悟(BEST OF THE SUPERJr.26優勝決定戦/6月5日、両国国技館)

 

最優秀タッグチーム(ユニット)賞

 拳王率いる金剛(ノア)

 

殊勲賞

 ウィル・オスプレイ(新日本プロレス、CHAOS)

 

敢闘賞

 石井智宏(新日本プロレス、CHAOS)

 

技能賞

 鈴木みのる(フリー)

 

最優秀外国人賞

 ジョン・モクスリー

 

新人賞

 上村優也(新日本プロレス)

 

女子プロレス大賞

 岩谷麻優(スターダム)

※次点 

 Sareee(ディアナ)

 

年間最優秀興行

 新日本プロレス『G1SUPERCARD』 4月6日(現地時間)、

 米国ニューヨーク州マディソン・スクエア・ガーデン大会

 

ベストコメント賞

 飯伏幸太(新日本プロレス)

 「逃げない、負けない、あきらめない、同じあやまちを繰り返さない」

 

☆カムバック賞

 藤田和之(フリー)

 

以上となります。

 

 

MVP=オカダ・カズチカ。

それが当たり前なんだよなあ。

すでにオカダは闘魂三銃士(武藤、蝶野、橋本)を超えていると思うし、

将来的には”神”であるアントニオ猪木さえ凌駕する存在になるかもしれない。

 

ということは、毎年オカダになってしまう!?

うーん、だから考えた。

いや、じつは考えなくても答えは出ていたのかも。

今年は、あえて試合内容だけを吟味して選出してみようと。

 

となると、ダントツで鷹木信悟。

 

スーパージュニアでドラゴン・リーと対戦しても名勝負。

オスプレイとの優勝戦でも名勝負。

BUSHIと組んだジュニアタッグ戦線でもハズレなし。

 

飛ぶわけでもない、メキシコ遠征の経験もない。

それでも鷹木はルチャリブレにもハイフライヤーにも完璧に対応し、

ワンランク上のレベルにまで試合を高めてしまう。

 

初出場の『G1』では、いよいよ本領発揮。

戦績は、9戦して4勝5敗。

タイチ戦、モクスリー戦、ジェイ戦、内藤戦、石井戦、後藤戦。

勝っても負けても、終わってみれば名勝負だらけ。

内容の濃さでは、”名勝負製造機”こと石井智宏と双璧か?

しかも、その石井に真っ向勝負の末、勝っている。

 

その日の大会。

終わってみれば今日も鷹木がイチバン凄かった――

そう感じられる日が、『スーパーJr』や『G1』にかぎらず今年は何度もあった。

 

おそらく、新日本生え抜きの選手たちのなかでも、

そんな鷹木の凄さ、力量に驚嘆するとともに、

ジェラシーさえ抱く選手も数多くいたと思う。

 

ワタクシ金沢的には、鷹木信悟にイチバン震えた1年。

えーい、持ってけMVP!

 

                                      ●写真提供/新日本プロレス

 

ベストバウトは、上記の2試合に完全に絞られた。

 

世界格闘技、エンターテインメントの殿堂であるMSGに、

新日本プロレスが初進出。

しかも、1万6354人(札止め)の大観衆を動員した。

 

レッスルマニアウィークという時期が後押ししたこともあるが、

夢のようなシチュエーションのなか、最高の大会が行なわれた。

 

 

メインでは、王者ジェイにオカダが挑戦。

日本と変わらぬ、いや日本での試合を超える闘いを存分に見せつけてくれた。

 

唯一無二のヒール、スイッチブレイドの魅力爆発。

それを超えるオカダの底知れぬ強さが大爆発。

世界に新日本プロレスのスタンダードを見せつけた名勝負だった。

 

                                       ●写真提供/新日本プロレス

残念ながら、ベストバウトは1試合。

こと日本の大会にかぎるなら、

スーパージュニア優勝戦のオスプレイvs鷹木が群を抜いて凄まじかった。

 

ジュニア、ヘビーといったジャンルの固定観念や括りを超えていた。

無差別級の名勝負をスーパージュニアという舞台で

初めて見せつけた記念すべき優勝戦だったと思う。

 

 

ベストタッグ(ユニット)は、すべりこみでノアの金剛へ。

本来、拳王に個人賞を贈呈しようと思っていたのだが、

北宮、稲村も身体を張っての大健闘。

 

 

藤田和之を相手にしてもまったく怯まない姿勢は素晴らしい。

新たに5人に膨らんだ金剛がノアの中心軸として突っ走りそうな気配。

それにしても、1本スジの通った男・拳王はおもしろい存在である。

 

 

殊勲賞は、ウィル・オスプレイ。

アメリカのあちら側の団体が放っておかない逸材が、

日本に居を構えて新日本をホームにすることを決めた。

 

その証が、自分の怪我さえ顧みないファイトスタイル。

相手を危険にさらすのではなく、自ら危険のなかに飛び込んでいく。

 

ジュニア最強の男は、『G1』でも大活躍をみせた。

 

 

敢闘賞は石井智宏。

そう、トモだ。

 

気が付けば、今年の『G1』エントリーメンバーにあって、

棚橋を上まわる最年長にして、最長キャリア選手だった。

 

衰え?

あるわけなし。

 

先ごろ44歳を迎えたストーンピットブルは、

『NJC』、『G1』、NEVER無差別級戦線と

名勝負製造機ぶりにさらに磨きがかかっていた。

 

 

技能賞は鈴木みのる。

ほら、怖いでしょう?

 

だって、『G1』エントリー漏れした直後のコメント風景だもん。

その怒り、フラストレーションをパワーにかえて、

8・31ロンドン大会のメインでIWGP王者のオカダに挑戦。

 

英国ファンの大喝采を浴びた。

「カッゼになれ~」はもはや世界共通用語かもしれない。

 

また、4月から追いかけまわしていたライガーと、

10・14両国大会で生涯3度目の一騎打ち。

真っ向勝負でライガーに引導をわたし、

その後、なんと深々と座礼。

 

すべてのプロレスファン、関係者がみのるにしてやられた。

この行為によって、土下座と座礼は違うということもファンに認識された(笑)。

 

 

最優秀外国人は、ジョン・モクスリー。

つい最近までWWEの頂点にいた男が

新日本マットに突如参戦。

 

当初スポット参戦かと思いきや、

なんと『G1』にまでエントリーして、

最後まで闘い抜いた。

 

新日本育ちではないのに新日本マットで違和感なし。

いや、多少の違和感もまた魅力となってファンを捉えた。

 

この超大物外国人の一挙手一投足から、

プロレスLOVEという死語すら感じてしまった。

 

 

新人賞は、上村優也。

スゲェー身体している。

まるで、若き日の藤波さんか棚橋みたい。

 

レスリングをベースにしているが、

バネもあり跳躍力もある。

 

おまけに気が強いし、根性もある。

鈴木みのるにイスでメッタ打ちにされながら耐えている表情がいい。

 

「いつか、やり返してやる!」

 

上村の目がそう語っているのだ。

 

 

女子プロレス部門では、岩谷麻優。

ハッキリ言って、遅いくらい。

正直いって、滑りこみでの選考。

 

新日本の米国MSG大会出場まではよかった。

その後が続かずだったけど、なんとか間に合った。

新体制スターダムでも象徴となる赤いベルトを、

11・4後楽園ホールで約2年ぶりに戴冠。

 

後輩と外国人に押され気味だった現状を打破し、

スターダムのアイコンとして返り咲いた。

 

年間最優秀興行というのは、本当に難しい選考。

近年のプロレス界において、つまらない興行というのはまずない。

それなりの実績をもつ団体であれば、どこでも毎回心に響くものを提供してくれる。

 

                                     ●写真提供/新日本プロレス

 

そんななか、やはり圧倒的なインパクトを見せつけたのは

新日本プロレスが米国ニューヨークで開催した4・6MSG大会。

 

この大会が社会的ニュースとして、

一般メディアにも多数扱われたことは、

プロレス界にとっても大きなプラスとなったろう。

 

 

飯伏幸太へ。

ごめん、よくわからない賞で。

本来なら、MVP候補となるべき飯伏であるが、

『G1』開幕戦(KENTA戦)で左足首を負傷。

 

以降、片翼の天使ならぬ片足の飯伏状態での闘いを強いられた。

飛べない、踏ん張れない……極限状態で完走し初制覇した『G1』。

 

昨年度の準優勝から心に決めてきた言葉がある。

 

「逃げない、負けない、あきらめない、同じあやまちを繰り返さない」

 

それは、飯伏が自分のレスラー人生そのものを

振りかえってみたときに出てきたセリフ。

 

こと、『G1』だけではない。

重い重い、誓いの言葉だ。

 

最後に、カムバック賞の藤田和之。

もうプロレスの賞には縁がないと思っていたが、

今年の藤田はひと味もふた味も違った。

 

盟友というか兄貴分のケンドー・カシンからひとり立ち(?)したことで、

積極的にノア、リアルジャパンなどに参戦。

 

プロレスラーとは異形の怪物でありバケモノ。

日本人ファイターながらそれをあらためて見せつけてくれた。

現代プロレス主流のノアのリングで強さと凄みを遺憾なく見せつけ、

リアルジャパンでは船木誠勝と最後のドリームマッチを実現させた。

 

いってみれば藤田和之という存在は、

昔のフリッツ・フォン・エリックであり、ジン・キニスキーなのだ。

わからない人にはサッパリわからないだろうが(笑)、

つまりオーラに溢れたプロレスラーらしいプロレスラーという意味。

 

温故知新もいいものだなあ。

それを藤田が教えてくれた。

 

 

ということで、今年のときめきプロレス大賞でした。

あ、例によって表彰の予定もないし賞金も出ませんが、

その栄誉だけは永遠に称えたいと思っています。

 

では、外道さんの満面の笑みでさようなら…ゼア!